表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命を背負った少女と最強の守護者  作者: 英雄王ヨカ
最終章[終わりの時]
95/100

最終章[終わりの時]第7話

[解せないな。]


リレイドは、アレス王に言い放つ。


[お前の娘に何があったのかは分かった。保護下に置きたいというのも、まあ理解出来ん話ではない。

それを踏まえても、お前の行動は度が過ぎているんだ。]


[ほう、と言うと?]


[お前は仮にも一国の王だ。

そんな人間が、たった一人の娘の為とは言え、国家間の関係をひっくり返してまで強襲するか?

親故の愛情ならば、拉致した後もあの様な檻に入れてまで監禁しないだろう。

それも、重度の呪いを掛けた状態でな。]


これまでの話から見ても、アレスの行動は明らかにおかしいのだ。

そして、それを説明するだけの材料を王は提示していない。

何か裏があるなら、探っておくに越した事は無い。


[ふむ、まあどうせすぐにわかる事だ。話しても良いだろう。]


リレイドは、眉を潜める。


[話した通り、我が娘の体内には神具が宿っている。

今はコントロール出来ていても、いずれはそれが効かなくなり、その膨大な力の元に崩壊してしまう。]


[……]


どう言う事だ?

確かに俺が知る限りでも、神具との同化は、メリットと同じくらいデメリットも多いものだ。

それでも、本人がコントロール出来ていれば、暴走の危険は特に無いし、それも幼少期からその訓練をしているなら、その心配はほぼ皆無と言えるだろう。


[事例が極めて少ないだけに、これを知っている者は少ないがな。]


[ふん、戯言だな。

それが本当だったとしたら、まるで、お前には回避する方法がわかる。と、言っているようなものだぞ?]


王は、不敵に笑う。


[そうだ。

貴様も、魔術王ソロモンが眠りから覚めているのは知っいるな?]


[……まさか、お前が?]


成程、全て繋がった。


[ああ、当時の私は、娘を助ける事に必死だった。

だが、既に現世の魔法では、神具との分離はおろか、その力による崩壊すら、防ぐ方法は無くなっていた。]


後ろで静かに聞いているシャルルは、ある疑問を持っていた。


やけにペラペラと話しますね。

この状況で、私達にそれを律儀に話すメリットがあまり感じられない。

城の兵が来るのを待っているとも思えない。

……狙って時間稼ぎをしている?


[だから、太古の……神話の時代の、この現世の常識そのものを逸脱した知識、そして技法が必要だった。]


[そして、何らかの方法でソロモンの眠っている遺跡を見つけ出し、封印を解くことに成功した。]


[その通り。本当なら、魔女の方もこちら側に付けておくつもりだったんだが、まさか王国にあるとは思わなかった。]


そう言う面では、不幸中の幸いだろう。

もし、リアまで向こう側に着いていたら、幾らこちら側に俺や魔神や聖女が居ようと、この戦いは困難を極めただろう。

話を聞く限り、ここまで話が繋がるには、リアの存在は不可欠だった。


[……それは残念だったな。

だが、随分と無駄な話(・・・・)をする様だが、時間稼ぎは後どれくらいするつもりなんだ?]


王から、少し余裕が消える。


[気付かないとでも思ったか?

聞かれた事をなんでも律儀に答え過ぎたな。]


話し合いでの時間稼ぎと言うのは、この界隈にいる人間対して行うには、相当な話術が要求される。

勿論、聞かれても無いことをペラペラ喋るのは論外だが、時間稼ぎの話し合いと言うのは、相手にも自分にも、どちらにも優位が移らない様にし、それを継続させなければならない。

今の場合、こちらに優位が完全に移っての話し合い。

時間稼ぎのメリットに有無を置かなくても、それを疑った状態で話を続ければ、ボロが出なくても疑うタイミングは勝手に芽生えてくる。


[律儀に教えてやってるだけなんだがなあ。

だが、少し切り出すのが遅かったな。]


[なに?]


ハッタリか?

話の容積からして、まだ時間稼ぎを重ねる前提でのものだろうと推測していたが、既に終わっていた?


[貴様はこれより、今の話で、唯一謎だった部分を理解することになる。

自分の目で(・・・・・)、な?]


自分の目で?


[……っ!?なんだ、この揺れは?]


突如として足場が…いや、何か巨大な物が、この都を中心にこの国全体すら揺らしている?


[くっ、捕まれ!!]


本能的に感じた危険。

それを自覚した時には、シャルルを片腕で抱えて、王室に侵入した時にぶち壊したステンドグラスの窓から、遥か都の外の森目掛けて跳んでいた。


[え!?リレイドさん何ーー]


後方を確認したシャルルが、言葉を止める。


[どうした?聖女。]


[あれ……]


シャルルが、さっきまで自分達の居た場所、王城の方向を指さしていた。

リレイドは、そちらを向き、それを視認すると同時に、目を見開く。


[なっ!?]


リレイドが見たもの。

城を越えるであろう巨体を持つ、黄金の龍が、さっきまで居た城を内側から突き破るようにして、姿を露わさせて行く様だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ