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運命を背負った少女と最強の守護者  作者: 英雄王ヨカ
2章[異世界の探求]
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2章[異世界の探求]第10話(折れぬ意思)

俺は一人部屋に取り残されていた。

いや、自分から残ったと言うのが正しい表現の仕方だろう、俺にはあの時追いかける選択肢だってあった、だけどそれをしなかったのは俺自身に覚悟が無かったから、彼女を止めると言う覚悟が無かったから、結局彼女を受け入れる事を少しでも躊躇ってしまったから。


[俺は、最低な人間だな......]


部屋のドアが開く音がした。


[追いかけないの?]


声の主はステラだった。


[俺には彼女を追いかける権利も止める権利も無いよ......]


するとステラは一瞬沈黙すると俺にこう言った。


[今更何言ってるの、行かないとクロトくん、絶対後悔するよ。この先。]


[だけどどんな顔して止めれば良いんだよ、俺は彼女を救えたと勝手に思い上がって、彼女の事なんて全く考えて無かったんだよ、その無責任の結果がこれだ]


俺は何も出来やしなかった、適当な事をして苦しみを与えただけだ。


[かもしれないね、なら償わなくちゃ駄目なのもわかってるよね?]


[......]


俺は黙った。


[だったら追いかけて維持でも引き留めなさい!]


ステラが俺に対して初めて怒鳴り声を上げた。


[ステラ......]


[無責任でも、無理矢理でも、あなたがどうしたいか、そうじゃないの?それが君なりの責任の取り方なんじゃないの?]


[......]


確かに俺はあいつに着いてきて欲しいし仲間になって欲しい、だけどそんな事を望む権利が俺にあるのか?

......いやそうじゃないだろ、今俺に大切なのは迷わない事だ、本気の想いをぶつけなければ相手に伝わる事なんてありはしない、ならば......


[行ってくる。]


[うん。]


俺は急いで宿屋を飛び出す、外には大雨が降っていた。


[此処からならそう遠くへは行っていない筈。]


[はっ、もしかしたら。]


俺はある場所に向かった。



[此処に居たんだな。]


そこは俺とユリカゼが初めて戦った場所だ。


[......追いかけて来ないと思いましたよ。]


彼女は振り返ってこう言った。


[......良いですよ、あなたについていっても、但し.....]


ユリカゼは剣を抜いた。


[貴方の純粋な剣を見せてください。]


[......わかった。]


俺は覚醒者を解除した、そして剣を抜いた。


[もう少しの間だけ、借りますよ。]


元々この剣はあの爺さんに返すつもりだった、今もその意志は変わらない、だけど、もう少しだけ俺に戦う力を貸してくれ。


[......]


[......]


双方しばらくの間沈黙した、雨が肌に当たる度に体温が奪われて行く......


二人はほぼ同時に踏み込んだ。


[くっ!]


勿論ユリカゼの方が何倍も速い、覚醒者を使っていない俺ではユリカゼのスピードをまとも相手する事は出来ない、だが......


[ふぅっ!]


[......!]


俺は目一杯の意思を剣に込めて振り下ろした。

お互いの剣は正面でぶつかり合う。


[はぁぁぁ!]


俺は目一杯の気合いで剣を押し留めている、出ないと簡単に押しきられてしまうからだ、あの時ユリカゼと剣を打ち合わせた時にまともに競り合えたのは、覚醒者によって俺の筋力が桁違いに上がっていたからだ。


[ふぅ......はぁ!]


ユリカゼは表情一つ変えずに俺の剣を捌いて背中に一太刀入れた。


[ぐあ!]


俺はあまりの痛みからそのまま倒れ込んだ。


[くぅ......]


創造を絶する痛みだ、魔法の直撃を受けた時とほぼ同等、或いはそれ以上だ。


[......勝負ありましたね。]


ユリカゼはそのまま俺に背を向けた。


[ぐぅ......]


すぐにでも覚醒者を発動して立ち上がりたい、意識を手放して痛みから逃げたい、そんな感情が俺の中で駆け巡る、だが......


[はあぁぁぁ!]


俺はこんな所で負ける訳には行かない、ここで負けを認めてしまったらなんの意味もない、俺の意思もステラの信頼も、何もかも裏切る事になる、だから立ち上がらねばならない、何があろうと自分の力で、自分の意思で!


[ふぅ......]


俺は何とか立ち上がって剣を構え直した。


[なっ!?]


ユリカゼは驚いた表情で振り返った。


[何驚いてんだ?まだ勝負はこれからだぜ。]


俺の体は既に限界に差し掛かっていた。


[......どうして。]


[ん?]


[どうして立ち上がれるのですか、今の一撃で既に貴方は再起不能の筈、創造を絶する痛みを耐え抜き立ち上がるの事など出来る筈がない。]


ユリカゼは何処か悲しげな表情を浮かべていた。


[それが俺の覚悟だからだ。]


[えっ?]


[勝てなくても、負けると分かっていても、その部分を譲ってしまったら俺はもう戦う事すら、守る事すら出来なくなってしまうからだ。]


[そんなのはただの詭弁です!私はわかりません、あなたをそこまで突き動かす本当の何かが......]


[そうか、なら分かるまで続けるだけさ、それまでなら何度だって立ち上がるだけだ。]


俺はそう言って走り出した。


[そうですか......]


[ぐっ!?]


間合いを詰めて剣を振りかざした俺に強烈な蹴りが炸裂した。


[うっ、はぁ!]


だが俺は怯む事なく剣を振り下ろす。


[無駄です。]


[ぐっ......]


ユリカゼは俺の剣を難なく交わして背後から俺の脇腹を突き刺した。


[ぐ...あ......]


痛みなど当に感じなかった、俺はまた倒れ込んだ。


[......]


ユリカゼは距離を空けて俺を見ている。


[流石に終わりですね。]


意識が遠退いていくのを感じる、徐々に体は冷たくなって行きこのまま死ぬ事を覚悟した時だった。



[(信じてるよ、クロトくん。)]


ステラの声が脳内に浮かんだ。


[まだだ......]


[なっ!?]


ユリカゼが二度目の悲鳴を上げた。


[......まだ終わらねぇぞ。]


俺はふらふらと立ち上がって剣を構え直した。


[もう止めてください!このままじゃあなた、本当に死にますよ!]


ユリカゼが叫んだ。


[......止めない。]


負けたくないから。


[どうして?]


逃げたくないから。


[もう何も諦めたくないからだ!]


俺は目一杯の意思で答えた。


[俺は死なないし折れもしない、絶対に諦めない。]


俺には覚醒者以外の奥の手は存在しない、都合良く目覚める潜在能力など期待していない、俺は自分の意思で、自分の答えで立ち上がる、例え何度と倒れようとも、何度間違えようとも。


[さあ消してみろよユリカゼ、俺の意思をねじ伏せて見せろよ!]


[ぐっ!]


[お前の意思が俺を越えない限り俺をねじ伏せる事は絶対に出来ない!]


俺は踏み出した。

今回は投稿が遅くなってすみませんでした_(..)_

この時点でクロトは、すでに人間やめてますね(;´д`)

今回は僕的に最高に熱くなる展開を書き上げました、今回の10話続き11話が世界の探究編での名所の一つなると思います。

次回でユリカゼ編はひとまずの決着になりますので、次回もご愛読よろしくお願いします!

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