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運命を背負った少女と最強の守護者  作者: 英雄王ヨカ
2章[異世界の探求]
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2章[異世界の探求]第5話

[ねぇ、クロト......]


問いかけては見たが、返事は返ってこなかった、クロトはもう寝たのだろう。


[結局言えなかったな......]


そう、クロトが自分の事を信用すると言ってくれた時から、もう覚悟は決めていた、だがどうしてもあの事を言い出すには、時間も心の準備も足りず、結局1日が終わってしまった。


[もう寝ようかな、明日も早いし......]


そう自分に言い聞かせて、私は眠りについた......


[.....]


朝になったのを感じ取った俺は自然に開いた目の前にある少女の顔に驚きを隠せずにいた。


    数時間前......


[うぅ......]


今の状況を簡潔にまとめると、昨日の晩早く寝すぎて、目が覚めて窓の外を確認しても、まだ外は暗闇が支配していて、まだ当分朝になる気配が無く、私は、もう一度ベットの中に潜ってもう一眠りしようと目を閉じたのだが、覚めきってしまった意識をもう一度落とすのは難しく、一向に眠れる気配がしなかった。


[......寒い。]


一度寝てしまえば少しくらい寒くても問題ないのだが、逆に目が覚めきっている状態で長袖の寝間着一枚の状態で秋の肌寒い夜中にもう一度寝ようとしても眠れる訳もなく、ただ布団にくるまって目を閉じているだけの、退屈な時間が永遠と続くだけ、目を閉じて寝転がっているだけでも疲れはとれると言うが、疲れは取れても退屈な時間が終わる訳ではない。


[......]


私は起き上がってベットから出ると、この肌寒い夜中にタオルケット一枚だけ羽織ってソファーで気持ち良さそうに寝ている一人の少年を見つめると、ソファーの空いている部分に体を滑り込ませて、添い寝をする形で身を少年の方に寄せる。


[暖かい......]


普段自分ならこんなことは絶対にしない、でもこうでもしなければこの先自分の決定的な弱さをこの少年に隠して共に行動するというのは、どんなに重い運命と戦ってきた少女でも無理な話だった、どこかで気づかれるだろうし、どこかで打ち明けねばならないことは少女自身もわかっている、だが、今まで文字通り一人で戦ってきた彼女にとっては、信頼出来る仲間が一人でもできるということは、心の内を明かして楽に成りたいたと思わせるには、充分だった。

だが、まだ明かすわけにはいかない、それを聞いたら必ず彼は助けてくれるのだろうが、それは彼を命の危険にさらす事に他ならない、討伐依頼における命の危険とは比較なら無い程の物だ、いくらCランクレベルの力を有している彼でも限界はある、いつか彼の力を必要としなければならない時は必ずくる、だがそれは今じゃない、まだ彼は力を使いこなせていない、協力してもらうのは、彼が自分の力を完成させるまでは協力をあおぐ訳にはいかない。

そんな事を考えていたときだった......


[......待ってろよステラ......必ずもっと先に行って......お前を守れるようになってやる......]


ただの寝言だった、だが......


[......そう、なら待ってるよ、出来るだけ早く来てね、私の所に......]


そう言った彼女の頬には光る雫が一滴流れていた。


      現在


何で俺の目の前でステラが寝てるんだ!?て言うか顔近!

ステラの寝顔を一時間位間近で見ていたいが、そう言うわけにも行かない、とにかく脱出しなければ。


[ふぅ、今回は何とかなったか......]


今回は彼女が途中で目を覚ますと言う事を無く、無事ソファーから脱出した。


[......はぁ、それにしても何でステラが俺と添い寝してたんだ?]


疑問が絶えないが、とりあえず朝ごはんの時間なので、ステラを起こして宿の食堂に向かう所で、ステラに数回ぶたれた上、正気に戻ったステラにひたすら謝られ続けると言う、騒がしい朝を終えると、俺たちは宿を出る準備をしていた。


[本当にごめんなさい......]


[もういいんだって、ステラも寝ぼけてたんだろ?だったら仕方無いじゃないか。]


さっきからこのやり取りの繰り返しだ。


[あのなぁステラ、君は人には優しいのに自分には厳し過ぎるんだよ、確かに人に優しく出来て自分には厳しく出来るのは立派な事だとは思うけど、君の場合それがたまに傷の時があるんだ、もう少し自分にも優しくした方が良いと俺は思う、そうじゃないと疲れるだけだと思うからだ、確かにこれは俺の持論に過ぎないけど、俺と居るときくらいはもう少し自分本意に振る舞っても良いと思うぞ。]


とは言うものの、俺も人のこと言えるほど立派な人間じゃないんだけどな。


[ありがとう、でも今のままでも私はあなたに充分甘えさせて貰ってる、だから私はこのままでも充分気楽に振る舞わせて貰ってるから、気にしなくても大丈夫よ。]


何だろう、何故かステラがよそよそしい様に見える、気のせいだとは思うけど、何かあったのか?


[なあステラ、何かあったのか?]


とりあえず聞いてみた。


[え?なんで?]


ステラは少し寒かった驚いたような顔をしていた。


[いやさ、いつもと様子が違うなと思ってな、俺の気のせいだったら良いんだ、変なこと聞いてすまん。]


すると、ステラは少し怒った様な顔してこう言った。


[あのねぇクロトくん。]


[はい?]


[この際ハッキリと言っておくけどね、人には放っておいて欲しい時の一つや二つはあるものなの、だから相手から言ってこない時はあまり深入りせずに様子を見て少しずつ、聞いて行くものなの!]


何か妙にステラが熱くなってるな、

俺は知らない内に地雷を踏んでしまっていたらしい。


[すまない、次から気を付けるよ。]


[それなら良いんだけど......]



またやってしまった、クロトに良いところを付かれてついむきになってしまった。


[はぁ。]


今はギルドの依頼を受けるべく掲示板の前に居る。

クロトは今トイレに行っている、その間に受ける依頼を決めておこうと、掲示板の前に立っているのだが。

そしてふと、掲示板の隅っこに目をやったときだった。


[この依頼......]


隅にあって大分見えにくい所にあったが、その依頼用紙を手に取って目を通した。


[レプ森の仮面、レプ森最深部にいるSランク魔獣仮面の鬼霊を討伐せよ。たしかここ、大分前に遺跡が発見された場所だ、たしか森の最深部に一番でかい遺跡があるらしいけど、そこを守る仮面の鬼霊が肝心な遺跡への入口守っていて、調査が断念された場所だ、長い間鬼霊のいる場所への正確なルートが見つからなくて、ギルドも受け付けて無かった依頼だけど、最近になってルートが見つかったみたい......]


私が依頼の内容に夢中になっているその時だった......


[嬢ちゃん、その依頼はやめた方が良いぜ。]


後ろを振り返ると、難いのいい斧の武器を背中に携えた男が喋りかけてきた。


[どういうことですか?]


[ああ、その依頼はなあ、表向きはSランクだとは書かれているが、実際はそれにランクを付けるのだとしたら、Sランク何て言うあまっちょろいもんじゃねえ、それに正確なランクを付けるのだとしたら、他のSランクの奴ら口を揃えてこう言う、SSランクだと。]


SSランク......本来ギルド直属で特定の冒険者にしか出されない、超の付く危険な依頼だと言われている、本来ならCランク冒険者を一人か、Sランク冒険者を10人使って編成される征伐級の依頼だ。


[何でそんな依頼がこんな一般の掲示板に貼ってあるの?]


[何でもなあ、その依頼に向かった征伐級で編成されたSランク冒険者の奴らが戦わずに逃げ帰ってきたらしくてなあ、そいつらが言うには、あの魔獣はSランクの寄せ集めで倒せるような奴じゃない、あれを倒せるのはCランクだけだって全員が言ったそうだ、ギルドはすぐさま現存する3人のCランク全員に声をかけたが、自分が行く必要は無いと突っぱねられたらしい、だがギルドの原則では一度ギルドのグランドマスターが直属にうけおった依頼は取り下げ出来ないっつうルールがある、だからその依頼は取り下げる事も出来ずそんな隅っこで誰にも見つからない様に追いやられてたんだ。

だから悪い事は言わねえ、命がおしけりゃやめと......]


[問題ないわ、この依頼受けさせてもらいます。]


そう言って迷わずその依頼用紙をカウンターに持っていった。

[まあ、誰がどの依頼を受けるかは自由だからなあ、これ以上の事は言わねえが忠告はした、まあ死なない内に帰ってくるんだな。]

そう言って、男は入口から去っていった。


[この依頼を受けさせてもらえますか?]


すると受け付けは驚いたような顔をしてこう言った。


[申し訳ありません、この依頼はCランクの方がご同行してないと受けられない決まりになっていまして。]


そんな事はどこにも書いていない、恐らく私を止めるつもりでそう言っているのだろう、だけど......


[すまない遅くなった、もう依頼は決まったのか?]


そこに彼が現れた。


[これを受けるわ。]


[Sランクの依頼かあ、依頼内容はどんな感じなんだ?]


私はクロトにこの依頼の事を説明した。


[良いんじゃないのか、ステラはSランクだし勝てない相手でもなあんだろ?]


[ですから、この依頼にはCランクの方のご同行が......]


そこでクロトが自分のギルドカードを見せつけた。


[これで問題ないか?]


そこには紛れもなく、Cランクと書かれたギルドカードがあった。


[は、はい!失礼しました、まさかCランクの冒険者の方だったとは......承りました、それでは再度、ギルドカードのご提示をお願いします。]


私とクロトは自分のギルドカードを受け付けに渡した。

すると依頼書に大きな判子を押した。


[依頼の受注、完了いたしました。

ステラさま、クロトさま、リエルの加護があらんことを......]


こうして、私たちは記念すべき最初の依頼を受注した。

ご愛読ありがとうございます。

今回はステラ視点の話を中心に書いてみました!

次からはまた主人公視点中心に戻すつもりですが、また縁があればやってみたいと思います!

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