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004.赤い夜(3)

今まで苦楽を共にした唯一無二の親友が目の前で死んだ。

もう全てどうでもいい。全員死ねばいいのに。

殺せばいい。全員。

そう思っていると、灯台の崩壊を見た奴らが集まってきているのが見えた。

絶望の光が俺の右腕に集まってくる。右腕を振るった瞬間に目の前の瓦礫が全て消し飛んだ。その光景に驚いている近くにいた奴の顔面を殴った。またもや顔面が消し飛び血を噴き出しながらその場に倒れた。その光景を見た奴らは、その場を離れようとしたが体が動かなかった。一瞬にして距離を縮め、全員の体が消し飛んだ。

今この場にいたのは10人程度だったが、天野の放送と灯台の崩壊で沢山の人が集まってきているのが見えた。俺が集まってきた奴らを睨んだ瞬間、今度は体切り裂かれた。大量の血が流れている。後続の奴らがどんどん集まってくるが、あたり一面血に染まった光景を見て体が硬直している。体が硬直した瞬間に体が切り裂かれ、血の海の一部になる。

1時間くらい経っただろうか、ひっきりなしに押しよてくる、奴らを斬り殺していた。

流石に、そろそろほとんどの奴らを殺したのかもう近づいてくる奴がいなくなった。俺は集中することでこの島のどこかで隠れている奴らの居場所をとらえた。

「残り8人か、意外と少なかったな」

その10秒後、島の中で隠れていた奴らの体が爆散した。

『おめでとう。これでこの島にいる子供達を全員殺したね。約束通り、島から出る船に乗せてあげよう。島の南にある船着場まできたまえ』


「やっぱりか」

船着場に近くまでやってきたが、やはりか俺を船に乗せるつもりはなさそうだ。天野の隣には、見たことのない青年が立っていた。ただ、雰囲気だけでも相当な”聖”の使い手でとわかる。この施設で起きたことを漏洩させないために、全員を処分したいが、500人全員を殺すのは面倒くさいから俺たちに殺し合いをさせたのだろう。そして最後に生き残ったやつ一人を殺せば全員を殺せるという寸法だろう。

俺は近くにあった、大きな岩を持ち投擲を仕掛けた。

岩がその天野に向かって飛んでいったが、当たる直前に岩が一刀両断された。

「いきなり、こんな岩を投げてくるなんてひどいね。当たったら死ぬところだったじゃないか」

「お前は必ず殺す!」

「そうさせると思うか?」

その青年はさっきまでは持っていないように見えた日本刀を持っていた。

「死ね」

今度は、岩ではなく崩れた灯台の瓦礫が大量に飛んでいった。しかし、その全てを青年が切り落とした。

「それじゃ、私はここで失礼しますよ」

「待て!」

天野は船に乗り込みその場を去ってしまった。

「天野!お前は絶対に殺す!お前を殺すまでどこまでも追い続けてやるからな!」

「残念だが、お前ここで死ぬ。そう言う命令だ」

「お前を殺して奴を追いかける。それだけだ」

「俺は剣輝・東雲剣斗、聖万華せいばんか万華序列は第98位」

東雲と名乗った男の右手の甲には、水仙の花の紋章が刻まれている。

聖万華序列とは、この地球上の最も強いとされる人物のうちの上から数えて1万人に与えられる序列のことである。その第98位ということは正真正銘の怪物である。その中でも上位100位までは、右手に好きな花の紋章を刻むことが許されている。

「俺の名前は・・・」

「名乗らなくてもいい。死にゆく貴様の名前には興味ない」

東雲が持っていた剣を横に振るう。その瞬間斬撃が全てを切り裂く。

俺は、この斬撃を防ぐべく、大気中の空気を押し固め、己の鎧とした。これが俺の”聖”大気を操作する力。この力は、落ちてきた瓦礫が自身の周りを守ったり、逆に操作できない位置を探ることで、自身の周りの空間を把握することもできる。この力を持ってしても東雲の斬撃を防ぐのも精一杯だった。俺は、大気を押し固め剣を作り、東雲に切り掛かった。二人の剣が交差する。大気の剣を解除し、右腕に大気を集め東雲を殴り飛ばす。東雲は一回転して着地し、さらに斬撃を四発飛ばしてくる。その斬撃を受け止め東雲との距離を縮めた。東雲は距離を取ろうとしたが、背中に壁があり後ろに下がることができなかった。大気を固めた壁をあらかじめ東雲の後ろに作っていたのだ。しかし東雲は力ずくで壁を突破し、大きく距離を取った。そこから大きな斬撃を飛ばしてくる。大気で作った剣でその斬撃を切り消す。

「思ったよりもやるな、だがその程度では俺を殺すなんて不可能だぞ」

東雲は大きく跳躍し、直接斬りかかりにくる。その剣を俺は無視し、東雲に突っ込んだ。俺の左腕は東雲の右脇を抉る。対して、東雲の剣は俺にかすりもしなかった。

「どういうことだ。お前の”聖”は大気操作のはずでは・・・」

疑問を問いかける東雲にさらに追い討ちをかけ、東雲にとどめの斬撃を入れる。

「お前を殺すのは不可能だったんじゃないのか?」

「お前みたいな存在はこの世に存在してはいけない・・・!お前が生きていれば世界が混乱する・・・!お前は生きていてはいけないんだ・・・!」

もうこんな奴には興味がない。何か言っているが俺の次の目的は、この島から出ていった研究者全員を殺すことだから、東雲の口を塞ぐべく首を切り落とした。

「首洗って待っていろよ。外道どもめ。お前らは必ずこの手で始末してやる」





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