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運命を背負った少女と最強の守護者  作者: 英雄王ヨカ
3章[王都学園]
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3章[王都学園]第15話

剣聖がそう言うと、影から一人の男が現れる。


[それはこっちの台詞だ剣聖、まさかお前があの遺跡の存在を知っていたとはな、しかも俺達の襲撃を認知していたようにも思える。]


髪は短い赤色、肌は白色の男だった。


[まぁなんだ。俺は今回お前らの足止めを依頼されてる、だからお前らを行かせるわけにはいかないわけだ。]


まあ、そりゃあそうだろうな。


[......クロトくん先に行ってくれ、こいつの相手は私がする。]


提案自体は確かに合理的だ。断る余地は無いか。


[......わかった。]


俺は間髪入れずに走り出す。


[させるかよ!]


赤髪の男が一瞬にして氷塊が生成され、俺に向けて発射されるが、俺は防御姿勢を取らずに走り続ける。


[させん!]


俺に向かって飛んでくる氷塊が、剣聖によって全て破壊される。


[お前の相手は私だ。]


[流石にあんたを相手にして、他の奴に構ってる暇はないか。]


双方既に相当な魔力量だ、どちらとも普通に化け物過ぎて引くレベルだ。

だが俺のやるべき事は変わらない、真っ直ぐ旧図書館に向かう。


[やっぱり開けられてるな。]


隠し扉は強行突破されていた、いよいよ悠長な事を言っている暇がなくなってきた。


[ふっ!]


俺は足に魔力と力を込めて、長い階段を一気に降りる、下に続く円柱状のフロアには直ぐにたどり着き、壁を蹴って下に降りる。


[ふぅ......]


フロアを降りきり、直ぐにドーム状のフロアに向かう。


[着いた。]


時間にして一分程度で、祭壇のあった広めのフロアにたどり着く、だが、予想通り先客が居た。


[ほぅ、予想より早い到着だな。]


男らしい人物は、ドーム状のフロアの調度中心に立っていた。


[まあ、全速力で走ってきたからな。]


俺はそう言いながら、腰に携えていた、ルミナスを抜く。


[血の気の多い奴だな、少しは話し合わないか?]


男が意味の分からない提案をしてくるが、間髪入れずに切り捨てる。


[学園を襲撃までした奴がよく言うな、カルシウムが足りないのはお前の方なんじゃないのか?]


[これは失敬、確かにそうだったな。]


男がそう言いながらこちらを向く。


[久しぶりだな。]


嘘だろ。


[お前、何でここにいる!]


そう、その男は俺がこの世界で最も意味嫌う男だ。


[ご挨拶だな。久しぶりの再開じゃないか、少しはあの道具の見上げ話でも聞かせてくれよ。]


こいつ!!


[黙れ!ユリカゼは道具じゃない!何時までも彼奴のご主人様を気取ってるんじゃないぞ!]


そう、この男こそ、ユリカゼに回復が困難な程の心の傷を与えた張本人、正真正銘の屑やろうだ。


[おっと、これは失礼。だがどうする?本題に入るがお前は俺を止めに来たんだろう、その剣で俺を斬りに来たのなら今すぐ始めるのもやぶさかではないぞ。]


俺は剣を構える。


[言われなくても......]


そして踏み込む。


[そのつもりだ!!]


こいつがガイアス聖火に所属している理由なんて今はどうでも良かった、何故なら俺のやるべき事はただ一つ、仲間を傷付けた奴を土下座させることだ!


[ふん。]


男は俺の斬撃をかわして、後方に瞬時に飛び退くと、こう唱えた。


[顕現せよ。神の隻腕!]


背中の肩甲骨の辺りから、まるで悪魔の掌握の様な、腕が生えて、眩い光を放つと、奴の腕と同化して、片腕が悪魔の腕の様なおぞましい姿へと変貌する。


[お前に俺が止められるかな?]


俺は覚醒者を最大限に公使する。


[上等だ。その腕ごとお前の悪意を叩き切ってやるよ!]





[全く、不器用な人達ですね。]


私は、さっきまで一緒に居た、ステラさんとは訳あって別行動している、もっとも既に戦うだけの体力も残っていないので、安全であろう職員室を目指している。


[流石の法王も、その傷だらけの体では骨無しか。]


今日はついていない、そう思った、一番敵と出くわしたくない時に出くわした。


[無謀な事はよせ、大人しく言うことを聞けば命までは取らん。]


だけど、そう言う訳にも。


[いかないんですよ!]


抜刀術で一気に決めようと思ったが、斬撃は男の腕によっていとも容易く防がれる。

拳士!?それに何て言う魔力、今の私じゃあ攻撃を通せない。


[くっ!]


[手負いとは言え、まさか本当にこと程度だとは、万全の状態だったとしても底が知れるな。]


まずい!


[死ね!]


男の威力の籠った一撃が、私に命中する瞬間だった。


[何!?]


すんでの所で攻撃は受け止められる。


[危ねぇ......]


目を開けると、私は自分が助かっていることに気が付く。


[何であなたが......]


学園内でも、指折りの実力者の一人、レオ・クロスボーンだったのだ。


[話は後だ、とりあえずこいつを倒す!]


そう言って、敵を強引に払いのける。


[ほぅ、両手剣使いか、さしずめ学友を助けに登場と言った所か。]


レオは両手剣を構える。


[ああその通りだよ!家の姫様に手出しはさせねえぜ!]


[面白い、であれば止めてみるのだな、この俺を......]


危険だ、だけど今の私よりは勝機はある。


[望むところだ!]


そう言ってレオは、小規模威力重視の炎魔法を発動する。


[くらえ!]


無詠唱魔法が発動する。


[中々の魔力と密度だ。]


そう言って、向こう側も男も魔力を拳・足に込めて走り出す。


[遅い!]


男は迫り来る炎魔法を避けたり拳で破壊したりしながら、距離を詰める。


[はぁっ!]


[掴むに足らん!]


レオの剣での連続攻撃も軽々避けて、背後に回り込む。


[せいやぁ!]


[ぐっ!?]


振り返ったレオの腹に、強烈な魔力撃が入る。


[......ちっ、やるじゃねえか。]


凄い魔力耐久力、あの一撃をもろにくらって立っていられるなんて。


[ほぅ、今のを耐えるか。]


[堅さにはちょいと自信があるんでね。]


だが、それでもダメージが入らない訳じゃない、相手は今ので息を切らしている様子は無い、さっきのを何度も受ければ幾らなんでも耐えられない。


[そうか。しかし、お前では私相手に時間稼ぎは出来ても、勝つ事は到底不可能なのではないかな?]


レオは表情を変えずに言う。


[どうだろうな、だけど、こっちも流石に本気で行かせてもらうぜ!]


レオは両手剣を構えると、元素を体の四肢に集約させていく。


[固有魔法・グランドバーサーカー!]


そして、最後に体の芯の部分に魔力が集約しきる。


[成る程、空気中の元素を自身に集約させて、運動能力のレベルその物をあげる魔法か。]


軽々しく相手は言うが、実際にそれはそんなに簡単な事じゃない、空気中の元素は魔力の様に安易に認識出来るものでは無く、認識し、操作するには非常に繊細な神経と技術が必要となる、それこそ才能レベルの......


[さぁ、第2ラウンドと行こうか。]


レオはそう言うと、足元に魔方陣を生成する。


[良かろう、中々に楽しめそうな余興だ。]


今レオが使用したのは、魔法の固定化魔法だ、発動した魔法を持続して一定時間発動させ続けると言う物だ、レオの場合は、使用したグランドバーサーカーの体力消費を少しでも押さえるためだろう、グランドバーサーカーの術式の一部分を固定化しておけば、途中操作もしやすい為、中々に良い応用だ。


[行くぞ!]


[こい!]

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