3章[王都学園]第8話
[それで、組み方はどうする?]
今俺達はメンバーの三枠目、要するに控えを決めていた。
[控えは一見地味なように見えますが、恐らく正確に捉えるならば片方が倒された時の奥の手だと私は思います。]
ユリカゼが意見を述べた。
[実際そうなんだろうね、じゃあもう自然に決まってくるよね......]
ユリカゼとステラが同時に俺を見る。
[わかった、じゃあ控えは俺で先方はユリカゼとステラで良いんだな?]
[勿論。]
[異論無しです。]
全員の意見が一致する。
[連携に関しては練習するまでもないな?]
[当たり前です。]
[今更だよ。]
どちらも強気だ、そう、俺達は一ヶ月間毎日の様に旅の途中魔物と戦ってた、連携の精練度は極めて高いと全員自負している。
[そうか、まあメンバーがステラとユリカゼだから俺が出る幕は無いかもな。]
[ですが油断も出来ません、相手には恐らく破壊者も出てくるでしょうから。]
[破壊者?]
[はい、私も聞いたことしかないのですが、第二学園の第一位がそう言われているらしいです。]
[セインちゃんとは、どれくらいの実力差なのかな。]
ユリカゼは少し考え込む。
[せめて、私とトントン位だとは思いたいですが。]
いやユリカゼとトントン位の奴も、出来れば来てほしくない。
[まあ私達のどちらがが負けても、こちらには、あの黒神の剣聖と互角に渡り合った剣士が居るので問題ないでしょう。]
[それもそうね。]
冗談にもならないことを言わないで欲しい。
[まあ、二人が同時に掛かっていって、まともに押されるとは思えないけどな......]
正直そんな状況は考えたくない。
[とりあえず、今日は解散だな。]
[そうですね、あまり遅くまで集まっていても寮監に怒られていますし。]
そして全員学内カフェを後にする。
[クロトくん、それじゃあまた明日。]
[おう。]
そうして俺達はそれぞれ男子寮と女子寮に戻った。
カチンカチンと朝の試合場に剣と剣がぶつかり合う音が響く。
[まだまだ遅いぞ、ユリカゼくん!]
[はい!]
ユリカゼの剣速が上がる。
[カザヤくんはもっと相手の動きを先まで読むんだ!]
[くっ!]
俺は、目の前で俺とユリカゼの剣をひたすらいなし続けている剣聖の動きを、更にを予測する。
[[はぁっ!]]
ユリカゼと俺は同時に左右から剣を叩き込む。
[ぐっ!]
剣聖は、俺達の斬撃を受け止めて振り払う、瞬間に俺達の背後から複数の光の矢が飛翔する。
[成る程、だが!]
男は問答無用に矢を全て切り落とす。
[ふん。]
今は来るべき学園祭に向けて最終調整を行っている、調整内容は黒神の剣聖に対して、三人係で掛かっていくことだ。
[やはりやりますね。]
[ああ。]
俺とユリカゼが剣を構え直すと男が止める。
[今日はここまでだ、流石に君達三人を相手に私一人では3戦が限界だ。]
[そうですか、ありがとうございました。]
ユリカゼも無言で頷く。
[まさか、全部打ち落とすなんて思いもしなかったですよ。]
ステラが後ろから歩いてくる。
[タイミングは完璧だったが、君の矢は軌道がいつもの最善の手を取っているから意外と分かりやすいのだよ。]
[そう、ですか。]
少しステラは考え込む。
[対人戦において大事なのは如何に相手を欺くかだ、そう言う意味での駆け引きはこの先も必要になるだろう、これは今回の課題だな。]
的確だ。この男は、王国の騎士団の団長として騎士学校の指導役もやっている為に、ここまで指導者としての能力が高いのだろう。
[君達は能力面においてはこの学園では無類の強さを誇るやも知れんが、駆け引きにおいてもそうとは限らん、カザヤくんは駆け引きにおいても覚えがあるようだが、誰か師にあたる人でもいたのか?]
剣聖が俺に対して質問する。
[はい、一様俺は祖父に武術の基本を教わりました。]
[ほう、その年でここまでの出来だ。どんな指導者なのか気になるところだな。]
まあ、俺は異世界人だから会うのは不可能なんだけどな。
[そろそろ、学園祭も間近に迫ってきたが手応えはどうだ?]
ユリカゼが先に答える。
[手応えは勿論あります。前まではここまでの勝負は出来ませんでしたから。]
[ステラくんはどうだ?]
[私も、手の内が増えたと思います。]
俺は......
[カザヤくんは......聞くまでもないか。]
[いや、その......]
何も掴めたものが無かったなんて言えない、何か......
[良いのだよ、私の教えでは君を更に強くすることは出来なかった。私が出来たことは精々太刀筋とアドバイス位だ。]
それから俺達は各々解散して寮に戻った。
ご愛読ありがとうございます!
連携の練習してるじゃねえかとか言う突っ込みはご勘弁です。
今回も投稿遅くなってすみませんでした。
少しリアルの方が立て込んでて書いてる暇がありませんでした。
今度からは書き溜めておくので、今回のような事態にならないように気を付けます。




