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運命を背負った少女と最強の守護者  作者: 英雄王ヨカ
2章[異世界の探求]
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2章[異世界の探求]第11話

俺は一歩踏み出し、ユリカゼとの距離を縮める。


[もう来ないで......]


[うおぉぉぉ!]


俺が後一歩と言う所まで来た時だった。


[うわぁぁぁ!]


ユリカゼは刀でまた、俺の脇腹を突き刺した。


[ぐはっ!!]


俺は吐血した、二度目の串刺しに体が耐え切れなかったのだ。


[うっ......]


俺の体は後方に傾いた。


[まだ......だ。]


そんな負け惜しみを呟いて俺の意思は体ともに地に落ちた。


[はっ!クロトさん!]


ユリカゼの声が聞こえる。


[ぅ......]


すまない、そんな言葉が頭の中で反響する様に流れる。

あんな事を言っておいて結局この様かよ、情けない、俺は結局嘘を大声でほざいただけの屑やろうじゃないか、

ユリカゼは俺を呆然と見ている。

俺の剣は、意思は、こんな所で折れてしまうのか?

心臓は未だに俺を眠らせまいとうるさく脈打っている、お前の意思は折れても、体はまだ生きているぞと言わんばかりに......


[......]


気がついたら俺は立ち上がっていた、勿論既に意識は限界を迎えていた、だが俺の剣はまだ折れてはおらず俺に敗北を許さなかった。


[なんで、ですか......]


ユリカゼは目を潤ませて言った、だがその言葉は俺の耳には届いても既に認識する事は難しかった。


[......。]


俺は無言で歩き出した。


[いや、いや......]


ユリカゼは動かない、刀もいつの間にか地面に落ちていた。


[......]


そして俺とユリカゼの距離が数センチの所まで来た時だった。


[......えっ?]


俺はユリカゼに倒れ掛かった、ユリカゼは何とか倒れる俺を受け止めた。


[俺の負けだ......]


俺はユリカゼの耳元でそう呟くと、

完全に意識を手放した。




[クロトくん!クロトくん!]


ステラの声が聞こえる。


[うぅ......]


そうか、俺は負けたのか。


[ステラ......]


[クロトくん、良かった目を覚ました。]


ステラのこの安心のしようからして、俺は相当に危ない状態だったのだろう。


[痛って!]


体を少しでも動かそうとすると耐え難い痛みが全身を駆け巡る。


[大丈夫!?]


思い出した、俺は確か覚醒者を解除してユリカゼに挑んだらボコボコにされて。


[......セインちゃんがここまで運んで来てくれたんだよ。]


痛みのあまり気付かなかったが、俺が寝ているのは宿屋のベットだ。


[......ユリカゼ。]


悔しいなんて物じゃなかった、何であそこで折れてしまったのだと、何故もっと立っていられなかったんだ?全て負け犬の遠吠えだ。


勢い良く部屋の扉の開く音がした。


[ステラさん!回復薬買って来ました!]


部屋に勢い良く入って来たのは予想外な事にユリカゼだった。


[ユリカゼ、何で......]


俺の第一声は驚きの声だった。


[クロトさん、目を覚ましたのですか!]


ステラは目にも止まらぬ速さで駆け寄ってきた。


[ああ、お陰様でな。]


[良かったです。クロトさんに何かあったらどうしようかと......]


ユリカゼは安心仕切った表情で胸を撫で下ろした。


[......それで、何で此処に戻ってきてくれたんだ?]


俺は情けない事に負けた、だから正直戻ってきてくれると思っていなかった。


[え?]


ユリカゼの方もこれまた少し硬直した。


[ん?]


何故固まっているんだ?


[はぁ、それよりクロトくん、セインちゃんに言いたい事があったんじゃないの?]


[私に、言いたい事ですか?]


そうだ、肝心な事を忘れていた。


[ああ、言いたい事と言うより、頼み事って言った方が正しいかな、とにかく聞いて欲しい。]


負けた奴の言える様な事じゃ無いのはわかっている、だけど......


[ユリカゼ、俺達の旅に着いて来てはくれないか?]


[旅...ですか?]


[我が儘なのは分かってる、だけどこれが俺の意思であり頼みなんだ。]


ユリカゼは少し考え込んだ。



元からどんな頼みでも聞くつもりだったけど、まさかそんな頼みだったなんて......だけどひとまずは。


[良いですよ。]


クロトさんは驚いた様な表情をした。


[良いのか!?本当に?]


[但し、一つ条件があります。]


[条件?]


[はい。]


条件はただ一つ。


[私を貴方の従者にして欲しいのです。]


従者とは、主人に付き従う秘書の様な者だ、これが私の覚悟、従者というのは、主人を何よりも優先していざという時には自分すら犠牲にする権利が与えられる特別職だ。


[従者?]


私はあの時、ボロボロになっても立ち上がるこの人の姿を見た時、正直言って分からなかった、何故何度倒れても立ち上がれるのだと、だが答えは簡単だった、この人の絶対的な意思は

私なんかが疑って良い物じゃないと、気安く図って良い物じゃないと、そう感じさせる程の物を感じた瞬間から私は、この人に、死んでも着いて行きたいとそう思わされたんだ。


[はい、奴隷の様に魔法をかけて従わせる物ではありません、ご不満があるなら奴隷魔法をかける事も了承しますが。]




ユリカゼは驚くべき提案をして来た。


[......それは出来ない。]


[どうしてですか?]


[そんなの決まってるだろう、君の覚悟を無駄にするみたいだけど、君はもう主従関係何て組まない方が良い、俺は君の思うほど良い奴じゃないんだよ、だから君の条件は飲め無い。]


俺はそれ以外の答えを持っていなかった、全く滑稽な話だ、自分の無責任さを公言しているかの様だ。


[......少しは私の事も信じてくださいよ。]


ユリカゼの本気とも取れる言葉。


[何故、ですか......]


[クロトくん、もう良いじゃない。]


そこで、ずっと見守る立場に甘んじていたステラが口を開いた。


[良いって、そんな......]


[クロトくんは責任感が強すぎるから、またセインちゃんを傷つけてしまうんじゃないのかって思ってるんでしょ?]


ステラは全くずれる事なく俺の心情を当てて見せた。


[クロトくんは人の幸せを願いすぎ、幸せって言うのは人に決められて成り立つ物じゃないって言ったのは君じゃない?だったらセインちゃんに取っての幸せが何なのかもう少し位考えてあげようよ。]


ユリカゼに取っての幸せ......


[すまなかったユリカゼ、やっぱり条件は飲ませてもらうよ。]



[本当ですか?]


[ああ、俺は君の事を考える振りをして自分の事しか考えてなかった、もしそれが将来君に取っての幸せに繋がるかもしれないなら、喜んで協力させて欲しい。]


[ありがとうございます!不束物ですがよろしくお願いします。]


[いやそれもっと違う状況で使う言葉だから!]


[これから楽しくなりそうだね。]


[ああ、全くだよ。]

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