3章[王都学園]第43話終
今回で、長かった学園編もラストです。
リアには最高の見せ場を用意していますので、是非しっかりと目に焼き付けていってください!
[これ以上はやらせない!]
そう言って、リアは、魔力を解放して、触手を吹き飛ばすと。
[ふっ!]
クロトを抱えて、全速力で飛ぶ。
あっと言う間に、通路を突き抜け、城の壁を破壊して、上空を飛翔して、逃げる。
[追え......]
王は、更に触手を増やし、リアの後を追わせる。
[ふぅ......]
リアは、外れの森の中に着地する。
[危なかった。]
リアがここにいるのには理由がある。
あの後、拠点の遺跡に戻り、ユリカゼにクロトが行ったことを伝えると、念の為にリアにも行ってほしいと言ったのだ。
リアはユリカゼに魔力を消費してもらう役をしてもらい、クロトと同じ座標に転移し、その後救出し、現在に至る。
[だが、これは......]
クロトは、意気消沈とし、ピクリとも動かない。
[おい、クロト、しっかりしろ。]
揺らしても、声かけても返答はない。
[原因、考えればわかるが......]
その時だった。
[......!]
リアはクロトを抱えて、全力で上空に飛ぶ。
何と、黒い触手が、ここまで追ってきていたのだ。
[ちっ、しつこいやつだ!]
リアは方向を変えて飛び立とうとするが、黒い触手がそれを許さない。
[なっ、速い!]
リアが飛び立つ前に、触手がリアを捉える。
[ぐっ......]
リアは何とか回避するが、脇腹にかすり傷を受けてしまう、これが、大きな痛手になる。
[何とかかわせ......ぐっ!?]
突然魔力飛行が維持できなくなり、森の中に墜落する。
[く、う、か......あ......]
想像を絶する痛みと、嘔吐感がリアの体を駆け巡る。
なんだ、これは......
リアは、頭をフル回転させる。
[そう、か、これは受けた者の内包する魔力の最大値によって、効果が変わる呪詛、私の魔力量に比例した効果がこれと言う、ことか......]
収まりはしているが、ダメージは確実に蓄積した。疲労すれば当然、反応も鈍る、それは、リアとて例外ではない。
[くっ、まずい、ぐ......]
再び伸びてくる触手は、今度こそリアを確実に捉え、反応が遅れたリアは回避できず、腹を2本の触手に貫かれる。
[ぐは......くあ、あ......]
血液が逆流し、思考停止レベルまで陥る。
[う、うあ......あ。]
指一つ動かせない程の痛みと、寒気、脳が危険信号を発信しているのだ。
[う、ク、ロト......]
真横で倒れている少年に、視線を動かす。
[......]
少年は、瞳を僅かに上げて、触手に貫かれた、自分が知るなかで最も強いであろう金髪の少女を捉える。
[......。]
リアは、ありったけの力を腕に込める。
[く、う......]
少女は、残りの触手が一点に集まって、膨張していっていることに気付く。
[さ、せ......ない。]
少女、体の重みに逆らいながら、ゆっくりと右腕を上げて、膨張する触手に向かって、翳す。
[I am a ruler of gravity(我は重力の支配者)......]
軽やかな発音で、式句を詠唱する。
[According to the theory I ordered(我が命じる理に従い)......]
リアの手の中に、魔力が集束していく、この世界において、現在重力を操作できるのはリアだけで、リアだけだけがそれを行使し、扱える。
[Implementation Shield of authority(具現せよ、権能の盾)]
膨張した触手が、限界を迎えて爆裂する。
[グラビティ・フォース!]
瞬間、リアの手に集まった魔力が霧散し、目の前の空間を歪めて、美しい盾へと変貌する。
[ぐう......ッ!]
重力とは、力の源であり重さの象徴、それは時として空間すら歪める膨大な力となる。
リアは、膨大な魔力を使用して、重力で空間を歪めて、その歪みをすら操作して、究極の盾を作り出したのだ。
[くっ......]
だが、爆発の威力は空間の歪みすら立ち切る程に膨大で、所々にひびが入る。
[先代龍神王の、最大の咆哮すら防いだフォースでさえ、保たないのか......]
ひびはやがて亀裂へと変わる。
[頼む、保ってくれ、保って、くれ......]
亀裂は大きくなり、砕けるかと思われたその時だった。
[ぐわぁ!!]
爆発による衝撃と熱は、一点に集束し、強烈な衝撃波を放って、終息した。
[うわぁ!]
衝撃波によって盾は完全に砕けて、クロトとリア共々吹き飛ばされた。
[......]
辺りは、酷い有り様で、木々は吹き飛ばされ、地面は深々と抉られていた。
[クロト......]
リアは、倒れているクロトを見つけて、すぐに処置を済ませた。が......
[すまない、クロト。今の私では、お前を守りながら、逃げられる自信がない。]
この世界において、リアは間違い無く五本の指に入る強さだ、一人でならどんな重傷を負っていようともどうにでもなるが、守る対象がいる場合は別だ。
[いや、この言い方ではお前が悪いみたいだな......]
リアの頬に一筋の光が落ちる。
[悔しいな、完全にやられた。]
恐らく、さっきの触手はまた負ってくる、それはリアには安易には予想できた。
[私は、お前を逃がすが、その先でお前が立ち直れるか、それはお前、いや、君次第だ。だから、これだけ覚えておいてくれ。]
リアは、ランダム転移の魔法を使用する。
[ステラを助けられるかは、君次第だ。だから、また立ち上がるんだ、必ずな......]
クロトを包む光が輝きを増していく。
[それじゃあ、達者でな。本当にすまない、クロト......]
クロトは完全に光に包まれ、消えた。
[......さて、私も逃げないとな。]
リアは、夜空に飛び立った。
学園編も遂に最終回を迎えました!
まずは、ここまで読んでくれたかたに、最高の感謝を!
そして、恒例の次章予告をしたいと思います!
次章 [救う為の始まり]
流石に中二過ぎかな?




