4話 【まるでゲームのステータス】
目が覚めた俺は変わらず森の中にいた。
周りの景色も胸糞悪い化け物付きだ。
「目が覚めた所で何かが変わっている訳じゃあないな…」
体調は幾分かマシになったが気分は最悪だ、そのまま俺はゆっくり立ち上がると化け物の槍を握ったまま辺りを見回すと代わり映えの無い森が続いているだけだった。
「あんな化け物がいるなんて聞いてないぜ…まるでゲームのモンスターじゃあねえか、それにこのモンスターを倒したら経験値が貰えてレベルアップとかするんじゃねえのか?レベルアップがあるんならステータスもあるんじゃあねえのか?」
その瞬間俺の目の前にゲームのウィンドウの様なものが現れた。
「な、なんだこれは…俺のステータスか?」
俺の目の前に現れたステータスは様々な情報が書かれていた。
『四宮 悠士』 Lv:1
異世界召喚者
STR:1
VIT:2
DEX:1
AGI:2
INS:1
MND:1
これが俺のウィンドウに映っていた。
そして俺のこのステータスは俺の視界の左側に存在し俺の右側のウィンドウにはプロパティがあり俗に言う俺の紹介文の様なもので俺が異世界に召喚された事やこのウィンドウの事も事細かに描かれていた。
このステータスの描かれたウィンドウは文字通りのステータスウィンドウで今の自分のレベルや細かな能力の数値が描かれているものがステータスウィンドウで呼び出す場合はステータスと言葉に発する事でこのウィンドウが開かれる。
そしてこのプロパティは他にもいくつか不思議な事が描かれていた。
その1つがアナライズというものだ、それは相手のレベルや自分より低いレベルのものの能力を見る事が出来る。
そしてその方法が見たい相手の能力を見ながらアナライズと言うだけで視界に入っているもののレベルからステータスを見る事が出来る。
さらには物などをアナライズすれば物の価値や用途などがみれる。
後は残念ながら文字化けの様になっていて読む事は出来なかった。
そして自分の目の前に現れたウィンドウはクローズという事で消す事ができる様だ。
その項目を読んだ俺はすぐ様「クローズ」というとプロパティに載っていた通りに俺の目の前にあったウィンドウは全て消えた。
だがこんなゲームの様な情報を得た所で本当のゲームではない為地図の様な物はないし今欲しい情報ではないのだ。
驚きの事実よりも今のこの状況を打破するものでなかった事に少しため息を吐くも俺は足を動かした。
そして1時間は歩いただろうかと感じ始めたその時どこかからピチャン…と何か水の様な音が聞こえた。
俺はその音をもう一度聞くために動きを止めて耳を澄ます…
ピチャン…ピチャン…
今度は2回聞こえる。
俺はその音の聞こえた方向におおよその位置を特定しその方向に向かった。
そして俺の目の前にはテレビでしか見た事のない底まで見える透き通った水の小さな池があり池の中心には大きな木がそびえていた。
それをみた俺は神秘的な何かを感じていて自分が喉が渇いている事を忘れて魅入っていたが自分の欲には逆えず気づけば俺は池まで走り四つん這いになりながら勢い良く水を飲んでいた。
その水は今まで飲んだどんな水やミネラルウォーターよりも美味しく喉を潤した俺は先程とは別の意味で仰向けに倒れ込んだ。
何故だかは分からないがここでは安心して休んでいられるというここの場所について何も分からないが何故だか妙な自信が湧き俺は体も心も休める事にしたのだった。