表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命を背負った少女と最強の守護者  作者: 英雄王ヨカ
3章[王都学園]
55/100

3章[王都学園]第32話

[......]


俺は物陰に隠れながら進んでいる。

侵入には成功した、奴隷商会の拠点は、中央街のある路地裏を進んだ所にある、ユリカゼが手筈通りに進めてくれたお陰で、何の狂いもなく侵入できた、装備は気配消しと正体隠しの装備一式、武器はナイフ二本、所々に配置されている巡視を掻い潜って進む、流石に龍人なだけあって警備厳しい。


[......そろそろか。]


偵察に来た時に確認はした、移動されている可能性は否めないが、その時はリオと俺の役割を入れ換えてカバーする。


[......騒がしいな。]


警備の様子が何やらおかしい。


[......]


息を潜めて警備の会話を聞く。


[まだ見つからないのか!?]


[ああ、まさか商会最上級の拘束魔術を破るとは思わなかった、一様やむなしと有れば少し位は傷をつけても良いらしいが......]


[何でも良い、魔力を回復される前に捕らえるぞ!]


[わかった。]


警備の一人がこっちに、もう一人は向こうに走り出す。


まずい!聞き入りすぎた!


[こうなったら......]


騒ぎを起こさず無力化する。

俺が動こうとした瞬間。


[むぐ......ッ!?]


いきなり後ろから引っ張られ、近くの部屋に入れられる。


[ぷはッ......!]


口を思いっきり塞がれたため息をを整える。


[すみません、手荒な真似をして。]


[リオか......]


少しほっとする。


[計画が狂いました、まさかターゲット自ら脱走するとは......]


何時も依頼の時はクールなリオだが、今は表情な若干の焦りを見せている。


[確かにまずいな、一度捕らえられたら助けようが無くなる。]


再度牢に入れられたら警備が抜けなくなる、そうなったらもう連れ出す手立ては無い。


[脱出のサポートは会長に頼みました。

今は一刻も早くターゲットを見つける必要があります。]


[ああ、勿論だ。]


リオは立ち上がる。


[これ、渡しておきます。私はもう行きますが、もし見つけて保護できたらすぐに脱出してください。]


[ああ、わかった。]


リオが扉を少し開けて部屋の外を確認する。


[......それと、これを]


[これは......]


リオが渡して来たのは、ルミナスと小さなビー玉のような物だ。


[それが光ったら脱出を、あるいはターゲットが保護できたらそれに魔力を込めてください。]


[わかった。]


俺がそう言うと、リオは部屋を出た。


[さてと......]


あまり時間はかけられない、脱け出したのが今ならまだ施設内の何処かに居る可能性が高い。


[行くか......]


俺は部屋を後にした。




[はぁはぁ......]


[彼処だ!捕らえろ!]


少女は光魔法を発動させて目眩ましを行い、近くの部屋に隠れる。


[まだ、近くに居るはずだ、探せ!!]


何人かの足音が通り過ぎて行くのが聞こえる。


[うぅ......]


少女は膝を抱えて座る。


[お父さん......お母さん......]


少女はすすり泣く、助けを求めるかのように。


         *


[......]


警備にも見つからない様に、一人の少女をこの施設から見つけなきゃならない。構造自体はそこまで、複雑じゃないしそこまで広くもないが、何せ部屋もしらみ潰しに探している状況で、向こうよりも早く見つけるのは至難の技だ、俺よりもリオが見つける事を祈った方が良さそうだ。


[......!]


微小だが、何かの魔法が俺の魔力察知に引っ掛かった。


[今のは、光属性......]


恐らくリオは気付いていない、俺の魔力察知に引っ掛かったのは、恐らく俺自身の適属性が光だから、同じ属性の魔力を感じやすくなっているためだろう。


[とりあえず行くか。]


感じた場所はそれほど遠くない、本気で急げば数秒で到着出来る。


[......ッ!]


俺は足に力を込めて、警備にも見えない速度で目的地を目指す。


[ここか?]


俺は数十メートル先の通路で止まる。


[......]


俺は警備の声がしたので隠れる。


[やっと見つけた。]


[さっさと、牢に戻してやる。]


二人の警備が何やら部屋の隅を囲んでいる。


[成る程......]


俺は、警備に気付かれないように近付き......


[ぐはっ!?]


[何!?ぐわっ!!]


後ろからの不意打ちで二人を無力化する。


[大丈夫か?]


俺は、部屋の隅でうずくまる少女に声をかける。


[来ないで......]


[......]


写真の通りとは言いがたいくらいボロボロたが、腰よりも下の辺りまで伸びた黒髪を見れば、本人だと言うことがうかがえた。

ボロぎぬからはみ出た足や腕を見ればわかる、恐らく酷い仕打ちを受けたのだろう、ほとんど体は隠れているが、見えるだけでも数ヶ所傷を負っている。


[......ちょっと見せてみろ。]


俺は周りに誰も居ないことを確認して、少女の腕で最も傷の深いところに、指を添える。


[やめて!離して!]


少女は逃れようとして、暴れる。

龍人種なだけあって凄い力だし、引っ掛かれたりと色々としてくるが......


[痛いことはしない、辛かったな、もう大丈夫だ。]


俺はそう言って、詠唱する。


[光の素よ、恵みとなりて痛みと穢れを癒せ、スターリキッド。]


指の先に一滴の光の雫が出来る。


[ドロップ......]


それを傷口に落とす。


[あ......]


フードを深く被っているので顔は見えないが、彼女にしてみればいきなり現れた奴が、傷口に暖かな光を落としたといったところだ。


[......この魔法は傷を癒すだけじゃなくて、心も癒してくれる、大丈夫、君を傷付ける奴には、もう従う必要は無い。]


こう言うケアは領分ではないが、このまま無理矢理連れていくわけにもいかないし嫌だ、先ずは安心させる、脱出はそれからだ。


[......]


彼女の傷は深いものを除いてふさがり、光も消える。


[落ち着いたか?]


[......。]


コクりと頷く。

よし、とりあえずさっき貰った石に魔力を込めて、脱出だ。




とりあえず脱出一歩手前までは難なく来れた、だが......


[......。]


あきらかにヤバイ奴が脱出の出口前に居るのだ。

俺の身長よりも二周りは大きく、体格も相当なもので、良く鍛え上げられている。


[どうする......]


理想は気取られる事なく、瞬殺することだ。

だが、見れば嫌でもわかる、恐らくベテランの傭兵か何かだろう、一流の技術と勘を持ち合わせているだろうから、オリジンを使っても、正直そんなにうまくは突破できないだろう。


[なら、やることは一つか......]


俺は立ち上がって、剣を抜く。


[ちょっと待っていてくれ。]


俺は龍人の少女に一言言うと、物陰から飛び出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ