表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

ハル



大変読みにくい文章だと思います。

ブーイングは読んでからにしてください。

おてやわらかに!


女の子の名前はハル。

歳は4歳で、もちろん表界生まれ表界育ちだった。


「んー、たぶんいない」


「え!?」


両親について聞くと、ハルはいないと即答した。


「じゃあ…」



「れんちゃんといっしょだから、さみしくないよ?」


どうやら『れんちゃん』なる人と一緒に暮らしているらしい。


「れんちゃんはいつもおしごとがあるから、ハルはここにいるの」


「え、その『れんちゃん』て人って、いくつ…?」


ハルは計算が苦手だったみたいで、巌魔ガンマの問いに眉をひそめた。

口をぽかんとあけたまま、指を広げて数え始める。


「…」


「あ、まぁ…無理なら別に…」


「むりじゃない!!」


負けず嫌いなところが自分にそっくりで、巌魔は思わず笑ってしまった。


「ハルより10おおいっていってたから…」


「…14だね」


「あっ」


言ってから、しまったと思った。

ハルが唇をとがらせてすねる。

その顔がまたおかしかった。


「あーわらう!」


「…っくく、ごめん!あんまり可愛いから」


正直に言うと、ハルは笑って許してくれた。


「ねぇ、がんまくんはいくつ?」


「えと…12歳かな」


ハルはその答えに目を丸くする。

そんなに驚くことかと巌魔は目をぱちぱちさせてハルを見た。

と、次の瞬間、巌魔の予想を裏切ってハルが満面の笑みを浮かべた。


「れんちゃんとおなじくらい!んー、てことは…がんまくんおしごとは?」


え!? 仕事?


「…ま、まだしてません」


ハルはさっきよりもっと目を丸くした。


「じゃあ、まいにちなにしてるの?くんれん?」


「訓練?『れんちゃん』は訓練なんかするの?」


ハルは笑顔で頷いた。

どうやら毎日何かの訓練をしているらしい。

表界はへんなところだと巌魔は思った。

だからハルはひとりぼっちで庭にいるんだ。

じゃあ寂しくないのか聞くと、ハルはきょとんとして首をかしげた。

悔しいけど、その表情がめちゃくちゃ可愛い。


「さみしくないよ!ここにいれば!」


ハルは笑っている。

それは見ればわかる。

でも…。

本当はそうじゃない。

こんな小さい子が1人でいて、寂しくないわけがない。


「ねぇ、ハル」


大おじごめん。


「また時々…ここに来ていい?」


思いがけない問いかけに、ハルが目を輝かせた。


「うん、待ってる!!」


ハルと約束をして庭を出ると、高い建物の前で大おじが待っていた。

ニヤニヤしているところを見ると、すっかり見られていたみたいだ。

恥ずかしくてうつむいたまま、巌魔が近寄ると、頭を1回なでた。


「社会勉強になったか?」


また来たくなったなんて、言いいにくい。


「ま、時々…ものすごぉーく時々なら、連れてきてやってもいいぞ」


「本当!?」


「肩たたき100回で」


どこまでもセコいじじいだ。

でも、


「…お願いします」


会いたい。

あの顔見たら、来ないなんて言えない。

巌魔が、何故か大おじの後ろに現れた扉を抜けると、いつもどおり魔界の生暖かい風が頬をなでた。


読んでくださった方、ありがとうございます!!

ところで…大おじって、案外恋愛話好きだと思いませんか?

例えば○○ちゃんの告白シーンを何故か事細かく知っている…。

いわばのぞき名人ですな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ