表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あたしのかわいいおじさん

作者: ことり

ジョン・ターナー、アル中手前の中年作家。

俺が玄関のドアを開けると、16、7の女の子が立っていた。

くすんだ金髪の長い髪、そばかすだらけで、生真面目な瞳をしている。黒いタンクトップにデニムのミニスカート

という格好だ。

…?誰だ…?

「あの…、ジョン・ターナーさんですよね。」

上目遣いで、聞いてくる。

「そうだが。」戸惑いつつ応える。

突然、そのコは俺に抱きついてきて叫ぶように言った。

「あたしッ、やっと大人になりました!約束通り、結婚してください!!」

驚きとその他さまざまな感情のせいで、思考が停止した後

俺は口を開いた。

「…あーっと、まず君は誰だ?」

「覚えて…ないんですかぁ?」

みるみる瞳に、涙が溢れる。


「と、とりあえず中に入ってくれ…。」と部屋に入れてドアを閉める。近所の連中に見られたら、どう思われるか…。

「…うっ…うっ…」

「それで、君は誰だ?」

「ううっ、あたしの…父の友達の…結婚式で、言ったじゃ…ない…ですか。ひっくっ。」

「君のお父さんの友達の結婚式で?…なんて?」

「君が大きくなったら…結婚してあげようって…。」

思い出してみる。が、さっぱり記憶になかった。

「冗談だろ。」

「いいえ!結婚してくれるって言・い・ま・し・た!」

涙目で睨みながら、言い切る。

「それで、俺と結婚するってのか!?」

そのコはうなずく。

「馬鹿言うんじゃねぇ!俺とお前さんとは親子ほど年が違うじゃねぇか。」

「年なんて関係ないですよ!」

「いや、あるだろ…。親父さんはなんて言ってんだよ。」

「勝手にしろって家を追い出されました!」

「はあ!?おま、お前、家出してきたのか!」

「母さんは賛成です!」

「母ちゃん、頭大丈夫か!?許すっつってんのかよ!」

「そうですよ!。だから、そのうち、父さんも説得してくれます。」

「俺が親父なら絶対許さんぞ…。」

「うううっ…じゃあ、結婚してくれないんですか。」

「あのなぁ、年齢どうこう以前に、俺は君の名前も知らないんだぞ。」

「ジェシカ・ボーロックです。」

「ボーロック?あの出版社の?」

「そうです!父を知ってますよね。」

「マイケル・ボーロックか。今、何をしてる?」

「週刊誌の副編集長になったらしいですよ。」

「そうか。頭のいいやつだったな。もう奴もいい年か。」

「そんなことより、どうしたらあたしと結婚してくれるんですか。」必死な顔で尋ねてくる。

「…男はな、追われると逃げるんだ。…だからいい子は、お家に

帰りなさい。」

「また来ます。」

強い意志を示して彼女は帰っていった。

おじさん、なんか疲れたよ…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ