3章[王都学園]第20話
[そう言えば、今日はリアの登校初日か。]
俺は朝教室に着いて、自分の席につくと、一人そんな事を呟いていた。
襲撃事件での一件以来、俺達に特に変わった様子はない。一つ変わった事と言えば、ある一人の少女がこのクラスの一員になることくらいだ。
[はい、皆さん席について。]
レイド先生が、教室のドアを開けて入ってきた。
[今日は皆さんに転校生を紹介します。]
その言葉を聞いて、クラスがざわつく、一様噂にはなっていたが、正式に聞かされるのと噂に聞くのとじゃあ、全然違うのだろう。
[はいって来てくれ。]
すると、教室のドアが開く。そこには金色の髪を、ストレートロングで伸ばし、深緑を思わせる緑眼の少女が立っていた。
[自己紹介を頼めるかな。]
少女は教卓のところまで歩くと、黒板に名前を書き出した。
[リア・ニルヴァーナ......よろしく頼む。]
リアは素っ気なく自己紹介する。
制服はユリカゼや捨てと同じものだ。クラス内では、間違いなく何処からどう見ても美少女であるリアを見た奴等が、色々言っているが、リアは気にせず指定された席に座る、場所はユリカゼの隣なので、恐らく大丈夫だろう。
[まあ、なるようになるだろう。]
襲撃事件の一件以来、学園には特に変わった様子はない、真に平和が訪れたかどうかは、まだわからないが、ステラを付け狙っていた奴等に関しても音沙汰なしなので、問題は今のところ無いだろうし、この平和な期間の間にもやりたいことは確かにある、そう言う意味で言えば、このつかの間の休息を楽しむのもまた一興だろう。
魔法科を志望してるって聞いたけど、リア自身はどれ程の実力の持ち主なのだろうか、間違いなく俺よりも実力が上なのは確かだが、それでも俺程度が計り知れるレベルでも無いだろうし。
[もっと強く……]
俺は放課後の教室で、一人そんなことを呟いた。
[あまり力という物に固執しすぎるのも、良い傾向とは言えないぞ。]
一人の少女が声をかけてきた。
[まだ残ってのか?]
声をかけてきたのは、リアだった。
[ああ、それにしても何故あんなことを言っていたんだ?]
リアが質問を投げ掛けてくる。
[そうだな、俺はこの前の襲撃事件の時、相手のボスと戦って、手も足も出ずにやられてしまった。あの時、俺にもっと力があればステラも傷つけられずにすんだ、だから。]
俺がそう言うと、リアはクスッと笑う。
[そんなに面白い話でもないと思うんだが。]
[いや、すまない。だがクロト、お前はもう充分強さも力も持ってるよ。]
[え?]
俺が疑問符を浮かべると。
[お前の中には特別な力が確かにある。お前に足りないのが何かと言うと、その力を柔軟に制御できる技術と、心の強さだ。]
[技術と、心の強さ......]
[そう、それだけ忘れずに磨いていけば、きっとお前は全てを守ることが出来る。]
そして、リアは教室の出口の前で振り返る。
[だから、まずは力に飲まれないようにする事、強い心を持つことが、秘訣だ。]
リアはそのまま、教室を出ていった。
[力に飲まれないように......]
俺は少し考えた。
やっと、手元にあった原稿を投稿し終わった、
気付くのが遅すぎる自分に不甲斐なさを感じます。
ともあれ、これで、王都学園編も20話に突入しましたね、ここからは当初は新章として名前を変えて、分けるつもりだったのですが、あまりにもキリが悪いので、もう最後までやっちゃいます。
王都学園編に関しては元々章が二つにわかれる予定でしたので、最後にはえらいことになってそうですが、これからもよろしくお願いします!




