3章[王都学園]第2話
[皆さん再来週には王都の誇る、フローゼル学園祭です。]
は?学園祭?
[そこで、前にクラスで決定したメイドカフェについて話し合い、来週までにこの紙に必須項目を記入して代表者に提出させること。]
[先生、代表者は誰にするのですか? ユリカゼが帰ってきたことだしユリカゼにやってもらうのか?]
まあ、当然の質問だ。
[いい質問だレオくん、そこはユリカゼくんと前まで代表者を勤めていたレオくんで話し合って決めてほしい。]
[了解っす。]
[わかりました。]
そこからは特に目立ったこともなく解散となった。
[あっ、お疲れ様ステラ。]
[お疲れ様。]
ステラ・フェイトギア、俺が異世界に来るきっかけとなった人物で、俺が絶対に守り抜くと心に決めた人だ。
[ステラ、もう皆解散したから先生が勝手にかえっていいっらしいぜ。]
[そう、なら一緒に寮まで帰ろっか。]
[ああ。]
そう、住む家が王都に無い俺達は学園の寮でお世話になっている。
[そう言えば今日からクロトくんは自分の部屋よね。]
[まあな。]
そう、俺の場合死神との戦いの反動で2週間動けなかったり、していたためその間部屋に入れなかった上に俺の入る筈だった部屋の壁が壊れたりとしていたらしく今日の今日までステラの部屋で寝ていた。
[あっ、着いたね、それじゃあ私こっちだから。]
[おう、また明日。]
ステラは女子の寮まで歩いていった。
[確か俺の部屋は......]
俺は学園側から指定されていた部屋を探す。
[ここか......]
俺は早速部屋に入った。
[お邪魔します。]
俺は何を言っているんだろう。
[おう、クロトだったのか俺の相部屋になる奴って。]
部屋に入った俺に喋りかけてきたのは、レオだった。
[それはこっちの台詞だよレオ、まあ内心他の奴だとうまくやれる気がしないから、偶然に感謝だよ。]
そう言って俺はもう片方のベットに横になる。
[このまま寝たいよ。]
正直ユリカゼと戦ったときの疲れが未だに残っている。
[夜飯までには起きろよ。]
このまま寝ると起きれなそうなのでベットから起き上がる。
[剣の手入れでもするか。]
俺の剣は神具だから折れることも刃こぼれすることもまずないが、一様暇な夜は毎日布で磨いている。
[そう言えばお前の剣、すごい業物だよな?]
[まあな......]
透き通るような刀身を見てレオが呟く。
[ああ、そう言えばクロトは聞いたか、反フローゼル派の事。]
[反フローゼル派?]
俺は剣の手入れを中断して話を聞く。
[俺も詳しくは知らないんだけどよ、フローゼル王に反対する組織が何か王都で犯罪行為を重ねているらしいぜ、この町じゃ結構有名な話だから気になったら調べればもっと詳しいことも分かる筈だぜ。]
[まあ気が向いたら調べてみるよ。]
[とっ、そろそろ夕飯の時間だな。]
[みたいだなそれじゃあ行くか。]
そう言って俺は剣を鞘に納めて置いておくと、部屋を後にした。
[朝か......]
見たところレオはまだ寝ている。
[よし、行くか。]
俺は支度をして部屋を出た。
[うん、やっぱり朝の空気は澄んでて良いな。]
俺は先日決めたルートを走り出す。
旅の途中は村の外周を走るくらいでちゃんとしたルートを決めていなかったので、今日からやっと決めたルートをでジョギングをこなせと言うわけだ。
[そう言えば、こうやって石材で舗装された道を走るのは久しぶりだな。]
それこそ向こうの世界にいたとき以来だ。
[水都にいたときは、朝ジョギングする暇も無かったからな。]
俺に一日中歩いても疲れこそすれ、まだ余裕を持てているのは向こうの世界にいた時に鍛えまくっていたからだろう。
[ん?あれは......]
俺は基本学園の敷地内をルートにしている、と言っても学園の敷地はバカ広い王都の4分の1を占めるほどに広いので、ジョギングのルート程度なら全く困らない。
[おはよう。]
少し前を走っていたのは、特徴的な銀髪を肩より下まで伸ばした少女だった。
[あ、クロトくんおはよう、君も朝のジョギング?]
[まあな、こればっかりは向こうの世界にいた時と代わらず続けていることだからな。]
[へえ、結構豆なんだね。]
[朝のジョギングを続けているだけで、豆と言うのは些か早急だと思うけどな。]
[ありゃ、これは一本取られたね。]
そんな他愛もない事を話しながら俺達はジョギングを続ける。
[......ステラ、気付いてるか?]
ある角を曲がったところで俺はステラに問う。
[うん、誰かに浸けられるね、少し前から......]
[ん?どんどん気配がこっちに近づいて来て......]
すると次の瞬間......
[......!?ステラ!]
[わかってる!]
俺達は左右に飛んだ、俺達が元々いた場所には後ろから気配を隠して飛びかかってきた男の拳によってクレーターが出来ていた。
[くっ!]
なんつう威力の拳だよ!?
[遂に姿を現したな、黒服やろう!!]
そう、俺達に後ろから攻撃を仕掛けてきたのは向こうの世界で散々俺達を追い詰めてくれた黒服の男だ。
[......]
男は無言だ、ある一言を覗いて。
[ステラ・フェイトギアを確認、これより武力の行使により強制回収する。]
そう言った瞬間男の魔力が爆発的に上がる。
[成る程ね、今回は本気で来るって言うわけ。]
ステラは弓を光と共に呼び出すと、後方に飛びす去る。
[前衛は任せたよ!]
俺も覚醒者を発動させながら剣を抜刀した。
[了解!]
男も構えを取る。
[あの時よりは多少は強くなったって所を見せてやるよ!]
俺も構えを取る。
[ふん!]
[せい!]
俺は男の拳を交わしたり受け止めたりしながらカウンターをかます。
[ぬるい!]
男が俺のカウンターを受け止めると拳を振り上げる。
[ぬるいのはそっちだぜ!]
俺は男の肩を踏み台に高く飛び上がる。
[逃が......ぐあぁ!]
俺を追いかけようと跳躍しようとした男に光の弓矢が複数命中する。
一対一なら今のは愚作かもしれないが、二対一なら相手の隙を作る良策に変わる。
[これでも旅の途中での魔物戦では結構連携していたもんでね、付け焼き刃の編成だとは思わないこと。]
すると男は俺へのロックオンを外しステラに狙いを定める。
[おっと。]
男の神速の拳をステラは軽々といなす。
[ふん!]
いなされた方の反対側の拳で連撃に移ろうとするが。
[遅いよ!]
至近距離からステラの放った矢が炸裂する。
[ぐっ!?]
ステラは男と距離を取る。
[どうする?もうお前に勝ち目は無いと思うぜ。]
正直一人でも負ける気はしない、こんな奴はユリカゼや死神に比べれば全く持って話しにならないレベルだ。
[お前は確かに強いけど俺はこの世界に来て色んな奴と戦ってきたんだ、もうお前は俺達には勝てないぜ!]
すると男が口を開く。
[不足の事態が発生した、これより撤退し体制を立て直す。]
男は瞬間に遠方に飛び去った。
[追いかけなくていいの?]
既に弓を直したステラが疑問を投げ掛けてくる。
[ああ、ステラを狙っている首謀者に俺達を警戒してもらう必要がある、学園の方に手を出されても困るしな。]
[それも、そうね......とりあえず寮に戻りましょうか、そろそろ登校する時間だし。]
[そうだな、それじゃあ戻るか。]
俺は剣を帯刀する。
[まあ......この程度で手を引くとは思っていないけどな......]
[ん?どうかしたの?]
[いや、それより早く戻ろうぜ。]
[うん。]
俺達は寮に向かって歩き出した。




