3章[王都学園]第34話
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全く会話が弾まない。
[名前......]
[ん?]
何か言ったようだが、良く聞き取れなかった。
[名前......何て言うの?]
[ああ、確かまだ言ってなかったな。]
そう言えば、この子の名前、まだ聞いてなかったっけ。
[クロト・カザヤ、クロトって呼んでくれ。]
[クロト兄さん......]
兄さん?まあ、細かいことは良いか。
[君は......名前、何て言うんだ?]
同じような聞き方で、聞いてくるようにしか聞こえないが。
[アイン......]
[ラストネームは?]
ラストネーム又はファミリーネーム、日本で言うところの姓にあたるものだ。
[ない......龍人族は基本的にファーストネームだけで、呼び会うから......]
成る程、種族が違えばこう言う些細な所にも違いは出る、と言ったところか、日本では海外に自分から出ない限りは、外国、ましてや他種族の人と話すことなんて滅多にない、この世界、特にこの王国においては、結構他種族多国の人間と関わる事が多いため、結構楽しい。
[そうか、ならアイン、君は何かしてみたい事とかあるか?]
唐突だっただろうか、だが、こんなに幼いのに、奴隷として過ごした時間があると言うのは、あまりにも不幸だ、なら、少し位我が儘を聞いてあげたい。
同情ほど愚かしい行為も無いかもだが。
[オシャレ......してみたい。]
[え?]
意外と素直に言ってくれた為に、少し戸惑ったが、すぐに返答する。
[この国の人達、凄く綺麗だった、だから、私もあんな風に、なりたいなって......]
確かにこの国には比較的に綺麗な人が多い、それにここは都、国の中心だ、服や着飾るものには困らないだろう。
[なら、決定だな。明日買いに行こう、明日は丁度休息日だしな。]
因みに今日は、学園長と国直属の依頼なので、欠席扱いだ。
そして、明日は休日、このままボロボロの格好にしておくのがかわいそうと言うのもあるが、少しでも早く、ここでの生活に慣れてほしい。
[......良いの?迷惑じゃない?]
[迷惑じゃない、どうせ明日は暇だしな。]
実際明日は、ステラとユリカゼは一緒に街に買い物に行くらしいから、どうせ暇だったのだ。
[......ありがとう。]
[ああ。それと、ここが俺の部屋がある寮だ。]
話していると、いつの間にか寮に着いていた、他の連中はまだ本校舍で授業を受けているため、寮監以外は誰も居ない。
[ここが俺の部屋だ、とは言っても相部屋だからもう一人の部屋でもあるんだけどな。]
俺は、真っ先にアインを自身の部屋に案内した。
[とりあえず、そのままの格好だとあれだ、ほい。]
俺は学園長から渡されたこの子のサイズに合った制服を渡す。
[俺は外に出ておくから、着替えたら言ってくれ。]
[うん......]
俺は、そう言って、部屋を出た。
数分後......
[中々似合うな。]
元が美少女だから、少し身だしなみを整えれば、結構化ける。
[そんなこと......]
髪も、手入れしてあげたいが、素人の俺がやるよりも、ステラやユリカゼに頼んだ方が良いだろう。
[ユリカゼならもう帰ってるかもな。]
だが、それはやめておこう、ユリカゼも疲れているだろうし、今押し掛けるのはやめておいた方が良い。
[お風呂......]
[え?]
[入りたい。]
ああ、成る程......
[どうにか出来ないかなあ。]
流石に男子寮の風呂に入ってもらうわけにはいかないので、女子寮まで移動してもらった......
[お待たせ......]
アインが、女子寮から出てきた。
俺は確かに女子寮に入ることは多いが、勝手に入れる訳ではない、その都度寮監には許可を取っているし、別に問題も起こしていないためだ。
[ああ、それじゃあ戻るか。]
だが......
[......うん。]
戻った後も大変や大変、レオや他の生徒への説明に三時間もかかった。
[それにしても、クロトがロリコン立ったとはなぁ......]
こいつはさっきから、この調子だ。
[お前殴って良いか?]
まあ、いつもレオとはこんな話しかしないが......
[......]
それでも、この状況は早急に何とかしたい、このまま男子寮にアインを置いておくわけにもいかない。
[......とりあえず俺は寝る、おやすみ。]
[ああ、おやすみ。]
俺はそう言って、床に敷いた毛布にくるまる。
考え事はたくさんあったが、疲れからか、すぐに睡魔によって、意識がおちていった。
[これなんか、良いんじゃないんですか?]
[こっちも良いんじゃない!]
今、アインはステラとユリカゼの着せ替え人形にされていた。
こうなったのにも理由がある。
朝
今日はアインの買い物についていく予定だったので、早めに起きて、準備して寮の前で待っていた。
[そろそろかな?]
アインにも準備はある、あまりかからないとは言っていたが。
[お待たせ......]
髪も簡単とは言え、軽く整えているので、結構自然な感じだ。
[それじゃあ行こ......]
その時だった。
[クロトくん?朝早くから、何処に行くつもりなのかな?]
[へ?]
明確な恐怖が俺の体を支配する。
[......]
ゆっくりと後ろを向く。
[......。]
勿論後ろに居たのはステラだった。
ステラは笑っているが、俺には分かる、確実に怒ってる!
[......!]
やるしかない!あれを!
[すみませんでしたぁぁーー!]
覚醒者の力を全開にして、一秒とかからず謝罪した。
因みに言っておくと、学園編は40話までは続きます。結構まとめるのに手間取った結果がこれですよ(笑)




