3章[王都学園]第1話
遂に王都学園編の始動です!
教室に学校特有のチャイムの音が鳴り響く。
教室のドアが開く音。
[はい、皆さん席に座ってください、授業を始めます。]
今日も授業が始まる。
パクパク......
一か月前の死神騒動、あれから俺は二週間程休みを貰い先伸ばしになっていた学校に通ってる。
[ようクロト、隣良いか?]
茶髪の俺より少し背の高い男子生徒が声を掛けてくる。
[......どうぞ。]
別段拒む理由も無いので了承する。
[サンキュ、それじゃあ失礼するぜ。]
難いはそこそこ良い、多分日頃から鍛えているんだろう。
[......あんた確か同じクラスの]
俺から声をかけた。
[おう!俺はレオ・クロスボーンだ、確かこうやって話すのは初めてだったよな?]
[ああ......]
[そうかなら、改めてよろしくな!]
[ああ......]
どうやら悪意のある奴じゃなさそうだ、単に少し暑苦しいだけか。
[そういやクロトは次の実技演習の授業何を選ぶんだ?]
実技演習、確か魔術・剣術・総合の三つの科目に別れて行う授業だったけな。
[一様剣術......]
上達という面では魔法でも良いのだが、初めは無難なのを選んだ方が良いだろう。
[そうか、俺も剣術の授業を受けるんだ、お互い頑張ろうな。]
[ああ。]
馴れればこう言う奴といるのも楽しくなるのだろう、悪い奴でも無さそうだから仲良くしておいたら学園生活も楽しくなるだろう。
[ん?]
レオが手を差し出してきた。
俺はとりあえず握手に応じる。
[ん......]
手を取った瞬間に気付いた、剣使い独特の固さだ。
[お前、両手の大型剣使いか?]
[おうよく見破ったな、そうだぜ。]
やっぱりか......
通常の直剣使いならこんなに固くない、手を握れば直ぐに分かった。
[そう言うお前は直剣使いだな?]
[正解だ。]
俺とレオは口元を緩めた。
[お前とは気が合いそうだよ。]
[俺もだクロト。]
こうして学園生活開始初の友人が出来た。
[ういぃ、やっぱりユリカゼは強いな。]
今俺たちは演習室にて剣術の模擬試合を行っているのだが......
[まあ、あれはもう異次元レベルだもんな。]
俺とレオに限っては上の席から模擬試合を見守っている、そう、今向かってくる生徒達をこてんぱんにしているのが俺の仲間であり、俺がこの学園に通うきっかけになった人の一人、ユリカゼ・セインだ。
[お前はやらないのか、レオ?]
[俺も、少しは自信があるけどあれが相手じゃ秒殺だよ。]
そう、俺達はユリカゼと戦うのを避けるために前もって席に居るのだ。
[おいクロト、そう言えばさっきからユリカゼ何かキョロキョロしてねぇか?]
[うっ......]
すまんユリカゼ許せ。
[さあな、誰か探しているんじゃねえのか。]
瞬間ユリカゼと俺の目がピタリとあった。
[......すまんレオ、俺少しトイレ行ってくる。]
[おう。]
俺が立ち上がった瞬間。
[クロトさぁーん、私と試合しましょうよ!]
ああ、終わったまた半殺しにされる。
俺はあの地獄のような稽古の日々以来ユリカゼとの模擬試合がトラウマなのだ。
[おいクロト、指名してるみたいだぜ、行ってきたらどうだ?]
レオがにやつきながら言う。
[ああもう分かったよ、やろう覚えてろよ......]
[ほら、早く行ってこいって。]
[へいへい。]
そう言って俺は一階の試合場に向かう。
[来たぜユリカゼ。]
[待っていましたよクロトさん、さあ早速始めましょう。]
[おう!]
いつまでも意識していても仕方が無いので、気持ちを入れ換えて剣を構える。
[それでは......はじめです!]
俺とユリカゼはほぼ同時に走り出した、もちろんユリカゼの方が早いが覚醒者を使うのは模擬戦では控えているため使わない。
[せい!]
[やあ!]
俺はユリカゼの刀を真っ正面から受け止める。
[結構反応するようになったじゃないですか。]
[まあな!]
動体視力と反射速度は事態は覚醒者を使っている内に自然と精錬されていった。
[今回こそ覚醒者の力無しで一本取ってやるよ!]
制止状態の剣を払って斜め上段からの降り下ろしから切り払いに繋げる。
[流石にやりますね!]
それに相対するように切り払いを跳躍で回避して空中からの降り下ろし。
[はぁ!]
[せい!]
俺は降り下ろされた刀を弾いて斜め下段から振り上げて対空攻撃技を仕掛ける。
ユリカゼは振り上げられる剣を、弾かれた反動を利用して上段からの叩き返す。
[ふぅ。]
ユリカゼは地面に足が着くのと同時に距離を取る。
[......全力でやってくれませんか?]
唐突な要求だった。
[どうしてだ?]
意味を分かった上でそう返す。
[そうですね、あなたが純粋な素の能力で私と戦いたいと言うように私も能力ありきの本気でぶつかりたいんだと思います。]
ユリカゼは恐らく覚醒者の力を使って欲しいんだろう。
[分かった。]
[結構あっさり了承してくれますね。]
[別に断る理由も無いしな。]
[感謝します。]
瞬間ユリカゼ雰囲気が一気に研ぎ澄まされ、周りに青色の粒子が飛散する。
[なに、俺も久しぶりにお前と全力でやりたかったんだよ。]
俺も覚醒者を全力で行使する、剣にも比べ物にならない魔力を込める。
[いざ...]
[尋常に...]
[[勝負!]]
一進一退の攻防、お互いに隙を見せない技と技。
[はぁ!]
俺が一段と力を込めた斬撃を放つ。
[ふぅ!]
剣と剣同士がぶつかり合い甲高い金属音を鳴らす、レオを除く観戦している生徒の殆どが耳を押さえている。
間髪入れずに弾きの体勢に入り飛んでくるユリカゼの斬撃を勢いよく切り上げる、そして剣に込めていた魔力をさらに高める。
[はぁぁ!]
輝く剣の斬撃は加速し速度重さともに爆発する。
ユリカゼは弾ける状況じゃない、抜ける!
連続の斬撃を全ての受け流される。
[何!?]
なんつう反応速度だよ、うすうす予想してたけど技の出来が違いすぎる。
[ぐあっ!]
俺は蹴り技をまともに入れられて吹き飛ばされる。
[痛て......]
何とか受け身を取れたが、もろに壁に激突したので体が軋む。
[ふぅ。]
ユリカゼは追撃に移ろうとしている。
[あれをやるか。]
一気に間合いを積めたユリカゼの刀が俺の剣とぶつかり合う、そしてユリカゼは神速の連続剣を放ってくる。
俺はそれを避けたり弾いたりしながら回避する。
[ふぅ......この技を完璧に受けきったのはクロトさんが初めてですよ。]
距離を取ったユリカゼが言葉を発する。
[そうかい、なら俺が今から使う技も是非とも防ぎきって欲しいもんだよ。]
未完成の技だがやれるか、いややるんだ!
俺は走り出す、そして剣を握っていない方の手に魔力を集約させる、そして形にする。
[これが俺の奥の手のひとつだ!]
手にはさっきまではなかった青い半透明な微量に粒子を放つルミナスと酷似する剣が握られていた。
[はぁ!]
そしてユリカゼ目掛けてその剣を投げる。
[奇策は奇策です!]
投げられた剣を打ち落とすだが......
[狙い通りだ!]
俺は剣を切り上げて剣を受け止めた空中に飛ばす。
[空中じゃこの技は避けられないぜ!]
一瞬にしてユリカゼの真上に移動した俺は徒手術を放つ。
[行けぇぇ!]
指を掻爪の様にしてユリカゼの肺の辺りに打ち込む。
ユリカゼはそのまま地面に叩きつけられる。
[くはっ!]
ユリカゼの肺の空気が一気に抜ける。
俺はそのまま立ち上がる。
[大丈夫か、ユリカゼ?]
[うぅ...大丈夫です...]
どうやらダメージはそこまで大きくなかったようだ。
[ほら、手貸すぞ。]
[ありがとうございました。]
俺の手に捕まってユリカゼが立ち上がる。
[やっぱり全力の勝負じゃどうやっても勝てませんね。]
何故かユリカゼは清々しい様な顔をしていた。
[ユリカゼだって途中まで俺を余裕でいなしてくれた癖に、よく言うぜ。]
[皮肉のつもりですか?]
[いや、誉め言葉として受け取ってくれると助かる。]
余り茶化すのも良くないな。
[とりあえず俺はそろそろ着替えてくる、大分汚れちまったしな。]
[そうですね、それではまた後で。]
[ああ、また後で。]
そう言い交わして俺達は別々の方向にある更衣室に歩いて行く。
[よお、お疲れ様。]
更衣室で着替えていると既に着替え終わったレオが話しかけてきた。
[ああ、マジで今回ばっかりマジで疲れたよ、本当に終局種何て目じゃないぜ。]
[お前がそう言うなら実際そうなんだろうさ、それにしてもあの無敗の生徒会長に勝っちまうとはなぁ、俺なんて一矢報いた事すらないのによ。]
まあそりゃそうだろうな、あの強さはまず普通に優秀なだけで相手出来る次元じゃないし、あの冷静さを失わない正確な技は覚醒者をどう応用しようとまず真似するのは不可能だ。
[ひとつ聞きたいことがあるんだけど良いか?]
[何だ。]
[この学園には強さの序列があるって聞いたんどけど、ユリカゼが一位だって言うのは知っているんだけどレオはどれくらいなんだ?]
率直な疑問だった、レオが相手じゃなければまず聞かないことだ。
[俺か、俺は三位だけど。]
[そうか、三位か...って、ええ!?]
耳を疑った。
[お前そんな上の奴だったのか!?]
[いやまあ、ただなり行きでなっただけなんだけなんだけどなぁ、強さには多少の自信はあるが。]
[ああでも三位だからって言って無理に気を使うのは勘弁だぜ。]
[いやそれは絶対にない。]
俺は真顔で答えた。
[即答かよ!?まあお前がそう言う奴じゃなかったらここまで仲良くも出来なかったかもな。]
[かもな。]
それに関しては激しく同意だ、俺は神経質な奴よりも気楽な奴と付き合いたいと思っている。
[よしそれじゃあ行くか。]
[そうだな。]
俺の更衣も終わり、教室に向かった。
ご愛読ありがとうございました!




