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今回も、読んでくださってありがとうございます。
「あのさあ、フィナントカっていうのは肩書きで、あなたって本当はオーエンって名前なんだね」
ドワーフたちがいない時、キラキラに聞いてみた。
「オーエン、懐かしい名です。私のことを鑑定なさったのですね」
「勝手に鑑定したら悪いかと思ったんだけど、つい見えちゃって」
「良いのです。鑑定は、強者から弱者にしか通用しませんから。鑑定されて情報が覗き見られるのは、その者の弱さが悪いのです」
オーエンは、紅茶を一口すすって微笑んだ。
「それにしても、私の真名までご覧になれるとは。ミドリ様の魂の位階は遥か高み…さすが我が主でございます」
「その魂のナントカって、それも鑑定なの?」
「我らエルフ族は、精霊眼を持っています。齢を重ね、魂の位階が上がり、存在がより精霊に近づけば近づくほど、周囲の魔素の流れが光となって見られるようになるのです」
「そうなんだ、便利だね」
「普段は微弱な魔素の流れを感知する程度のものですが、ミドリ様から放たれるご威光はまばゆいばかりです。精度を落とさなければ正視できません」
オーエンの頬が染まり、鼻息が荒くなってきた。ヤバい、五体投地寸前だ。
「先日のエルフたちは、精霊眼が未熟ゆえ、ミドリ様の体内の魔力、放出される魔素を正確に感知できませんでした。ですから、ミドリ様の力量と神聖な崇高さを理解できず、あのような暴挙に」
言いつつ五体投地に突入した。おいやめろ。
「主様のお名前はミドリ様、私タブレットで学習いたしました。ミドリ様の世界では、樹木や植物、またそれらの色を表すとのこと。あなた様の魔力はまばゆいばかりの美しい黄金の緑色。まさに私共の主人にふさわしいお方…」
五体投地をやめたのはいいが、恍惚な視線が気持ち悪い。おいやめろ。てか黄金の緑色って意味分かんねぇぞ。
「ミドリ様はご自身の美しさに全く無頓着でいらっしゃる。どうかご覧ください、ミドリ様の神々しい美しさを---精霊眼!」
オーエンが胸の前で合掌し、そこから蛍のような光が額の方に飛んで来た。その瞬間、視界が猛烈な光量に襲われた。太陽を正視するどころの騒ぎじゃない。目が!目がぁぁ!
「私の気持ち、伝わりましたでしょうか…」
スキルの効果が切れて、ようやく視界が戻ってきた。オーエンはうっとりしている。どうやら彼の目から見ると、私は後光どころか強烈な発光体に見えるようだ。黄金の緑色っていうのも何となく分かる。入浴剤を入れたお風呂のような色の光だった。スライム色と言えばいいのか。
「崇高な美しさのあなた様から、遠い昔に忘れ去られた真名で呼ばれるとは、この幸福感を表す言葉を私は知りません」
たまたまステータス画面を見て、名乗っていた名前と違ったからちょっと確認しただけなのに、目が潰れそうになるとは思わなかった。彼が悪くないのは分かっているのだが、どうしても神格化されて有り難がられるのは居心地が悪い。教祖じゃないんだからさぁ。
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