追いかける幻影 4
どうも(・ω・`=)ゞ
作者です。
今夜も‥‥って気がついたら朝になってました。
携帯って寝ながら打てるし便利ね‥‥(爆)
いつも読んでくださりどうもです♪
今回は、楓さんとロザリー視点が入れ替わりが酷かったので、途中でちょんぎりました。
後半は整い次第投稿します。
あぁぁぁぁ。ご評価頂いた方ありがとうございます♪ (〃σ σ)ゞ
◇ ◇ ◇
青い顔をしてふらふら歩くロザリンドの前に樹木の妖精が立ちはだかる。
本人は通行の邪魔をしているわけではないが、不機嫌そうに通路の真ん中に立ち尽くす姿は誰が見ても通行者の進行方向を遮っているようにしか見えない。
「王」
「クローヴか‥‥いつでもどこでも軽々しく呼ばないでくれ」
今は誰とも話などしたくないのに耳障りな自分を形容する言葉。
ロザリンドは先ほどの騒ぎに彼が「王」と繰り返していたのを思い出す。
「そんな頻繁に呼んではいません」
青臭い草の臭いを撒き散らしながら彼は怒りを露にしてつぶやいた。
そんな程度で香りをあふれさせ憎しみを露にするとは、彼は今の職業に向いてないなとロザリンドは心の中でため息をついた。
クローヴはロザリンド付き補佐官の一人だ。王に進言、具申を行える数少ない人物である。
簡単に言うと、王に文句を言ったり、王に計算された嫌味や暴言を吐いたりするのが仕事だ。
因みにシンジュもその役を持つ。
「で、軽々しく呼んでないなら、今、私に声をかけたのは何の用だ」
「あの人間の姫ですが‥‥」
「彼女がどうかしたか」
クローヴの用が彼女の事だと知ると、今まで興味のない表情をしていたロザリンドは焦った表情で聞き返す。
クローヴはその変わりように額に皺を作ったが、話を聞かせるためにここで待っていたのだ、そんな些細な出来事で気分を害してる場合ではないと続けた。
「どうも末梢神経が壊滅的打撃を受けている様子です。あのような細腕で、 雄鹿の打撃を受け止めるなど無事ではすまなかったのでしょう。握力が早く戻るために栄養素の補給をしてやってください」
「壊滅的な打撃?」
クローヴが言う抹消神経とは何の事かロザリンドには理解できなかったが、壊滅的な打撃の言葉に衝撃を受ける。
やはり、奴隷契約など全く役に立っておらず、彼女は良く分からない大怪我をしているのだ。
「どうすれば治してやれる?」
「だから、栄養素の補給で自然治癒力を高めてやればいいんですって」
とりあえず、これを‥‥とロザリンドにクローヴは木の皮に包まれた実を渡す。
「本来ならば、獣の内臓を喰わせれば早いらしいですが、この城でそんなものを食事として提供できません。似たような効果のある果実を手配しました」
「すまない。いらない世話をさせたな」
「いえ。人間の姫には私達も借りをつくりましたから」
そう。借りだ。
ロザリンドを無事に守ったこと、その結果。周りの妖精たちの命を守ったこと。
もう一人の王。ロザリンドの母も同じように襲われた。
ロザリンドの場合、ギリギリまで相手の目的を探ろうと威圧的ではあったが挑発をしていた。彼女の場合、相手が熊の妖精だったこともあるが、敵意を感じる前に相手を始末した。
――――――王は、香りで周りの生き物を死滅させる事ができる。
獣はもちろん容赦なく、他に部屋にいたものも同じ末路をたどった。
熊の妖精の罪は、自分の執務室に獣風情が入ったから。
他の妖精の罪は、侵入する獣を止めることができなかったから。
耐えた補佐官はたったの二名。
執務室は惨酷に命を止められた妖精たちが倒れていた。
シンジュから聞きロザリンドも現場に駆けつけ無慈悲な香りを中和してみたが時既に遅く、耐えた二名以外誰も助けられなかった。
王の武器は香り。
ロザリンドも最終的には香りを使い相手を壊すしかない。
ただ香りとは拡散し、不必要な者まで傷つけてしまう。
だから、その前に彼女が鹿の妖精を食い止めた事でクローヴは借りを作ったと考えるのだ。
◇ ◇ ◇
■ ■ ■
「なあに、これ?」
ロザリーが渋い顔をして何かを私の手に託す。
どっから見ても椰子の実に今の言葉だ。
「果実だよ。クローヴがあなたに‥‥自然治癒力を高めるために栄養素の補給をっていうんだ。やっぱり分からない大怪我をしてたんだね」
「大怪我って事はないのよ。ちょっと不便なだけで」
怪我がどうのって言うより、ほんとちょっと不便だ。
セイが言うとおり動かさないでおこうと思うと、利き腕が使えない。
スィーツにしろ、デザートにしろ、お菓子にしろ‥‥ってあれ。甘いのばっか。
いや。ご飯にしろね、左手を使って食べたことないから、このくろーぶさんがくれたくだものが多分苦戦して食べることになるんだろう。
セイの言うことを無視しても、右手が握れないんだから使えない。
くろーぶさん。誰だか知らないけど、もう少し気を利かせろって話だ。
もらったくだものはさっきも言ったけど、椰子の実のような感じだから、もじゃもじゃの細い皮を向く作業から、もう無理。
まず細い毛が掴めない。爪を立てようとも力が入らない。
大体、ココナッツてさ、加工した製品しか提供されないし正しい食べ方なんか分かんないよ。
これは、厳密に言うとココナッツではないのだろうけど。
どう見てもココナッツなんだよ。
「ごめんロザリー。頑張るから一人にして‥‥」
その言葉が彼を傷つけるのはものすごく知ってる。
すごく心配して、これを持ってきてくれたのは理解してる。
でも、食べ方が分かりかねるくだもの。
使えない右手。
それでもあえて補食するならば、足とか刀とか使うしかないじゃん‥‥。
食べないって選択肢は無いからね。
そんな姿絶対見せたくない。
だから、あえて心を鬼にして彼にそう言った。
後でしっかり謝ろう。
食べさせてもらう?
何それ‥‥出来るわけないし。
寂しそうに出ていくロザリーの背中に謝ると扉が開けられないように、木刀を閂にした。
お役立ちだ木刀!
とりあえず、実を右手で抑え観察を始めた。
慣れない左手で実を回す。押さえつけた右手は全く役に立ってなくて、ふらふらと揺れながら実は回る。
この皮自体は絶対食べるものじゃないと思う、匂いも‥‥絶対食べ物じゃない。
完全に土の香りがする。
こう、ココナッツってばさあ。
可愛い、甘い、優しい匂いがするんだよ。
こんな、食欲を失せさせる匂いはしない。
きっと皮をむくのだと、左手と両足を使って突破口を探るけど、全然無理で――――――。
でもね、
ちゃんと一人で食べて。
大丈夫だってトコ見せてあげたいんだよ。
このままじゃ、また彼は自分を責めてしまうから。
■ ■ ■




