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第四話

やっと投稿。

この小説が有名になりますように。(絶望的)



下校。

学校帰りの事である。状況によっては男女がそろって帰り男が女の子を家に送って帰るという下校デートなるイベントもあるのだが。

「私に付いて来るな!」

「家の方向がこっちなんだよ!」

この二人には無縁な事だろう。

レンとエスカルデルはルクサリオの中央区を歩いていた。中央区には数々のお店が建ち並ぶ。食品店や服屋、剣や鎧や杖、他には馬や羊といった生き物といった物まで置いてある。予想通りここ中央区は常に人でいっぱいである。有名なブランド品を売っているお店の本店はだいたいここにある。

そんな人通りが多い中、二人は喧嘩をしながら歩いていた。

「お前のせいでこんな事になったんだぞ」

「私が悪いのか!?決闘を受けたお前にも非はあるぞ!いや全部お前が悪いんだ!」

「なんでだよ!いきなり話しかけてきたのはそっちだろ!」

「気になったのだからしょうがないだろう!」

絶賛人目を釘つけにしている二人である。その内周りの視線を察した後は何も言わず黙ってしまった。そのまま歩き続けること五分、いきなりアルテリアが立ち止まった。

「私はこっちなのでな」

「ああそうか」

俺は改めて小さくなった魔王様を見る。

「ん?なんだ?」

「……なんだかお前。……丸くなったな」

「なんだ。そんな事か」

ハっと鼻で笑った後、髪を耳にかけ言う。

「私だってやっとこんな人生を手に入れられたのだ。ちょっとぐらい普通の女の子としていたいのだ」

そんな彼女を見て驚く。昔は本当に魔王をやっていた彼女だったが今ではただの女の子である。こんなにも人は変われるのだろうか。

「じゃあな」

「お、おう」

一応手を振る。アルテリアは俺に背を向けて歩きだすが手を振ってくれた。あんなに殺しあった仲なのに。

俺も一人で道の真ん中に立っているのは嫌なのでゆっくりと歩き始めた。頭の中にある記憶をあさり生前のアルテリアを思い出す。




魔王アルテリア、別名魔王ちゃん。尽きる事のない魔力を持っており、戦いが始まった瞬間、無詠昌で魔法ぶっぱ。俺達の味方と魔王の味方が何人もそれで死んでいった。あいつが戦場に出てきた瞬間俺が前にでて魔法をぶつけて相殺するしかなかった。基本的にその戦いもジリ貧で負けた。俺はアルテリアのように膨大な魔力を持っていなかった、人間の中では異常だったかもしれないが魔族と比べたら普通程度の魔力量だった。俺はその中で魔法を改良して戦ってきた。それより魔王の別名である、魔王ちゃん。なぜ彼女がこのような可愛いらしい別名を持っているかと言うと、彼女はドジっ子なのである。昔はその膨大な魔力を制御できずに土地を変えたり、クレーターを作ったりした事があるらしい。もちろん後始末もせずに帰って行った。




「はぁ……」

この世界ではドジっ子ちゃんではない事を祈ろう。こんな街の真ん中で魔力を制御しきれずクレーターを作るだなんて、教科書に載るほどの重罪人になるだろう。

平和な日々が訪れますように、そう祈ることすらできなかった。









翌日。

クラス発表である。一年間このクラスで過ごすのである。俺にとってはどんな奴がいるのか気になるとこだが、入学初日から人を見分けれる程俺はすごい人物ではない。

『レン・フォルティンガー』

俺の名前が合った。そしてその下に目につく人物がいた。

『エスカルデル・F・リストルディア』

俺の名前の近くに会ったこの文字。最近知ったこの名前、忘れるはずが無い。魔王ちゃんのこの世界での名前である。俺とあいつが同じクラス、問題視しか起こらないと思う。

「なぜだ!?」

 どうやら向こうも同じことを考えていたらしい。そこには頭一つ小さい銀髪の少女がいた。どうすればいいのだろうか。

 そんな事を考えていると向こうが俺の視線にきづいたらしく振り返ってこっちを見て来た。おいなんだその嫌そうな顔は、俺も同じ気持ちだぞ。いくらなんでもそんな露骨にみせることないだろ。

「おはよう」

「……おはよう」

どうやら挨拶はちゃんと返してくれるそうだ。

「まぁ、その、なんだ……よろしくな」

「そうだな。よく考えたら我々は今敵対する必要もないのだな」

 そうである。俺は勇者ではなくただの魔法学校に通う生徒。彼女も同じである。魔王ではなく一人の少女である。敵対する必要もない、確かに前世でひどい決着の付け方をしたが言ってしまえば過去の事、前世のことである。

「まぁよろしく」


すぐに俺たちはクラスへと足を進めた。正直楽しみである、新しい人たちと合えるのである。これ以上良い事は無いだろう。友人たちと切磋琢磨する。まるで小説だけの話だったが今ならそれが出来るのである。

「ここか」

 足を止める。上にクラスの標識がつってあるのがわかる。なんだかさっきまでわくわくしていたのに不安になるな。

 だか小さな彼女はそんなことも気にせず扉を開けて入って行った。俺は一瞬驚いたがすぐに彼女に続いてクラスに入る。中には俺らと同じ魔法学園の制服に身を包んだ生徒がいた。

しかし全員こちらを黙って見ている。微動だにせずこちらを見ている。なんだ?アルトリア――――ではなくエスカルデも奇妙に思っている。いったいどうしたのか?

するとすぐにクラスがざわつき始めた。

「なんだ?」

「さぁ知らんな」

 クラスを見渡すと生徒は誰かと必ず話している。俺は一番後ろにある席を見ると、ちょうど二席開いていた。あそこに座るか。そう思いエスカルデと一緒に歩き出し、一番後ろの席に行く。

 「ねぇあれが……」「昨日決闘していた人たちよ」「初日から決闘とか」「それよりその決闘。すごかったらしいぞ「俺も見ておくべきだったかなぁ」

 なんだそういう事か。昨日の決闘の事でちょっと引かれているのだ。校庭の真ん中でしかも帰宅時間中に派手に戦ったのだ。誰も見ていないわけないし、噂されるのも納得だ。俺の学園生活に支障が無い程度に噂される事を望む。

 これからの学園生活に不安を覚える中で、エスカルデルは知らない顔をしていた。前世は王様だったから慣れているのか。

「はーい。席につけよ」

そんな時先生が扉を荒々しく開けて入ってきた。全員すぐに席に着き姿勢を正す。先生は魔法学園の教師の制服を着ていたが、コートの前を明けかなりらふな格好をしている。

「担任のリラ・イーターだ。普段は実戦演習と魔法創造の授業の講師をやっている、一年間宜しく」

 口に何かタバコの様な物を加えているが大丈夫なのか?生徒からの質問を受け付けず、すぐに出席を取り始めた。

 これが俺の学園生活の始まりだった。



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