久しぶりの時間
「ごめ~ん、待った?」
「ううん、私も今来たところ。」
詩織と美園は高校のクラスメートであった。
「久し振りね、元気だった?」
「うん、マジ絶好調~!」詩織はそれを聞いて懐かしい気持ちになった。『マジ絶好調』は、昔から美園の口癖であるからだ。
それぞれに好みの食事注文し、お喋りが始まった。
「詩織〜いきなりで何だけど、、今どうしようか迷ってて、、。」
「ん?また何かあったの?」
「あったといえばあったのかな。」
「いつものあれ?お洒落だけど高いから買えない服の話?美園の贅沢な名悩み!」
詩織はいつもの様に茶化す。
「今日は違うの!あのね、、元彼がやり直さないかって!」
「へぇ、何でまた? 確か彼って、、」
「そう、私が唯一フラれた相手、。『何人かの女性と付き合ったけど、やっぱりお前が一番だって分かった。』ってライン来た。」
「そんな、いきなり?ってか、、まだラインで繋がってたの?」
「そんな訳ないでしょ!実はね、先週の日曜日、彼と一緒に美術館へ行った時に、あ、彼って今付き合ってる彼ね。偶然、本当にあんな偶然なんてあるんだなって思った。元彼が向こう側から歩いてきて、、で、ばったり。勿論女性と一緒だった。
「そういうのって、、あるものなのね。」
「まぁ、、でね、その時はただ軽く挨拶だけして、そのまま別れたんだけど、ちょっと気になってて。そしたら昨日の夜、ラインって訳。」
美園は高校の頃から良くモテた。それもその筈、華奢な躰つきに、くりくりっとした目、そして桜桃みたいな紅い唇、普通の男性なら誰でも、彼女の魅力に参ってしまうのだ。「付き合って欲しい。」と言われた数は相当な物であろう。そして当然の如く、そのまま恋多き女へと成長していった。
「美園はどうなの?やっぱりまた付き合いたい?」
「う~ん、って言うより、、付き合いたい素振りして、改めて私からふってやりたいだけ。」
「何それ、。」
詩織は呆れた。
「あ~ぁ、モテル女って、、まぁねぇ、美園をフルなんて、どうしてもプライドが許さない!って、、分からない訳じゃないけど。」
この時詩織は、美園の話からオリジナルストーリーを作ってみようと思い立った。