3話 私、ルタ様のために頑張ります!!
「確か、裏庭でまた会いましょうって仰っていたはず……」
サーシャが裏庭に行くと、やはり昨日と同じ位置にサーシャの一目惚れした彼が座っていた。
すぐにそこへ移動すると、彼は微笑んでくれた。
「おはよう。サーシャ」
「お、おはようございます。…ごめんなさい。私、貴方のお名前を昨日伺っていないことに気がつきましたの…」
「ふふ。そうだったね。…改めて自己紹介するよ。僕の名前はルタ。しがないエルフの薬師だ。それでも、本当にいいの?」
「ええ、関係ございません!!私、あなた様に一目惚れしましたと言いましたよね?ちゃんとあなた様自身を見ると決めているので!!」
サーシャがそういうと、ルタは目を丸くして驚いている。
そして、顔をへにゃっと緩ませて、サーシャにこう言った。
「そんなに思ってくれているのなら、何も言えないね。結婚しようか、サーシャ。でも、この国にいるのも第二王子を治すまでだよ?」
「大丈夫ですわ。お父様もお母様も協力してくれると仰っていましたもの!それに、私まだ八歳ですが、あなた様の隣に立つのにふさわしい女性になるわ!!だから今までよりもっと勉強や魔力を強化しておく。そうすれば、あなた様の隣に堂々と立つことができるもの。………だからそれまで、待っていて頂戴…?」
「今の君も十分魅力的だけどなあ。…絶対に他の男に目移りしないでね?」
「わかっていますわ!!」
そうして、サーシャはルタの隣に立つのに相応しい女性になろうと決めた。