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第六話

ゲーム実況やってるけど。

話しながらゲームするのって難しいなww






一日の授業が全て終わった。

 実戦演習の授業はあの後何も問題なく終わった。しかし騎士学校の主席ちゃんに軽く見られたりされるのはつらかった。



「またお前か」

「それは私の台詞だ」



いや当たり前と言えば、当たり前。昨日もこうだったのだから今日も同じ帰り道なのは当然のことである。


さてと、どこで買うか。

 今日帰り道に街をうろついているのは授業で必要な物を買う為である。俺とエスはクラスも同じ、選択授業も同じであるので必然的に買う物も同じなのである。

 必要な物はペンを複数、ノートを多数、そしてナイフである。ナイフは特殊な魔法や儀式を行うために必要なのである。それ以外は魔法陣を作る為に必要なだけである。

 他には何もない。教科書は学校で配られたので買う必要もない。帰り道に本屋でも寄って小説でも買うか。

「ところでどこで買うのだ?」

「一番物が揃っているのはあそこだな」

俺は曲がり角にある大きな店を指差す。あそこには学校で必要な物は一通り揃っているのである、かなり便利だし先生だってここに買いに来るのだ。

「ならあそこで?」

「そうだな。そっちの方が買い物一回で済むし、こっちでいいか?」

「問題ない」

 そうか、と返してまた前を向いて歩きだす。こんな横に並んで歩くなんて前世の俺ならば考えられなかっただろう。しかし自然と彼女が魔王知ってからも殺意もわかない。不思議なことだ。

 その大きな店に着くのには時間はかからなかった。

 ルクサリオ魔法店。この街で一番大きく有名な魔法店。品ぞろえは豊富、魔法効果が付与された武器から、薬品、薬品の原材料、教科書、問題集などなど。本当に無い物はないのじゃないかと思うほどである。

「いらっしゃいませ~」

 店内に入るとすぐに聴きなれた声が聞こえる。

「あ!レンさん!」

「こんにちはコンちゃん」

 俺はエプロンをつけた少女に挨拶をした。

「お?レンさんが女の子をつれてる!もしや彼女さん?」

「違うわ!!」

 俺が否定するよりも先にエスが大声で否定した。俺が軽くそんな人じゃないよ、と言った。

彼女はコンスタンティン・ドープ、実は魔法学園高等部一年生の女生徒で、ここルクサリオ魔法店の若き店長なのである。肩書き上店長だが、実際はここで働いているコンちゃんのおじいさんの方が地位は高い。今日はどうやら工房に篭っているようだ。

「では何の御用なのでしょうか?」

「学校で必要な物を買いにね」

「確かペンとノートでしたっけ?」

「それとナイフもね。あと二人分」

「わかりました。少々お待ちください!」

 彼女は持ち前の明るい声で待つように行ったあと何処かへと走り去っていった。店内を歩くのもいいが、そうするとコンちゃんが見つけにくくなるので移動せずにここで待つ。

「本当に物が多いな」

「そりゃあここら辺じゃ一番大きな店だからね」

 店員の数はそこそこ少ないが、問題なくやっているらしい。

 そんなことを行っている彼女が戻ってきた。

「相変わらず早いね」

「当たりまえです!この店にあるものは全て把握していますから!」

 彼女は幼少期からこのお店におじさんと一緒に住んでいるらしく、薬の材料から武具の細かいパーツまで覚えているらしい。さすがとも言えよう。

「それじゃあ金額はこれぐらいです」

 俺は指示された額どおりのお金をだす。

「おお!さすが男の子、女の子の分も払いますか!」

「いやレンよ。これぐらい私も払えるぞ?」

「いやいや、いいよこれぐらい」

「むっ……そうか」

 俺はコンちゃんに袋を二つ用意してもらい、店を出た。

「また来てくださいねー!」

 数少ない癒し要員だと思う。

 


俺とエスはまた並んで街を歩く。もう日が落ちかけている。綺麗な夕焼けが街の風景を照らしている。帰る時間である。

 それより先ほどから気なっているエスの方を見る。なにやらずっともじもじしている。何かを言いたそうな顔をしている。目が会うと反対方向を見る。何をやっているんだろう。

「その……なんだ……」

「ん?」

「あ、あ……ありがとう……」

「へ?」

「いや、これ買ってくれて」

 顔を真っ赤にして言う。どうやら彼女にも礼を言うことはできたらしい。

 ってか、ちょっとドキッときたぞ。

 夕焼けに照らされた銀髪美少女の赤面、ぐっと来ないわけがない。

「なんだか可愛くなったな……」

「か、かわいいだと!?」

 珍しくエスが慌てている。

 ちょっと彼女の普段見れない姿を見れてラッキーだと思っていたとき。


「キャ――――!!」


 悲鳴が聞こえた。

 俺もエスも確かに聞こえた、そして俺以外の街の通りにいる人すべてが聞こえたそうだ。街の人たちは何事かと周りを見ている。

「エス!」

「うん、いいだろう。行こうではないか」

同時に走り出した。声が聞こえたのは路地裏、結構深い所である。

「ちょっと君たち!どこに行くつもりだい!」

「見に行きます!誰か騎士団でもいいので呼んでおいてください!」

 走っている途中に話しかけられたが軽く返して走り続ける。

 さてどうしようか。

 俺たち二人はそのまま走り続ける。路地裏の深いところにどんどんと入っていく。壁や建物が乱立しているルクサリオの路地裏は複雑で日のあたりが悪い。なので結構暗くなってきた。

「い、いやっ」

 女性の声が聞こえた。どうやらもうすぐらしい。

 曲がり角を左にまがる。そこには女性が二人いた。一人は倒れており、もう一人は折れた剣を片手に持ってひざをついている。まさかの騎士学校の高等部の服装に身を包んでいたその顔には見覚えがあった。今日やたらと魔法使いを見下していた騎士学校の主席だった。

「おい、大丈夫か!」

 エスが駆け寄るがすぐに立ち止まる。

 俺たちの前にいる人物だ。黒いコートに動きやすそうなロングスカートに黒のフードとう黒尽くめの格好をした人物がいた。いやまだこの格好だけなら良かったが問題はこの人物が右手に持っているものだった。短剣、ナイフ、ダガー言い方は様々だが何より問題だったのはそのナイフからあふれる魔力、魔剣である。

「あれ?誰?」

「……そいつの知り合いだよ」

「あっそ。どうでもいいや、君は強いの?」

「そこに居る奴よりは強いぜ?」

「ならいぃやぁ……」



「次お前な」



 本が何かを感知して防いだ。

「へぇ~すげぇな」

 どうやら俺の本が攻撃を感知したらしい。

「おいおい。何者だよ?」

「ああ。名乗り遅れたよ」




「ちまたで噂の殺人鬼だよ、よろしく」




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