浦島太郎・後編の後編…うん、今度こそ終わらせる
短編と書きながらすでに三部まで…
しゃあーーーせん!!m(。≧Д≦。)m
短編を書いてる人達は本当にすごいと思います
さてさて、意識を完全に失ったまま海に放り投げられた浦島太郎は海亀によって見事に捕縛…ゴホンゴホン、救助されて意識のないまま竜宮城へと拉致…ゴホンゴホン、招待されたのでした。
「…ちょっと語り手さん?」
何でしょうか、原色縦巻きロールさん?
「止めてくれる、その表現…」
えっ?ではなんと表現すれば?あっ、あれですね!絵にも描くことも出来ないおぞましい美しさ!
「言葉に気を付けてね?おぞましいって言葉を入れた時点で読者が一瞬でモザイク画を想像したからね…」
なんだかさっき会ったときより幾分、やつれた様に見える乙姫様がため息混じりに呟いています。
どうしたのですかね?
「いや、あんたが原因だよ?まぁ、浦島さまを竜宮城へと連れてこれただけでも御の字だわ…もうね、さっきは本気で終わるんじゃないかと心配したわよ」
またまたぁ~、私は優秀な語り手ですよ?責任を持ってちゃんと、最後まで話を続けますよぉ~。
「責任ってなんだろうね…。いや、さっきのは本気で終わらせるつもりだったでしょ?」
いやいや、そんなことないですよ…。
だって、ほら?まだ紹介もしていないのに自ら出てきてアピールしまくった原色縦髪ロールさんのお陰で終わるに終われない状況を作り上げられたんだから仕方なくない?
「その発言のどこに最後まで話を続けるって意思があるのよ?完全に打ちきりにする気満々じゃない…」
いや、だって夕日をバックに哀愁漂う姿なんてまさにTHEENDもしくはfinって感じじゃん?
それに、今のままいったら収集つかなくなるよ?
私は暴走するよ?暴走しない私は私じゃないよ?
「いや、語り手自身が暴走するって発言やめてくれない?不安しかないんだけど?それに、そろそろ浦島さまが目覚めそうだから話を続けましょうよ」
むむむっ、語り手の私を差し置いて話を進めようとするなんてなんか納得いかない…暴走するよ?
「うん、止めようね?優しい読者もそろそろ愛想つかしちゃうかもしれないから話を進めようね」
なんだか解せない。何で語り手たる私が、自分で産み出した存在に諭されないといけないの?
しょうがないですねぇ…なら話を進めましょう。海亀により綺麗な鳩尾アッパーが決まった浦島太郎は意識を失ったまま竜宮城へと連れてこられました。
「うぅ、うぅ~ん…」
うっわぁ~!?定番の目覚めのシーンだぁ。
もうちょっと個性がほしいよねぇ…。
「個性なんていらない…早く進めて」
ジト目の乙姫様が天を見上げています。
まぁ、あれだね。意識を失っててよかったよね。
どっちみち海底に潜り始めた時点で息が続くわけないから意識を失うだろうし「語り手…シャラップ!これは昔話、現実を持ち込まない!」乙姫って煩さいな…真面目か?
外見だけ見たら悪役令嬢みたいでさ。
もうね、高笑いで『おっほほほ!下民は私に膝まついて靴でも舐めてなさぁ~い』っとか言って最後にまた、『おっほほほ!』っとか言ってそうな雰囲気なのに…真面目か!
「いやいや、なんなの?その悪役令嬢のイメージは?間違いなくギロチンまっしぐらじゃない…」
えっ?違うの?
「えっと…逆に聞くけど語り手さんは何で私のイメージがそれなのよ?」
だってさ、海亀の命の恩人の浦島太郎に酒池肉林のハーレムタイムで散々、持ち上げておきながら帰りに絶対に開けないでくださいねってお笑い芸人なら絶対に開けなきゃいけない状況にして浦島太郎を追い込んだのあんただよね?
「えっ、何なの?これからの展開をたったこれだけの文字数で集約するって…もう、終わらせる気?私の見せ場は?悪いけど舞台裏でタイやヒラメが舞の練習してるんですけど?その努力を無駄にする気?」
タイやヒラメの舞い踊りって、ただ泳いでるだけじゃん?疲れたサラリーマンが久しぶりの休日に家族サービスで水族館に行って水槽で泳ぐ魚たちを見て思わず「あっ、美味しそう」って呟くのと一緒じゃん。
「い、いや…それはちょっと違うと思うわよ?って言うか、そのサラリーマンどんだけ疲れてるのよ?お願いだから休ませてあげて」
うん?部署変更になって月の残業時間が軽く150時間越えた挙げ句に会社の規定で残業上限が60時間って知らされて残りは来月に繰り越しってなって何時になったら払って貰えるんだろう?って遠い目をしながら仕事をしている可哀想な社畜サラリーマンのことですが?
「それは作者のリアルでしょ…止めてあげて、現実逃避でこの物語を書いているんだから」
不憫だね…。
「…そうね」
そんな言い様のない空気に包まれるなかで…。
それをぶち破るかのように空気の読めないゲス太郎もとい浦島太郎が目を覚ましました。
「うーん、はっ!ここは?知らない天井だ…」
うん、定番の台詞--けれどもゲス太郎ですから。
いかにも私はNo.1ホステスですが何か?みたいな雰囲気を醸し出してる乙姫様が心配そうな表情で覗き込んできたら--そりぁねぇ。
「これは美しいお嬢さん。ここは一体?」
キリリとした表情でちゃっかり乙姫様の両手を握りしめて尋ねます。けれど、乙姫様は内心「きもっ…」と思いながらも眩しいぐらいの見事な営業スマイルで浦島太郎を見つめます。
まさに鴨ネギと調理する人の絵面。
「私の海亀を助けていただいて本当にありがとうございます♡ささやかですがお礼に宴を準備しておりますのでお楽しみくださいね」
そう言って乙姫様は上目使いをしながらにっこりと微笑みかけ、優しく浦島太郎の手を握ります。
「……っ!?」
驚いた表情を一瞬、浮かべた浦島太郎。
うん、あれですね。
男ってバカだなぁって感じる『もしかして脈アリじゃねぇ?』と呼ばれる壮大な勘違い(笑)
あるわけないのにねぇ~。だって相手はプロよ?
「だまらっしゃい!作者の後輩に見事にゲットして結婚した人がいたでしょ?ゼロじゃないのよぉ?」
えっ、なに?その妖絶な笑みは…怖いわぁ。
「女はね強かな生き物なのよ…ふふふっ」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!
と、まぁこんな怖い話をしていた頃、浦島太郎はというと--。語り手マジック発動中でございます(笑)
つまりは私と乙姫様の今の会話は浦島太郎には届いてないという、なんともご都合主義な仕様となっております。
今の浦島太郎には妖絶に微笑む織姫の姿だけが見えており…あぁ、あれですね、完全に惚れましたね。
だって浦島太郎の瞳がハートマークですもの。
もしかして、ここまで計画の内なの?
「ふふふっ。さあ、どうかしらねぇ♪さっ、浦島さま♡宴の席までご案内しますわ♪♪」
「うん、ありがとう」
不適な笑みを浮かべる乙姫様に連れられて浦島太郎は酒池肉林のハーレムタイムと化した宴の席へと向かうのでした…って、怖いわ!?
えっ、なんなの?語り手のはずの私ですら予想できないこの展開…うん?でも、そもそも浦島太郎の話ってこんなだった気もするねぇ。
じゃあ、良い…のかな?
少し悶々とするけれど何となく話が進んでいるみたいですのでどんどんいきましょう。
乙姫様に連れられて辿り着いた宴の会場、そこはまさに絵にも描けない美しさ!?
でも、文章では書きますよ。
じゃないと話が進みませんからね。
では説明を--三階分の天井をぶち抜いて開放的なフロアの上部には絢爛豪華なシャンデリアがキラキラと輝きを放ち、乙姫様から誘導されて座ったワインレッドの大きなソファは浦島太郎が体重を傾けるとあり得ないぐらい深々と沈み込み優しく包み込んでくれます。
ソファから見て正面には左右対称の螺旋階段。赤いレッドカーペットの敷かれた踊り場からはきれいに着飾ったタイやヒラメ…絵面的に華やかさにかけますねぇ。ふむ…語り手ご都合マジック発動!!
タイやヒラメを擬人化して某アイドルグループのような容姿をした美女たちが浦島太郎に微笑みながら降りて参ります。
もうね、その姿を見ただけで鼻の下を伸ばしまくってる浦島太郎。さあさあ、酒池肉林ハーレムタイムの始まりです。
元来クズな、クズ太郎は自堕落路線まっしぐら!
そして、美女をはべらかして有頂天な浦島太郎の目の前に運ばれてくるグラスタワーの輝きが更に夢の世界へと誘います。
あっ、もちろん全てバカラですよぉ~。
「浦島さま、今回のウェルカムドリンクはシャンパンでよろしいですか?よろしいですよね?」
「うん!」
まぁ、なんて元気なお返事でしょうか…若干、乙姫様が念押ししたのが気になりますねぇ~。
すでに夢見心地の浦島太郎は乙姫に言われるまま頷きますとグラスタワーの最上部から何本ものシャンパンが……って、乙姫さん?
「何かしら?」
艶やか笑みを浮かべる乙姫様。
シャンパンは詳しくないんだけど…あれって。
「ふふふっ」
意味ありげな微笑を浮かべる乙姫様。
うん、あれだ。ドン○リ…酒屋で買うと意外と安いけれども夜の町では破格のお値段!つまりはVIP御用達のシャンパンですね。
しかも、うわぁ~!?何本も開けてるよ?
えぇっと、ひぃ、ふう、みぃ、よぉ--乙姫さん?この数はヤバくない?絶対に浦島太郎には払えないよ?だって全財産が11円だった男よ?何を考えてるのさ?
「ふふふっ」
その笑みからは嫌な予感がひしひしと感じますね。
ってかさぁ、浦島クズ太郎さんや?
「なに?今いいところなんだけど?」
美女達をはべらかしながらアホ顔全開だった浦島太郎が不機嫌そうに語り手に答えます。
あんた忘れてるみたいだけどさぁ。なんで海亀に鳩尾アッパー決められて気絶させられたか分かってる?
「うん?そりゃあ…あれっ?」
語り手の言葉に顔面蒼白になっていく浦島太郎。あぁ、思い出したみたいだね~。
まぁ、もう手遅れだけどさ(笑)
だってね、調子に乗った浦島太郎は--。
「ねぇ、フルーツ盛り頼んでいぃ?」
タイちゃんが可愛く上目使いでおねだりすれば。
「おぅ、好きな物を頼みなよ」
ダラ~ンと締まらない顔でうんうん頷く浦島太郎。
「ねぇ、私も一杯もらってもいぃ?」
浦島太郎の腕にギュッと豊満なお胸を押し付けたヒラメちゃんが前髪をクルクル弄りながら控えめな表情を浮かべると、腕に当たる暖かな感触にとうとう浦島太郎の顔面崩壊(笑)
「おぅ、好きなだけ飲め飲めぇ~。なんせ、俺は海亀の命の恩人だからさぁ~これぐらい、余裕余裕♪」
背もたれに体重を預けながら両脇のタイちゃんとヒラメちゃんを抱き寄せて調子に乗ってます。
「「「きゃあ~♪すっごぉ~い♡」」」
わざとらしい!実にわざとらしく褒めまくるタイちゃんとヒラメちゃんは浦島太郎の見えないところでニヤリと不適な笑みを浮かべております。
やられたな、浦島太郎…御愁傷様。
あっ、ちなみにこの二人『ラウンジ竜宮♡城』のNo.1とNo.2の売れっ子さんです。
ですが夢とは儚いものにございます。
語り手の言葉に我に還った浦島太郎はテーブルに並べられたフルーツ盛りや二人が飲んでいるお酒のボトルに視線を向けた瞬間の動揺ハンパない。ガクブルものです。
カタカタカタッ--手に持ったグラスが震えております。そんな身の危険に気づいた顔面蒼白の浦島太郎の目の前に満面の笑みを称えた乙姫様がやってきます。
「浦島さま、楽しんでいただけてますか?」
正面に座り、にっこりと微笑む乙姫様。
「…うん。た、楽しんでるよ」
無理に笑顔を作ろうとして上手くいかない浦島太郎の表情はただただひきつるばかり。
先程までの態度が嘘のように小さくなってます。しかも気付けばタイちゃんとヒラメちゃんは乙姫様の背後でにっこりと微笑んでおりますよぉ~。
「ご馳走さまでしたぁ~」
「また、指名してくださいねぇ~」
満面の笑みを浮かべて立ち去っていく二人を呆然と見送りながらも気になって仕方ないのが乙姫様が持っている小さなプラカード--恐怖の伝票にございます。
それは良いとして……ふむ、これはあれだな。
では、さてさて---恒例のぉ?
「待ちなさい?何を言おうとしているのかしら?これで終わらせるはずよね?」
うっさい、真面目か?
あれだけ浦島太郎を貶めておいてマジメか?
ちゃんとタイトルにも書いてるでしょ?
「まさか、本当に?冗談じゃなく?」
うん、マジで(てへっ♪)
「本当に読者から愛想をつかされるわよ…」
飽きれ顔の乙姫様。
ではでは次回予告!!
驚愕の伝票を見せられた浦島太郎は…。
乙姫様を上手く丸め込め地上へと帰りつく。
けれど、そこで見た光景は浦島太郎に残酷な現実を突きつけるものであった。
そして…浦島太郎に決断の時が迫る。
乙姫様から渡された玉手箱に隠された秘密--それは。
次回『浦島太郎って物語…やっぱり不憫だよね』
今度こそ終わらせる。いやマジで……たぶん。
『後悔』とは後に悔いると書きます。
次回で終わります…うん、でも、いやいや固い意思で書き上げますよ
もう、しばらくお付き合いいただければ幸いです




