3章[王都学園]第42話
俺は今、ステラが囚われているであろう、城の中にいた。
転移は無事成功し、無事カルディナ連邦の中心都市のまん中に位置する城の内部に侵入し、今はステラの魔力と気配を頼りに進んでいた。
[止まれ!]
[......]
俺は立ちはだかる兵を、一切の例外無く殺していく、今の俺には前の様な甘さも、慈悲も、躊躇いも存在しない、立ちはだかるなら斬る、相手がそうしたように、例え命乞いしようと......
[やめてくれ、助け......]
そんな言葉など聞かずに、首を斬り飛ばす。
[近いな......]
広い通路だ、ここをまっすぐ進んだ所に、ステラの魔力を感じる。
[......]
俺は、血の海の上を歩く。途中で生き残っている兵がいれば殺し、かかってきた兵も勿論殺す。
[待ってくれ、家族がいるん......]
そんなことは知ったことではない、誰に恨まれようとも止まるつもりはもう無い、学園の生徒にだって親がいて、兄弟がいて、家族と家庭があって、それを壊したのだから、こちらにも壊す権利がある。
[......]
扉の前まで来た。
後ろには、血の海、死の世界が広がっている。メイドなどは殺さない、始めから戦うつもりの無い人間も兵と権力も持つ者以外は逃がしている。理由は無いが、単純にそこまでは出来ないからだ、首謀者である王は必ず殺すが、ステラの救出が最優先だ。
俺は扉を開ける。
[来たか......]
王室に入った瞬間、中にいた兵士や騎士が同時にかかってきたが、一瞬で全員の首を斬り飛ばし、心臓を貫く。
[ほぅ......]
[......随分と余裕そうだな?]
俺は言葉に最大限の殺気をのせる。
[まあ、良いさ、それよりステラを返してもらうぞ、カルディナ王。]
髪は紫色で、服は黒一色のいかにも王族の着そうな服だ。
[これの事か?]
王が指を鳴らすと、天井が開いて、魔力で作られた檻が出現し、その中にステラがいた。
[クロトくん!]
檻の中から、ステラが叫ぶ。
[待ってろステラ、今助けてやるからな。]
俺は剣を構える。
[セカンド・リミッツ、発動。]
オーバーオリジンを起動して、王と向き合う。
[こちらもこれを、そう簡単に渡さんのでな......]
王は玉座から立ち上がる。
[死の大鎌]
巨大な鎌が出現し、それを掴んで構える。
これは、学園でやっていた試合なんかじゃ無い、本当の意味での殺しあいだ、だからこっちも......
[死ぬ気で殺させてもらうぜ!!]
俺は、一瞬で距離を詰めて斜め一閃を放つ。が、
[......!]
受け止められ、すかさず反撃してきたが、俺も追撃を放ち相殺し、距離をとりながらライジング・ボルトを無数に放つ。
[甘い、闇の祭]
王を中心に広がった闇の結界が、俺の放った魔法を飲み込む。
[ぐ......]
俺は天井を足場にして、王目掛けて特攻する。闇の結界は光の魔力を込めた一撃で消し飛ばす。
[もらった!]
俺は勢いの込められた斬撃を脳天目掛けて放った。
[ぐぬ......]
受け止められるが、王の足元はひびが入ってへこむ。俺は一瞬で懐に入って、奥義を使用する。
ルミナス・ブレイド・オーバーライト
世界が止まったように感じる。
[取った!]
俺は王に格闘技仕掛けて押さえ込む、その瞬間世界の時間が元に戻る。
[終わりだ。]
俺は王に馬乗りした様な状態になり、ルミナスで一閃叩き込もうとした瞬間だった。
[ふっ......]
四方向から、突如謎の黒い触手の様な刃が襲ってくる。
[くっ......ッ!]
俺は何とかそれをかわすが......
[ぐ!?ぐは......ッ!]
突然強烈な目眩と吐き気な襲われ、吐血する。
腕を見ると、少しかすっていたのだ。
[これは......]
こんな魔法見たことが無い、固有魔法か、だが、それにしてもあれは余りにも異質すぎる。
[相当な魔力を持っているようだな、かすっただけでそれとは......]
王は立ち上がり、指を鳴らすと黒い触手達がまた動き出す。
[くっ!]
これは、まずい!
俺は、全方向から襲い来る触手を足に渾身の力を込めて跳躍し、かわす。
[......!]
触手は一点に集まって、空中の俺に迫ってくる。
[ソード・オブ・アイギス!]
空中でアイギスを使用して、触手を受け止めると、そのままルミナスの神具解放を使用して消し飛ばす。
[......はぁ、はぁ。]
触手は、尚も健在だ、万事休すか......
[駄目!!]
ステラが檻から叫ぶ。
触手が、俺に迫る。
[ぐ......!]
死を確信した。だが、触手が俺に届くことはなかった。
[......な!?]
ポタポタと、血の滴る音、だが、その、血は、俺のものではない。
[良かった......]
檻を破ったステラが、割って入り、身代わりになったのだ。
[あ、あぁ......]
言葉が出なかった、何かが俺の中で壊れて行く。
[ふむ......]
触手は王の元に戻って行き、ステラは力なくもたれかかる。
[まさか、あの檻を壊すとはな、我が娘ながら大したものだ......]
何も考えられない。
[......]
ステラの手が、俺の手に触れて、何を握らせる。
[これ......持ってて。]
[ス、テラ......]
ステラは、穏やかな笑みを浮かべる。
[これがあれば、また、必、ず......]
ステラは、消え入る様に気を失う。
[さて......]
王は、触手を伸ばして、ステラに巻き付けると、元いた檻に運ばせる。
[よく頑張ったが......]
触手が俺に伸びてくる。
[終わりだ。]
[させるかぁ!]
また、触手がクロトに届くことはなかった。
[ほう......]
目の前でそれを受け止めているのは、綺麗な金髪をなびかせ、クロトを連邦に送り出した者、リア・ニルヴァーナだったのだ。
まあ、僕としてもここまで長く尺を取ったにも関わらず、ラスボス戦が負けイベントと言うのは流石に無いかな、と、思いましたが、やはりこれ以外ありませんでした。
学園編も次で最後です。
クロト達がどの様な形で次へ歩いていくのか、楽しみにしておいてください!




