1/1
プロローグ
目が覚める。
起きなければよかったと後悔をする。
身体を起こし少しの期待を胸に、周りを見渡す。
地平線まで灰色一色。
すばらしくシンプルで、すばらしく何も無い、最高に孤独な世界。
どうして? なんで?
問いかけても……反応はない。
風すら吹かなくなってしまった……この場所で、私は感情さえ失っていた。
悲しくない。
嬉しくない。
呆れることもないし、怒ることもない。
ただ、少しだけ、辛いなって……。
あれ?これって、感情……っていうものだっけ?
もう……わかんないや。
立ち上がり、歩く。どこに向かって歩いているのか、方角すら分からない。景色は、相変わらずの灰色。
今日は、ここまで。
私はその場で横になり、やがて眠りについた……。