3章[王都学園]第41話
あの後俺は、力なく横になったリオを前にして、言い知れぬ悔しさと、底知れぬ怒りを感じた。
何分も何分も泣いて、ようやく涙腺を閉め直した後に、ユリカゼ達を部屋に呼んだ。
[安らかな顔しやがって......]
レオは、俯いていて、顔が見えない。
[う、ぐすん。うわぁ......]
ユリカゼは、リオの眠るベッドの横で膝をついて泣いている。ユリカゼはリオとの付き合いが結構長い、生徒会だって二人三脚で頑張っていたのだ、悲しみも大きいだろう。
[クロト、少し来てくれ。]
リアが背後から呼び掛ける。
[......ああ。]
[なあ......]
俺は、歩きながらリアに訊ねる。
[なんだ?]
気になっていたことを聞く。
[アインは、無事なのか?]
さっきから全くその話をしてくなかったので、内心不安だった。
[ああ、だが重傷だ、今は治療に専念させたいから会わせることは出来ない。]
[そうか......]
そこからは、何も話さなかった、リアも今回の件には真剣な怒りを覚えていることはめいはくだったから、多くは聞かなかった。
[......連邦にいく方法は、主に転移を使う。だが、これ程長距離の転移ともなれば、学園内にある儀式場を使う必要がある。]
儀式場、魔法の効力を強めて、通常では出来ないことを可能とする。
[だが、そこに行くには奴等を相手する必要がある。]
[ああ、わかってる。]
上等だ、逆にそうでもしなければ、今にも溢れだしそうな怒りを抑えられない。
[なら良い、問題はそれだけだ、場所は私が千里眼で見ておくから任せろ。]
[わかった......]
俺とリアは、遺跡から出て、演習場裏の近くまで来る。
[あそこが儀式場だ。]
立ち入り禁止と書いた古びたロープが張ってある。こんな警備で良いのか?と、普通は思うだろうが、まず、儀式場を使うには、通常の魔法士20人分の魔力を使う必要があるのだ、その為、普通は使えないし、大したことも出来ないのだが、リアであれば話は別だ。
[さて、見つからん内にとっとと......]
リアが、言葉を止める。
[来たか......]
一瞬にして、周りを、黒いマントを着た集団に囲まれる。
俺が剣を抜こうとすると、リアから頭の中に、直接声が入る。
[(ここは、私がやるからお前は下がっていろ。)]
それだけ言って、俺の前に出た。
俺は剣から手を引いた。リアは凄まじい殺気を放っている、それもその筈だ、表には出していないが、リアも今回の件には底知れぬ怒りを感じているのだ。
[さあ、どう片付けてやろうか?ゴミ屑共......]
相手は10人で、こちらは一人、普通は勝てるはずの無い戦いだが......
[......]
マントの奴等が動こうとした瞬間だった......
[誰が動いて良いと言った?]
リアが指一つ動かさずに、マントの奴等を押さえ付ける。
[......!]
[このままお前らを無限結界におくる、死ぬこともできん絶望を味わって壊れろ......]
気付いた時にはもう、マントの奴等は消えていた。
[行こう。]
[ああ......]
その後転移魔法は、滞りなく成功し、俺はカルディナ連邦に旅立った。
[待っていろよ、ステラ......]
ここで捕捉です。
まず学園の被害状況として、生徒の大半が虐殺されて、教師も同じようにやられた、と言う状況です。
王都なのに救援が来ないのは、それどころでは無いからです。これ以上言うとネタバレになるので言えませんが、そう言うことです。




