光の世界で…
「…さん。…さん。」
誰かが俺を呼んでいる声が聞こえる。
だんだん意識が戻ってくる。
そして、俺が目を開けると、そこは光の世界だった。
凄く眩しくて、周りが良く見えない。
俺の目の前に誰かが居るみたいだ。
だが、眩しくて誰か分からない。
暫くぼ~っとしていると、だんだん目がなれてきた。
目の前の人物が見えてくる。
…俺の目の前に居たのは、天使だった。
頭の上には、天使の輪が光っていて、背中には、真っ白い羽がある。
そして、顔はビックリするほど整っていた。
間違いない。
以前、絵画やアニメで見た天使だ!
余りに美しい姿に見惚れていると、目の前の天使が話し始めた。
「私は天使のアリエルと申します。」
とても綺麗な声が、頭の中に響き渡る。
「私が仕える神が管理する世界がいくつかあるのですが、その世界の中にある1つの国が、邪神の力を借りて、勝手に封印を解き、異世界召喚をしたのです」
「神は、再度、召喚の魔法陣を封印する為、いま出払っていて不在です。」
「あなたは、その異世界召喚に巻き込まれてしまったのです」
「あなたの身体は、世界を隔てる次元の壁と、魔法陣との間に挟まり、破損してしまいました」
天使は、そう言った。
「あなたには、本来の寿命がまだ残っていました。」
「寿命が残ったままでは、輪廻転生の輪に入り、産まれ変わる事が出来ません」
「そこで神は、自分が管理する世界へ転生させる様にと私に指示を出され、魔法陣の再封印に行かれてしまいました」
「我が神は、9つの世界を管理しています」
「あなたは、その世界の中で、好きな世界へ転生してもらいます」
「拒否権はありません」
「そして、新たな世界で、新たな人生を送ってもらいます」
天使がそう言うと、いつの間にか俺は座っていた。
次に机が現れた。
まるで、中学校の時に使っていた、椅子と机にそっくりだった。
そして、机の上にパソコンみたいな物が現れた。
天使は言う。
「画面の指示通りに進めていって下さい」
「また、あなたに残っていた寿命分の補填が与えられます」
机の上にサイコロが現れた。
①サイコロを振って出た数だけ、好きなスキルを選ぶ事が出来るが、俺は残っていた寿命分として、出た数に関係なく、プラス1個のスキルが与えられる。
天使がそう言うと、何も無かった天使の後ろに、扉が現れる。
②天使の後ろの扉を入ると、神の管理する倉庫に入る事が出来る。
そして、その倉庫の中から3個を特別に持ち出し、使用する事が出来る。
そして、天使は注意事項を説明した。
1度倉庫から出ると、2度と入る事が出来ない事。
4つ以上は持ち出せない事。
不正をすると、1つも持ち出せなくなる事。
ここから持ち出した物は、俺専用で、貸出や譲渡、転売が出来ない事。
また、俺が死ぬと自動的に神の倉庫に戻るから、子孫等に遺産として渡す事も出来ない事。
それらを説明した天使は、最後に言う。
「後は、その画面に従って設定して下さい」
「すべての設定が終ると、転生しますか?と表示されるので、YESを押すと転生が実行されます」
「それから、この場所は時間の概念はありません。自分の人生ですから、慌てずに設定して下さい」
天使がそう言うと、一瞬にして、姿が消えて見えなくなった。




