恋愛のあるある
皆様、こんにちは。レイモンでございます。
本日は王立学園の学園祭が行われております。
エティエンヌ様からアルフォンス様を講堂に連れ出すようにと指示がありましたので、エレオノール様を味方につけて強引に連れて参りました。
事前に噂で王子と聖女の恋の話だと聞いていたアルフォンス様はとても不機嫌です。
早くもクライマックス
「俺は……聖女様を愛している!」
おやおや、セリフはずっと「私」だったのに、そこだけ「俺」とは。
わかりやすくエティエンヌ様からアルフォンス様に挑戦状が叩きつけられました。
アルフォンス様から殺気が放たれた様な気がするのは気のせいということにしておきましょう。
講堂を出て歩きながらエレオノール様がおっしゃいました。
「エティエンヌ様かっこよかったですね!王子様みたい!」
「エティエンヌ様は王子様ですよ」
「あっ、そうでした。あはは」
「ふふふ」
私たちがのんびりと話しているので、アルフォンス様はわかりやすく不機嫌です。
ちょっとアルフォンス様をお助けしましょうかね。きっとご自分では聞けないでしょうから。
「エレオノール様から見て、エティエンヌ様はどのように映っているのですか?」
「エティエンヌ様ですか?そうですね……ずいぶんと背が高くなられましたよね?初めてお会いした時から20cmは伸びたんじゃないですかね?後は……あっ、一人称が「僕」から「俺」に変わって、余計に男らしさが増してかっこよくなられました!」
おっと、裏目に出てしまいました。
アルフォンス様がますます不機嫌になってしまいました。
「……って、皆さんがおっしゃってました」
「皆さん?」
「はい、クラスの皆さんが。私は皆さんから伺うまで、一人称が変わったことに気付いてなくって……」
と、エレオノール様は王太子殿下に対して不敬だとでも言うように気不味そうにおっしゃいましたが、起死回生のとても素晴らしい回答です!しかも、
「ア、コホン、サージュ先生ばかり見過ぎですね、私。ふふっ」
と、止めをお刺しになりました。
アルフォンス様の機嫌がみるみる直っていきました。
「くだらないこと言ってないで行くぞ」
全く、本当に素直でない。そんなことを言っても単なる照れ隠しだと誰が見てもわか……らない方がいらっしゃいますね。
エレオノール様、そんな悲しそうな顔をなさらないでください。
これが恋愛の難しいところです。
側から見れば誰がどう見ても両想いなのに、当人たちだけが気付かない。よくあることです。
エレオノール様はご自身が正直でいらっしゃるので、相手の方にも好意があれば言葉として出てくると思っておられるのでしょう。
アルフォンス様は元々口数の多い方ではないので、態度でわかるだろうと思っていらっしゃるところがおありです。
かと言って、こういう事は周りが口を出すと余計に拗れたりすることもあるので難しいところです。
しかも、アルフォンス様はまだお覚悟を決めていらっしゃらないので、なおさら私に出来ることはございません。
本当に、大切な主君が後で泣くことのないように、祈るばかりです。




