4章[救う為始まり]第4話
長らく投稿サボって大変すみませんでした!!
あれから、俺はシャルルと一緒に教会に戻り、今後の予定を考えた。
[やっぱり、1度学園…王都に戻りたいな。]
何にしても、ユリカぜやアインの事が気になる。国そのものには、もう何かしようという気は無いが、王には、まだ用がある。
[なあ、シャルル。この国は今、外部からの入国ができない状態なんだよな?]
俺は、隣の席に座っている。シャルルにたずねる。
[はい。それに比例して、他所の国に出ることも、禁止されています。]
話を聞く限り、何度か亡命に成功した奴らがいるらしいが、殆どが、国を出る前に殺傷されているらしい。
[全く、物騒な世の中だ。]
それでも、この辺の町なんかは結構平和な方らしい。
[行政は、悪化の一歩を辿るのみですからね。現状では……]
俺としては、終わらない戦いは、無いと思っている。どんな形であれ、戦いはいつかは終わる。
[まあ、それはそれとして…だ。
今日は町に行くんだよな?]
[はい。ここから1番近い町なんですけど、国中心部から1番遠い位置にあるからか、紛争の影響を受けていないんです。]
そう。この教会は、国境まで半径1キロメートル位の位置にあるため、国の中では珍しい。無紛争地域だ。
[道中では魔物も出るだろうし、良かったら俺もついて行って良いか?]
[勿論です!私からも、誘おうとは思っていたので、丁度良かったです。]
それなら良かった。
町にギルドがあるなら、情報収集もできるし、このボロボロの制服も何とか出来る。
教会には、何週間か留まってから、準備を整えて出発するつもりだ。
理由としては、警戒体制にある国境を越えるのは、容易ではないからだ。
[準備してきますので、教会の前で待っていてもらえますか?]
[わかった。]
俺は、食堂を出て、教会の前で待つことにした。
[お待たせしました。]
[おう。結構早かったな。]
見たところ、服は神官服から変わっていない。変わったところと言えば、大きなリュックを背負っている事ぐらいだ。
[それじゃあ、出発するか。]
町への道のりはそう、遠くなく、歩いて3時間くらいで着いた。
[確かに、穏やかで良い町だな。]
他の町は活気に溢れている所が多いが、ここは凄く静かで、状態も綺麗だ。
[はい。 都市に近付けば近付く程、町の状態は酷くなっていくらしいですから、ここはレイブンで1番綺麗な町という事になっているんです。]
兵は殆どいないが、それ故なのかも知れないな。
[なあ、この町にギルドって無いのか?]
まあ、ギルドに関しては無い前提で来ているが……
[残念ながら……紛争が始まった時期辺りに、ギルドはこの国から撤退しました。]
やっぱりか。
まあ、これに関しは仕方が無いだろう。ギルドも大切な冒険者と施設を、紛争国なんかに預けたくは無いという事か。
[そうか……なら、鍛冶屋とかは。]
[あ、はい。それなら、ありますよ!]
良かった。これで装備を新調できる。
半年以上使って、愛着があった制服だったのだが、こうボロボロになっては、みすぼらしい以前に、戦闘時に心許ない。
[ここです。]
シャルルが案内してくれたのは、木造建築の、酒場の様な外見の建物だが、確かに服屋の様だ。
[成程、確かに品揃えは少なくても、質は結構な物だな。]
[この店は、オーダーメイドが、売りなんですよ。]
オーダーメイド、か。
確かに、ユリカぜなんかは、制服見たいな感じの装備を付けてたな。
[うむ。それじゃあ、それにしようかな。]
俺は、カウンターに居るオヤジに声をかける。
[オヤジ、オーダーメイドを頼む。]
難いの良いおっさんが、おもむろに口を開く。
[素材はあるのか?]
[採ってくる必要があるなら、採ってくる。]
[質は?]
[出来るだけ良いので頼む。]
オヤジは、次々と質問してくる。
[職業は?]
[冒険者で、剣士だ。]
[軽装か重装、どっちが良い?]
[軽装。]
そこからも、何度か質問を重ねて、オヤジが頷く。
[気に入った。懇親の逸品を作ってやるよ。]
[感謝する。]
これでも、装備の取捨選択に関しては、勉強していた方だ。
[素材は、一つだけ採ってきてほしい。]
[……魔物が落とすやつか?]
[ああ、今できる部分は作っておくから、今日中に持ってきてくれるとうれしい。]
[わかった。何処の魔物なんだ?]
オヤジは、魔物がいる場所の地図を描いてくれた。
[そんじゃあ、頼んだぜ。黒のアンちゃん。]
[ああ。そこまで遠くも無さそうだし、すぐに戻ってくる。]
俺は、そう言って店を出た。
外では、シャルルが待っていた。
[どうでした?]
[ああ、素材が必要だから、取ってきてくれ。だってよ。]
シャルルが、驚いた様な顔をする。
[珍しい。ここのおじさんは、気が難しいで有名なのに、素材の採取を他人に頼むだなんて……]
まあ、大方は予想は出来ていたことだが、腕の良い鍛冶師ほど、客には質を求める。
己の技術をとすに値するかは、己の目で判断する。それが、この世界の職人だ。
[という訳だ。そう遠くもない場所だから、すぐに行ってくるつもりなんだけど、良いか?]
[はい。それは良いんですが、一つだけ頼みが……]
[ん?]
[よいしょ!]
今俺が戦っているのは、比較的に大型の魔物だ。
オヤジが言うには、最上級の品を作るには、この魔物の強靭かつしなやかな繊維が必要だそうだ。
例に漏れず、こう言う敵は大体蜘蛛型、今回もそれだ。
[外殻もご丁寧に固くなっているな。]
シャルルは、どうしても言うので連れてきたが……
[……]
あまり大声を出して応援されると、魔物のヘイトをかう可能性があるので、黙って見ている。
[ふぅ……そろそろ、終わらせるか。]
体内で十分に糸が生成されるまで、倒すのを待っていたが、そろそろ頃合いだろう。
[ッ……!!]
俺は、一息で魔物に近付き、八つの脚を切断する。
[これで……]
魔物は痛みに暴れ回るが、俺は意に介さず、剣を脳天に突き刺した。
[クロトは強いんですね!]
シャルルは、傍で見ていたらしいが、何度か冒険者の戦いを見たことがあったらしいが、俺はその中でも1番凄かったらしい。
[まあ、これでも新参者なんだがな。]
年季が入った人達に比べれば、俺なんて勝っているのは純粋な能力だけだ。
緊張感も、危険性も、知識もまるで伴っていない。
[それに、クロトの剣…前に見た時も思ったんですが、凄く綺麗ですよね。]
まあ、神具は神話時代から受け継がれてきた武具らしいから、神秘的なのも当然なのだろう。
[まあ、ルミナスに関しては、俺も知らない事の方が多いけどな。正直、しっかりと知っておきたいところなんだが。]
愛用している剣の、出所も知らなければ、主として情けない。これまでに、何の文句も言わずについてきてくれた相棒の事は、知りたいと思って当然だと思う。
神話の時代から存在するって言われてる程の代物なんだ。心の一つあったっておかしくは無い。
[意外と聞いたら教えてくれるんじゃないですか?]
冗談とも、真剣ともとれる言い方だな。
[ふっ…かもな。]
まあ、焦らなくてもいつかはわかる時が来る。そう言う意味だと捉えておこう。
[さて、オヤジの所に素材持って行って、日が暮れないうちに帰るとするか。]
[間に合いますかね?]
まあ、日は結構傾いてるし、今日中には帰れても、暗くなるまでには間に合わないだろうな。
[いざとなったら、奥の手を使う。]
[奥の手って?]
[それは言ったら面白くないだろ?]
俺はそれだけ言った。
そのまま、俺とシャルルは素材をオヤジに渡して、町を出た。
[結局、暗くなっちまったな。]
[そうですね…]
シャルルは暗い場所が苦手なのか?
教会までは、後1時間は掛かる、このまま少し急いだくらいじゃ、本格的に危険なレベルまで暗くなってしまう。
俺はそれでも問題無いが、シャルルに危険が及ぶ。守れる自信はあるが、日本と違って、町や村以外は明かり一つない場所が殆どの為、夜になると本格的に何も見えなくなる。そんな中、複数の魔物に襲われたら、安全は保証し兼ねる。
ステラやユリカゼと旅をしていた時は、全員実力者の上に、二人とも暗視の付与魔法を持っていた為、暗闇でも平気だった。
[ここからなら、ギリギリ行けそうだな。]
[え?]
俺は、立ち止まって、シャルルに近付くと、お姫様抱っこの様に少女を抱える。
[失礼。]
[えっ!?ちょーー]
シャルルが何か言う前に、俺は足に力を込めて、全速力で走り出す。
[きゃあぁぁぁ!!]
当然相当な速度なので、相当暗くなっているとは言え、本人はそれはそれは怖いだろう。
[おろして!おろしてください!!]
俺の腕の中で暴れるシャルル。
[我慢してくれ、流石に真っ暗夜道を歩くのは俺でも自信が無い。]
今はまだ、完全には暗くなっていない。夕陽がまだ見えるレベルだ。
[だからって、いきなりこんな事するなんて信じられません!!]
ごもっともだ。
だが、事前話せば拒否される事は目に見えていたので、こうするしか無かった。
勿論嫌がることはしたくないが、状況が状況なだけに仕方も無いだろう。
[それに関しては、後できっちり謝るから。今は我慢してくれ。]
そのまま、俺はシャルルを離さず全速力で走り続け、何とか10分くらいで教会に着いた。
勿論、この後シャルルにこっぴどく説教を受けた。




