2章[異世界の探求]第15話
現在地:王都フローゼル
今俺達は馬車から降りて王都の街中を歩いている。
[王都もなかなかの町並みだな。]
俺は歩きながら街を見た感想を述べた。
[広さ自体は水都よりも大きいんだよ。]
[へぇ、水都は全部を回ることは事は出来なかったけど、今回は全部回ってみたいかもな。]
[次の目的が決まるまでは王都に滞在して、観光を楽しむのも良いかもしれませんね。]
暫くの間は時間に余裕が持てそうなので、ユリカゼの用事が終わったら皆で観光を楽しむのも良いかもしれない。
[着きました、ここが目的の場所です。]
そう言われて俺はユリカゼが示す建物を見上げた。
[ここ、フローゼル魔法学園だよね?ここが言ってた用事の場所なの?]
ステラが尋ねた。
[はい、正確にはここの学園長に、ですが。]
[え?良く状況が掴め無いんだけど......]
俺が疑問を述べた時には既に事は進んでいた。
[許可は取ってきたので、入りましょうか。]
[そうね、ほら早く行くよ、クロトくん。]
[え!?いやちょっと待って、て言うか俺の疑問への返答は!?]
俺はそんな事を言いながら二人に着いていった。
[......]
[......]
[......]
[......]
え?なにこの空気?
[ユリカゼ......]
[はい。]
何このおっさん超怖いんですけど!
[この学園を退学したいと言うのは真か?]
[はい。]
俺とステラは黙ったまま話を見届けた。
[......さようか。]
すると次の瞬間、学園長のおっさんが驚くべき行動に出た。
[ユリカゼ......頼むから!後一年だけで良いから、この学園居てくれ頼む!]
え?
[いや、ですから......]
[分かっておる、この者達と冒険者として活動して行きたいのじゃろう?じゃがわしとてこの学園の威厳を守り続けていかねばならない。]
[はぁ......状況はわかりますが、無理なものは無理です。]
[ああ、わかっている。だが、どうしても君の代わりを出来る者だけは、この学園には居らんのだ。]
成る程、それに関しては俺も理解できる。この学園は、恐らく他の学園と何かしらの競争みたいな事を行っている状況で、それの為に優秀なユリカゼが必要だと言う事だろう。
[......少しこの二人と話して良いですか?]
[勿論だ。]
するとユリカゼは俺達の方を向いて可及的速やかに一つの案を出してきた。
[クロトさんステラさん......あなた方は......]
[え?今なんて。]
[ですから、この学園に一年の間だけ通ってみる気はありませんか?]
俺は今宿屋のテラスで今日の提案について考えていた。
[学校か......]
正直嫌では無い......だが。
[ステラが嫌だって言ったら、俺は......]
............。
[私がどうかしたのかな?]
[......!]
銀髪の少女がテラスの入口から出てくる。
[......あの時、直ぐにセインちゃんに返答を返さなかったの、私に気を使ったんだよね?]
[それは......]
確かに、その通りかもしれない。
[......私は学園通ってみるのも悪くないかもって、おもってるんだけどなぁ。]
此方に視線を向けながら、思案する仕草をとって、ステラは俺の横に立った。
[......]
俺は決めた。
[ユリカゼ、昨日の申し出、受けることにするよ。]
[そうですか!わかりました、学園長には私から明日までに話を通しておきます。明日の6時に学園の方に来てくれますか?]
[わかった、それじゃあおやすみ。]
[はい、お休みなさい。]
そう言い交わして俺は部屋に戻った。
[それにしてもすごい敷地の広さだな。]
俺は廊下を歩きながら感想を呟いていた。
[意外と似合ってるね、制服。]
ユリカゼと同じ制服を着たステラが話しかけてきた。
[ステラ程じゃないけどな。]
[おっ、ここが職員室みたいだな。]
[そうね、とりあえず入りましょうか。]
そう言ってステラはドアを三回ノックした。
[失礼します。]
職員室に入ると、真ん中の方のデスクに座っていた男が立ち上がって歩いてきた。
[私が君達の入るSクラスの担当をしている、フレア・レイドだ。]
[俺はカザヤ・クロトです。]
[私がステラ・フェイトギアです。]
[ステラくんとカザヤくんか、学園長から話は聞いている、とりあえず教室へ......]
言葉を続けようとした瞬間だった。
[なっ!?]
今までに感じた事の無い重圧だった。
[ぐっ、この重圧は......]
教師の方はこの重圧の正体に気付いたようだ。
[フレア先生、これが何か知っているんですか?]
そうこうしている間に俺達にのし掛かっていた重圧が解けた。
[くっ、まさかあいつが現れるとは......]
[何か知っているんですね?]
ステラが尋ねた。
[......こんな重圧を放てるのは、奴しか居ない......]
次にこう言った。
[終局種、恐らく死神だ。]
[終...局...種?]
それを聞いたステラが青ざめた顔でそう呟いた。




