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第十話

活動報告に書いたかどうか覚えていないのですが・・・


ニコニコ超会議のユーザー記者をやっています


『面白い』『楽しい』


 これらの言葉は俺ら二人を突き動かすものである。

 十分な理由である、俺たち二人はあの殺人鬼と戦って勝てる自身があるのだ。臆する必要はないのである。


「よっしゃ始めるか!」

「ちょっと待て」

 エスにとめられる。

 俺たちは放課後に集まり犯人探しを開始することにした。しかし何も情報がないのでまず聞き込みを始めることにしたのだが、


「なっぜコイツがいる!?」

「居ちゃ悪い!?」


 主席ちゃんと彼女の親友のフライルだった。フライルは俺と目が合って軽く会釈して微笑む、『またご迷惑かけます』と言っているようにも見えた。俺が放課後エスと一緒に歩いているのを見てイライラし始めたので話しかけようと思ったら、たまたま耳に話が聞こえてきて、それを聞いたところ犯人探しをすることを知ったそうで、ついてきたらしい。

「私も協力するわ」

「弱者は帰ってくれ」

 またもやエスは直球に意見を言った。前回と同じように主席ちゃんは怒っている。なんとも単純な子だ。俺もエス同じ意見だから心の中ではよくやったと思っている。ないとは思うが、もし今日中に殺人鬼を発見し戦闘に持ち込んだ場合、俺とエスは戦える自信あるがが、そこに主席ちゃんやフライルが入ると邪魔になる可能性が高いのである。できれば今すぐにでも帰ってほしい。

「アインやっぱり帰ろうよ。昨日の決闘忘れたの?アインは負けたんだよ、しかも魔法学園の主席でもない子に」

「うっ……」

「絶対に足手まといだよ。二人や騎士団にまかせておけば大丈夫だよ。だから、ね?帰ろうよ」

 必死にフライルが主席ちゃんを説得しようとしている。彼女の理解しているのだろう。その分彼女は冷静だな。

「……確かに私は負けました。ですが捜査程度ならば協力できます」

 胸を張っていっているが、それって戦力外って自分で言っているようなものじゃ……

「私だってやられてばかりではイヤなのです。あと魔法学園の生徒だけに良い顔をさせたくないですし……」

 その後も理由を愚痴をこぼす様に呟いていくが、ようするにリベンジしたいのである。俺はやる気だけはあることはわかった。なので、

「よし戦闘以外はいいぜ」

「は?いいのか?

「いいだろ。本人も自分の実力を知っても尚且つ協力していって言ってるんだ。別にいいだろ」

 何か言いたげだったが何も反論はなかった。

「好きにすればいいさ」

「なら私も参加ささていただきますわ!」

 ちょっと嬉しそうだった。

 それでは行こうか。

「犯人探しにな!」




「つってもそう簡単に見つかるはずもないよな」

 まず俺たちはバラバラになり探すことにした。もし犯人と思しき人物を発見した場合、まず近隣の人に報告して騎士団を呼ぶか、その騎士団が来る間まで殺人鬼を足止めすることにした。俺とエスは足止めができるが、主席ちゃんとフライルは戦力外なので近隣の住民に助けを求める方向にすることにした。こんなときに遠距離でも通じある魔法があるといいのだが、俺とエスはできてもあとの二人ができないので意味がない。魔法具でも買っておくべきだったか。


「それより怪しい人物なんてな……」

 現行犯で発見しない限りその人物が黒か白かはわからない。そんな簡単に人が襲われている現場になんてめぐり合えないだろう。都合よく発見できるわけがない。

「はぁ………………いてっ」

 うつむきながらため息をこぼすと、歩いている人とぶつかった。

 俺とぶつかった人はそのまましりもちをついて倒れた。ボーっとしていた俺は倒れなかった。

「いててて……」

「あ、だいじょうぶですか?」

 すぐに手を出しその倒れた女性を引き上げる。顔をみるときれいな人だった。エスや主席ちゃんやフライルもかなりの美少女だが、この女性もかなり美女だった。おもわずそのまま顔を見惚れてしまっていた。

「どうかしましたか?」

「え?あ、いや何もありません。すいませんボーっとしていました」

「いや、いいよ。私もちょっと黄昏ていたしね」

 すぐに砂埃をはらうような動作をして立ち上がる。

「それじゃあ私急いでいるから、ごめんね青年」

 そんな美しい人は足早に去っていった。俺はその人の背中を見て、すぐに捜査に戻るようにしようとしたその時。


「あ、ちょっと待ってくだっさい!」


 俺はその女性を人ごみの中を掻き分け探した。

 目的の人物を見つけて俺はその人の肩を掴んだ。

「これ忘れていますよ」

 俺はその人に財布を差し渡した。真っ黒の皮の財布、俺はこんな渋い財布を持っていないし、おそらくこの人が俺とぶつかった時に落ちた財布だろう。

 そう思い、

「あ!これは私のだ!」

 そうだった。

「いやー助かったよ。まさか財布を落としているとはねありがとうね」

「いえいえ。ぶつかった俺にも非はありますし」

「じゃあありがとうね、バイバイ青年!」

 そう言って美人さんは去っていった。


 俺はその日、何も発見できなかった。それはエスやほかの奴らも同じだった。何も目立った成果はなくその日は解散した。



そして気づかないうちに、また一人死んで逝ったのだ。




誤字脱字があれば報告おねがいします!

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