お礼を言いましょう
十四、お礼を言いましょう
次の日、航は学校に着くと、早速由紀と真奈美に昨日のお礼を言った。
「昨日は応援ありがとう」
真奈美が微笑みながら返事をする。
「三位に入れなくて残念だったね。それでも、四位なんてすごいと思うよ」
そこに博仁もやって来た。
「二人とも応援ありがとうな。俺、いつも以上に頑張れたよ」
「向井君はいつもの順位だったじゃない?」
由紀が悪戯っぽく言う。
「あれでもいつも以上に本気出したんだぜ」
博仁が言い返す。
「じゃあ、あたしたちの応援が無かったら、きっと最下位だったわね」
由紀が笑いながら言う。
「ちぇっ、言ってくれるよ」
博仁がふてくされたように言う。
すると、真奈美が航に言った。
「今度は渡辺君たちが応援してくれる番よ。再来週の日曜日、応援に来てくれるでしょ?」
「もちろん行くよ。でも弓道の応援て、よくわからなくて…」
航が心配そうに言う。
「大丈夫よ。観客席で見ていてくれるだけでいいわ。『頑張れ』とか声を出すのは禁止なの」
真奈美が諭すように言う。
「へえ、見ているだけでいいのか」
博仁が珍しそうに言う。
「あたしも応援に行くからね」
由紀が真奈美に向かって言った。
席に戻った航は、少しドキドキしていた。教室で、こんな風に真奈美と話したのは初めてだったからだ。航は真奈美との距離が少しずつ縮んでいくのを感じた。




