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プロローグ
プロローグ
西暦20XX年。
ある東洋の島国で生まれ育った一人の人間がこの世を去った。
それは特に誰かが仕組んだことだとか、誰かのミスによるものではなかった。
それこそ、物語の中でよくあるような神様のミスでは決してなく。
しかし、その人物が生前に行った所業の数々は後世の人類に大きな影響を与えた。
恵まれた生まれでもなく、特別な才能があったわけでもない人間の。
厳しい環境に抗う必死の努力の末になされた献身と慈愛に。
ある者は感銘を受け。
ある者は心を震わせ。
またある者は哀しみに憤りもした。
それは偉大な尊い犠牲で。
それに故に、地球で最も小さな国の祭祀が聖人の末席に加えるほどであった。
だから、それを見ていた神々は、彼に一つの褒美を与えることにした。
ささやかなボーナスも付けて。
それは、彼の生まれた国ではこう呼ばれていた。
テンプレ異世界転生、乙と――――……。
連載第一作目です。