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次の直接対決は?

二十五、次の直接対決は?

 夏休みも八月に入り、蒸し暑い日が続いていた。航は、部活に遊びに(勉強に?)と夏休みを満喫していた。ただ一つ、恋だけは中々うまくいかない。トレーニングを兼ねて、真奈美の家の周りを走るという超消極的な作戦は、そう簡単には実を結ばなかった。


 航はより積極的(?)にするため、トレーニングを一日二回に増やしたが、それでも真奈美と出会うことはなかった。夏休みはあと一か月を切っている。航は別の作戦も考えたのだが、いい案は思いつかなかった。そんなある日のことである。


 今日は午前中に部活があり、午後からは博仁とプールへ行く約束をしていた。以前に真奈美たちと行った市民公園プールである。中学生にも入りやすい料金が魅力なので、いつも多くの客で賑わっている。航がプール前に着くと既に博仁が待っていた。


 博仁が航をせかすように言った。

 「遅いよ。早く入ろうぜ」

 航が言った。

 「悪い悪い。水着を探すのに手間どちゃって」

 挨拶もそこそこに、二人はすぐにプールへと入って行った。ここのプールはウォータースライダーや流れるプールなど色々なプールがあり、大人も子供も各々プールを楽しんでいた。


 午前中の練習がきつかったせいか、航は泳ぐというより流れるプールで流される方を選んだ。プールの流れに身を任せるのは、とても心地が良かった。


 すると、博仁が航の横へとやって来た。二人ともこんがりと日焼けをしているので、人の多いプールでも割と目立つ方だ。

 博仁が、航の横でプールに流されながら言った。

 「航、その後の進展はどうよ?」

 航が聞き返す。

 「進展って?」

 博仁が当たり前だと言わんばかりに尋ねる。

 「決まってんじゃん、永井とのことだよ。あれから話くらいは出来たのか?」

 航が首を振って答える

 「全然」

 博仁が航の顔を覗き込みながら言った。

 「全く?」

 航が平然と答える。

 「全く」

 博仁が呆れたように言った。

 「何やってんだよ。せっかくいい雰囲気だったのに」

 航は心の中で、いい雰囲気だったのは真奈美と博仁の方じゃないのか、そう思っていた。


 すると、博仁がニヤニヤしながら言った。

 「やっぱりおれが何とかしないとダメか」

 航が慌てて否定する。

 「大丈夫、大丈夫だよ。それよりさ、競争しないか?」

 航が五十メートルプールを指差した。競技用の本格的なプールである。

 「水泳で勝負か。いいけど俺は結構速いぜ」

 博仁が自信満々で答える。

 「俺だって負けないよ」

 航が言い返す。


 こうして直接対決第二弾は水泳に決まった。今度こそは負けるものかと、航は心の中で思った。


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