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乙女ゲームの世界に転生しましたが気付いたのはハッピーエンドの最中でした。

作者: 柊 莉桜

「どうかアイリン、私と結婚して下さい」

「本当に私で良いんですか?テノール様……私は庶民です。いずれ王位を継ぐあなたに私は相応しくありません……」

「私はアイリン。あなたが好きなんです。どうかアイリンが私に相応しいか相応しくないではなくあなたが私の事をどう想っているか聞きたいんです。もし私と同じ気持ちなら私の手を取って下さい」

「私もテノール様の事が……好きです」

そう言ったアイリンはテノールに抱きしめられた。

その瞬間周りからは祝福の歓声が聞こえた。



その小説のワンシーンのような光景を私は冷めた目で見ていた。

正直いってテノール王子は私のタイプで無いからどうでもいいけど。

こんな衆人環視の場所でやらなくてもいいでしょ!!!

そもそも今日はこの王立音楽学園の卒業式、なのに在校生の王子とアイリンが卒業生より目立っているってどういうことよ!!

私は在校生だけどお兄様が卒業なのよ!今日の主役はお兄様達卒業生であって王子やアイリンが主役じゃないのに思いっきり主役って本当どういうことよ!!!

まぁ幸い卒業生達も在校生達もはやっと王子に祝福しているけど……

ゲームの時から思っていたけどこのシーンって絶対おかしいでしょう!

ん?ゲーム?ゲームって何だっけ?

あれ?

その瞬間日本で暮らしていた17年間の記憶を思い出した。

私、乙女ゲームの世界に転生したんだ……



日本で暮らしていたときの私はちょっと乙女ゲームが好きな普通の女子高生だった。

この乙女ゲームはグラフィックが綺麗で結構嵌まっていたんだよな……

確か乙女ゲームのタイトルは……『あなたの恋の音色は♡』だったような気がするような何かが違うような……

まぁそれは置いといて内容は簡単にいうと伝説の歌声と呼ばれる”天使の歌声”を持つ平民の少女のアイリンが王立音楽学園に入学して王子等の攻略対象と友情や恋を育んでいく物語。

ちなみに”天使の歌声”というのはその歌を聴くと簡単な怪我や病気は治り、植物は促進されるという魔法が無いという設定の世界なのに思いっきり魔法要素がたっぷりの設定だった。

このゲームはハッピーエンドだと攻略対象と結ばれ、ノーマルエンドだと攻略対象と友情を育み、バットエンドだとアイリンが学園を去るの3つで今は王子ルートのハッピーエンドのようだ。

ちなみに王子のハッピーエンドの後は……アフターストーリーでは数年後アイリンとの間に子供ができて、王子は無事国王になったという話で終わったんだからまぁいいんじゃないの?

えぇ私や私の家族に害をもたらせなければどうでもいいし……









えぇそう思っていたこともありましたよ……えぇ本当にありましたよ……害はありませんよ害は!でも毒はあります!!本当、目の毒です!!!

何ですか目の前でイチャイチャして、ここは生徒会室ですよ!!!




そうあれからアイリンは無事、王太子の婚約者と認められていずれ王妃になるためにその勉強を毎日して居るみたいだ。そのせいで婚約前は休日は王子とデートしていたのがあんまり出来なくなって、その反動で学校ではイチャイチャしている。昼休みとか放課後とかこの生徒会室でイチャイチャしている……アイリンは生徒会役員じゃないのに誰も文句言わないから私も言えないじゃない!

このせいで王子の作業が滞るとかならすぐに文句言うけど王子もアイリンと仲良くお喋りしているのに仕事の方はいつも通り出来ているってどんなハイスペックよ!

ハイスペックっていえばアイリンもだけどアイリンは昼休みはともかく放課後は毎日王妃になるための勉強があるのに主人公補正とかなのかすぐに終わってこの生徒会室に来るし。

何なんですか2人揃って前世も今世も恋人も婚約者もいない私に当てつけですか!

ええそうですよ。どうせ前世今世合せて33年間(今世16年・前世17年)彼氏・婚約者はいませんよ!!






ステラ・ルソック侯爵令嬢(前世名 相馬詩織)未だ彼氏・婚約者はいない。





生徒会役員はステラ以外は全員男です。ステラは書記をしています。

乙女ゲームでステラのことは『生徒会役員には男性4人と女性1人います』と1度だけ王子ルートの時のみ出てきますが名前は出てきません。つまりモブです。


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