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吸血鬼ドラキュラと、騎士の運命
王国では、誰もがこう教えられてきた。
“吸血鬼ドラキュラは、不死の魔王。
その娘は人の魂を喰らう悪魔である”――と。
そして、王国を守るのはただひとり。
偉大なる司祭様の祈りが、王都を覆う光の結界を保っているのだと。
幾百年も続く戦い。
誰も戻らぬ霧の森。
だが、今度こそ終わらせるはずだった。
――王国騎士カイ・アーデル。
若くして聖剣に選ばれし英雄。
彼はついに、かつて誰も成し得なかった偉業、魔王城の正門を突破したのだ。
しかしーーその先に待っていたのは勝利ではなかった。
閃光。
揺れる地。
砕ける剣。
彼に残されたのは闇だけ。
目覚めたとき、彼は鎖に繋がれ、冷たい石の床の上にいた。
――まるで、すべてが最初から仕組まれていたかのように。
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