3章[王都学園]第18話
[クロトくん!]
[う......ん......]
ここは、俺は確か、ステラがやられて、そこから記憶がない。
[やっと目を冷ましたか。]
[ここは......は!ステラ、大丈夫か!!]
ステラが俺の体を抱き締める。
[心配したんだから、無茶なことばっかりして......]
ステラは顔を埋める。
[すまない、心配かけた......]
[全く、あまり女を泣かせるものじゃないぞ、少年......]
こいつ、誰だ?
[誰だ?]
[おいおい、そこそこ居心地の良かったクリスタルの中からわざわざ出てきて、友人共々助けてやったのに礼も無しか?]
[え!?]
俺は祭壇の方を見る。
[わ、割れてる。]
クリスタルには、ガラスの様な切れ目が出来ていた。
[て言うことは君が......]
[まあ、そんなところだ......]
少し気恥ずかしそうに言う。
[てっ、そんなことは良い、私はシャワーを浴びたいのだが。]
そう、この、金髪をストレートロングで伸ばしていて、背丈はユリカゼと同じくらい、肌は透けるような白、緑眼の女の子が、ついさっきまであのクリスタルの中で眠っていた、大昔の大魔女、ミカエル・ベルベットなのだ。
[あっ、一様言っておくが、私の名前はミカエル・ベルベットでは無いぞ。]
えっ。
[私の本名はリア・ニルヴァーナだ。リアで良い。]
[は!?いやいや、名前が違うって……]
[うるさい。そんな事はどうでも良いだろう?自分でも言うのもなんだが、私は今から数百年前の人物なんだぞ?名前が間違っている可能性だってあるだろう?]
[言われてみれば。まあ、別に良いけど、シャワーなら寮の方で浴びることが出来ると思う。少し取り込み中だから待って欲しいけど……]
[取り込み中?]
[ああ、地上に出たらわかると思う。]
[......?]
それに、一様女の子だ、こんなボロボロの格好じゃあ、流石に可哀想だ、制服の余りがあったら貸してあげよう。
[ほら、使ってくれ。]
俺は制服の上着を手渡した。
[流石にそのままじゃ寒いだろ、少しの間だけ、それで我慢してくれ。]
少女は微笑すると。
[わかった、礼を言う。]
[クロト......クロト・カザヤ。]
[私はステラ・フェイトギア、よろしくね、リアちゃん。]
ステラは、いつもの感じに戻っていた。
[わかった、よろしく頼む。ステラ、クロト。]
そう言って、俺達は少し話ながら上に上がっていった。
[成る程、確かに魔力が幾つかぶつかり合っているな。]
旧図書館まで戻ってきたところで、リアが呟く。
[わかるのか?]
[魔力探知などはむしろ得意分野のひとつだ。目覚めたばかりだったから感覚が鈍っていたが、もう慣れた、まあ万全と言ったところだ。]
[リアちゃんはクリスタルの中にいる間も、一様意識はあったんだよね?]
そう、ここに来るまでに色々な事を聞いた、まずリアはクリスタルの中に居る間も意識はあって、外界の様子はあらかた見ていたらしい、他にも遺跡の古代魔法を全読破して、現在の世界でも使えるレベルまで、改良もしたらしい。
[そうだな、まあ昔の事はそこまで覚えていないが。]
少し暗い顔をする。
[......とりあえず行くか。]
あれ、何か忘れてる様な......
[忘れてた……]
俺は頭を抱える。
[まだ、終わってなかったんだ。]
そう、旧校舎の前が一番やばかったんだった。
[はぁ、どうするかなぁ。]
俺にもステラにも、あの二人を止めるだけの力は残っていない。
[あれを止めれば良いのか?]
[いや、まあそうだけど。]
万全の状態でも、こんなヤバイ対決割り込みたく無いぞ。
[わかった。]
リアがそう言って、堂々と出ていく。
[えっ、ちょ!?]
だが......
[そこを退いてもらうぞ。]
二人の化け物はリアに気付く。
[ほぅ、この気配、剣聖の次は大魔女さんか。]
[......]
[ゼロ・フレイム......]
リアがそう言うと、少女の頭上に巨大な暗い炎の玉が現れる。
[おい、ちょっと待てリア!]
俺がそう叫ぶが、リアは聞こえていない。
[......]
[神具解放。吹き飛ばせ、フラグメント!]
だが、剣聖の魔力によって、炎はかき消される。
[落ち着け、リア!]
[何だクロト、あいつらを倒せば良いのではないのか?]
リアが首を傾げる。
[あんなのが地表に激突したら、学園その物がぶっ飛ぶわ!]
俺が突っ込みを入れると、リアは驚いたような顔をして。
[何!?あの程度の魔法の衝撃すら守れんのか、この学園の防御魔法は!?]
[いや普通無理だから。]
[おい、少し良いか?]
[何ですか、剣聖。]
[これはどういう状況だ?]
いやまあ聞きたくなる気持ちも解るけど。
[後で説明します。]
[そうか。]
[俺もう帰って良いか?]
赤髪の男が気だるそうに言う。
[いや出来れば帰ってほしいです。はい。]
[わかった、それじゃあな。]
男は霧のなかに消える。
[あの男は何だったんだ一体。]
剣聖がそう言う。
本当にそうだよ。
そこからは、剣聖やリアが一気に敵を制圧していき、事件は終息を迎えた。




