表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命を背負った少女と最強の守護者  作者: 英雄王ヨカ
3章[王都学園]
52/100

3章[王都学園]第29話

[結構びしょ濡れになっちゃったね。]


[あぁ......はっくしょん!!]


二人揃ってずぶ濡れになって帰ってきたのには理由がある。



[湖畔の水って、意外と凍らないものなんだね。]


散歩と称した遊びは、結構楽しく外れにある湖畔の辺りまで来てしまった。


[この辺りって、俺が消し飛ばしたはずなのに治ってるな。]


そう、ここら周辺は俺が悪魔と戦ったときに、神具解放を連発して穴だらけにした場所なのだ、その上この辺りはまるごと跡形も無く消し飛ばした辺りなので、そう簡単には直せないはずなのだが。


[あれから都の魔法士総出で修復したらしいよ、お陰で都に滞在してたほとんどの土属性魔法を使える人が体調不良を起こしたらしいよ。]


[お、おう、そうだったのか......]


何かすみません、都の魔法士さん。


[でも、結局は修復も完璧じゃないらしいから、ほらこの辺とか......]


ステラが湖畔の上にかけられている木像の渡りを歩く。


[そうなのか?]


[うん、こことか見て。]


[どれどれ......]


ステラは湖畔の底を指差している。


[どこが直ってないんだ?]


パット見ではわからないのだが、何かこう......


[......成る程、湖の底がえぐれたままって事か。]


よく見ると、底が不自然な地形になっている。これは俺が神具解放で抉った時に見えたえぐれかたと同じだ。


[そう、だからこの橋も土台が脆くなっていて危ないらしいの。]


[でも流石に二人のった位では壊れないだろ?]


[多分ね、もっと奥まで行っても......ッ!?]


先に進もうとした、ステラの足場が軋みをあげて壊れる。


[ステラ!?]


ステラは重力に従って水面に落ちる。


[大丈夫か!!]


思ったより深そうだし、この季節の湖は極寒のはず。


[くっ......ッ]


俺は万が一を考えて、湖に飛び込む。


[冷たっ!?]


入った瞬間氷点下すら下回るほどに冷却された水が、俺の体の熱を奪う。


[ぐっ......]


沈みかけたステラを抱えて、水から上がる。


[くはっ......ッ]


もう少し長い間寒中水泳してたら、危うく俺が凍死するところだった。


[う、うぅん......]


隣から、声がした。


[気がついたか......]


ステラはショックで気を失っていたらしい。


[ここは、私確か......]


ステラが状況を整理しようと頭をひねる。


[足場が壊れて、そのまま......]


当たり前だが、落下したところまでは覚えているらしい。


[気を失って......]


あらかた思い出したのか、慌てて俺の方を見る。


[あっ、ごめんクロトくん、私の不注意のせいで......]


罪悪感の混じった顔で謝る。


[......何でステラが謝る必要があるんだよ、さっきのはそもそも注意してたところでどうしようも無かっただろ?]


[確かにそうかもしれないけど......]


ステラはまだ納得できない様だ。


[それに......]


俺は続けて言葉を紡ぐ。


[もし俺が同じ状況になったとしても、君は同じことをしただろ?]


[それは、勿論そうだけど......]


ステラは少し頬を赤くして言う。


[だったらそれで良いんだよ、今回はたまたま立場が逆だっただけで、今度は俺がステラに助けてもらうから。]


俺は信頼の意味も込めて言う。


[わかった......]


どうにか納得してくれたようだ。


[それじゃあそろそろ帰ろうぜ、良い時間だし、何よりも寒くて死にそうだ。]


そう、俺達はこの極寒の世界の中でずぶ濡れの状態なのだ、これ以上は命にも関わりかねない。


[そう...だね、それじゃあ、帰ろっか。]


そこから、俺とステラは揃って学園に戻った。


それから数日間風邪に悩まされたのは、また別の話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ