↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
23/47

思案中です

二十三、思案中です

 夏の大会も終わり、航にとって本格的な夏休みが始まった。航の千五百メートルの結果は五位入賞。前回と同様、三位には入れなかったが、まずまず良い成績だ。航の実力がついて来た証拠でもある。この夏、しっかりと練習すれば、秋の新人戦ではもっと良い順位が狙えるであろう。航は心楽しみにしながら、この夏休みを迎えた。


 ところが、夏休みに入り、真奈美と話す機会が全く無くなってしまった。元々話し下手の航にとって、同級生の女の子と話すきっかけを作ることは、至難の業なのだ。奇跡的にもこれまで話すことが出来ていたのは、博仁が由紀を通じて色々と機会を作ってくれたからである。


 その博仁は、今や航の恋のライバルである。ライバルに頼んでまで話す機会を作ることは、航のプライドが許さなかった。


 博仁とは、夏休みに入ってもほぼ毎日のように会って話をしている。話のほとんどは、ゲームのこととかテレビのこととかどうでもいいことが大半だが、真奈美の話も少ししている。


 博仁が言った。

 「航、あれから永井とは話が出来ているのか?」

 航は首を振って答えた。

 「全然だよ。話すきっかけがなくてさ」

 博仁が航をけしかける。

 「デートにでも誘っちゃえよ」

 航が首を振る。

 「そんな勇気ないよ」

 「意気地なしだなあ」

 博仁が呆れたように言った。

 「意気地なしで悪かったな」

 航がふてくされたように言った。

 「それなら俺が誘ってやろうか?」

 博仁が航に提案する。

 「いいよ。誘う時になったら自分で誘うからさ」

 航は博仁の提案をきっぱりと断った。恋のライバルである博仁に、何もかも頼る訳にはいかない。真奈美を自分の方へ振り向かせるためにも、ここから先は自分でやらないといけない。航はそう思った。


 ここでちょっとブレーク。航はまだ勘違いをしたままである。博仁のことが好きなのは由紀であって、真奈美ではない。真奈美が好きなのは??今はまだ伏せておこう。なので、航が博仁のことを恋のライバルとしているのは、大きな勘違いから生まれたものなのだ。博仁にしてみれば、いい迷惑といったところか。


 博仁と別れた後、航は部屋へ戻り作戦を考えた。このままでは何の進展もないまま、中二の夏が終わってしまう。この夏は恋も陸上も(勉強も?)ワンランクアップを目指して頑張らなければ。航は今までにない程真剣に、どうやって真奈美と話すきっかけを作るか考えていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。