1話 一目惚れ
完全な見切り発車です。
ご了承ください。
一目惚れ、だったの。
私がその人に出会ったのは、お城の中。
お父様に連れてこられて、王太子殿下とのお茶会があったから。
でも、私は王太子殿下はあまりタイプじゃなかった。
だから、お父様に私より相応しい人がいるって言っておいた。
お父様は少し残念そうにしていたけど、王太子殿下はいいよって言ってくださった。
だから、少し暇になってしまってお城の中を歩き回ってた。どこかしこに飛んでいる精霊さん達にここはどんな場所だということを教えてもらいながら入ってはいけない場所を避けて、結局裏庭に行ってみたの。
でも、私にとってその裏庭はすぐに大切な場所になった。
なぜなら、入ってすぐのベンチにとってもかっこいい人が休んでいたから。
その人は耳が尖ってて、髪の色が金色で、鼻筋がスッと通っていて。どれもカッコ良かった。
見惚れていたから、その人が目を覚ましていることも気がつかなかった。
「君は、誰だ?」
そう言って私に問いかけてくる声もとてもカッコよくて、私、こう言ってしまったの。
「す、好きです!!私と、け、結婚してください!!」
「……え?」
その頃のことは、今思い出してもやらかしたと思っています。