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2話 メイドが前線って趣味出しすぎだろ…

眼の前には、美少女たち。


明らかに足りなさすぎる説明。


正直、意味がわからない。

この子ら誰? てか、契約って?


次、どうすればいいの?

え? 説明は? まじで何もなし?


思わず後ろを振り返ると――


校長は、どこから持ってきたのかパラソルを広げ、その下で椅子に座って紅茶を嗜んでいた。


あ、見た目と違って意外とおしゃれな趣味だ…ギャップ萌えってこと?


いや違う! そうじゃない!!

説明プリーズ!!!


あっ、こっち見た!?

グッドじゃない!! 親指立てないで説明しろ!!!


だめだ。これはもう諦めるしかない。


俺は再び視線を美少女たちに戻す。


(あれ、今、目があったような……?)


俺の視線の先には――

美少女たちのうちの一人。

しかも、メイド服の子……メイド服!?!?


だめだ、頭が追いつかない。


「ちょっと!! 校長!!」


そう思った瞬間、遠くから声が聞こえてきた。


短く切られた髪に軍服姿、好青年といった雰囲気の若い男が走ってくる。


……てか、足はえぇ!?


彼は校長に駆け寄ると、怒ったように言った。


「ちょっと、またろくな説明もなしに契約の儀を始めたんでしょう?」


まさにその通りです!!!

もっと言ってやってください!!!


「前線ではろくに説明できないこともあるからな」


……校長が謎理論を放つ。

間違ってはいないが、納得はできないぞ?


「だからと言って、それを新入生の一発目の授業でやるのは酷でしょ。

この授業は俺が持ちますからね」


何て、的確に言いたいことを言ってくれるんだ


そう思うと、彼はこちらを振り返った。


「ごめんね、校長いつもこうなんだよ。

改めて、俺はドロル。校長の補佐をやってるから、これからたくさん話すことになると思う。よろしく」


……あぁ、助かる。

なんていい人なんだ。


きっと苦労してるんだろうな……


俺は彼のことを親しみと尊敬を込めて、心の中でのみ「ドロ先」と呼ぶことに決めた。


実際に言うのは良くないからね、


訓練校だし、最悪打たれそう


「契約についてだけど、君たちには魔法を行使するためにエーテルマスターと呼ばれる彼女たちと契約してもらう。契約する相手については…まぁ、自然とわかると思う。」


魔法を使うためにはそんな条件が必要なのか…


自然とわかるって変なことを言うんだな。


「契約の方法は彼女たちが理解しているはずだ、初めてくれ」


さっきよりは、マシになっただろう。


でもドロ先、マダタリナイヨ


心に任せて動けばいいのか?


…どうやって?


迷った末に、俺は薄目で歩き出す。


やがて目の前がチラリと光った。


目を開ける、あれはなんと言えばいいのか、

例えるならそう、運命に導かれたように、

誰一人同じ子の前に立つ者はいなかった。


俺の眼の前には、さっき目があったメイド服の子がいた。


〜〜〜


俺は、ドロル


栄誉ある国防士官訓練校校長の補佐をしている。


しかし、校長があまりにも言葉足らずなせいで苦労している。


しかし、この仕事にももちろんやりがいがある。


この契約の儀もそのうちの一つだ、毎年注目の新入生とエーテルマスターの動きに注目するのだ。


今年の注目は、先代総司令の孫に、東のナカラ族族長の息子、最凶と言われた軍師の弟子

エーテルマスターの方は彼女一人だろう、カタラの悪魔の置き土産


彼女が3人の内誰と契約するかが…


!?誰だ、あれは…


平民出の完全無名?



ククク、これだからこの行事は楽しみでたまらないんだ。


〜〜〜

どうしてこの子の前に立ったのかは分からない 


俺は薄目でほとんど何も見えなかった。


この子も自分で動いていないように見えるし、本当に運命としかいえないんじゃないか?


「はじめましてマスター」

「えっと…」


なんでメイド服なの?マスターって呼ばれるの?等など


聞きたいことは色々有るが、今はとりあえず契約しないと…


「契約?しようか…」


「わかりましたマスター、私に名を」


え、名前?俺が?この子に?


まじかよ、ネーミングセンス終わってんぞ俺


大事にしてるヘビのぬいぐるみにへびごろうって名付けるような男だぞ?


てか、展開早くね?もうついてけねぇわ


取り敢えず、なにかいい名前は…


「ノ、ノア…なんてどうだろう」

「ノア、良い名をありがとうございます、マスター」


その時、何かがしっくりと来る感覚がした。


(…?)

 

本当にしっくりと来たとしか言い得ないような感覚…


何なのだろうかこれは…


俺が思わずノアを見たとき、ドロ先の声が響く。 


「よし、全員契約したな。次はエーテルマスターの能力を確認してくれ」


能力の確認…?


そう思い俺がノアを見ると彼女の胸のあたりから光が飛び出し、銃に変形し彼女の手に収まった。


「これが私の能力…カタラスタという武器です。

至近距離の攻撃に適しています。

あとは、身体強化と空間把握、光属性の戦術魔法を使えます。」


なんというハイスペック、戦術魔法と武器により中近距離に対応


身体強化や空間把握という補助も完璧

最強では…?


いや、メイドが前線って…


何故近距離なの?


趣味丸出しすぎでは?


「…すごいな」

「それほどでもありません、デメリットもありますから。」


…にしても最強じゃないか?


また、趣味が出たのか?


どんなデメリットか、わからないんだけれども


デメリットがものすごく重いのか?


俺はもしかしたら、結構ヤバいのと契約してしまったのかもしれない。


「よし、確認できたな。契約したエーテルマスターはお前らのものだ好きに使え」


え?奴隷的な?やばくね?


しかし、俺の気持ちとは裏腹に疑問を持っているやつはいないようだった。


なんで?この国奴隷とかいないよね?


もしかしてみんなある程度知識持ってここに来てる感じ?え?

 

「ここからは、明日からの訓練について説明する。」


俺の気持ちをよそに授業は進行していった。


〜〜〜


俺は寮にいる。


そう、一人部屋の


いや、正確には一人部屋だったと言うべきか…


なんとエーテルマスターと契約主は同じ部屋で過ごすらしいのだ。


何でも、魂の同調率を上げるとかなんとか…


魂の同調率って何?


「マスター、明日は午前6時から訓練が始まります。適した時間に起こしましょうか?」

「…よろしく」

「わかりました」


…なんというか、ノアは本当のメイドのようだ


「ここで服を脱げって言ったら脱ぎそうだな…」

「マスターがお望みとあらば」


そう言った瞬間、ノアが自身の服に手をかける。


「冗談!!冗談だから!!」

「そうでしたか」


マジ焦った…


契約初日でひん剥いた何て最低すぎるだろ…

 

何でも言うことを聞いてしまう彼女との共同生活は大変そうだ。 


〜〜〜


入学して二週間ほど経った。


これまでの、学校生活を振り返ると


6時 ランニング

8時 朝食

9時 戦闘の基礎訓練、射撃訓練など…

12時半 昼食

1時半 座学

5時 夕飯

6時 自由時間

8時 就寝     だ

何この健康的な生活


しかも、スマホなど与えられていないから自由時間は風呂に入った後ノアと話しをしているのだが…


「ノアは美人だよね」

「お褒めの言葉ありがとうございます」


…このように冗談が効かない


ロボットと会話していたのか?俺は


何かニコってさせたい、笑顔も可愛いんだろうに


「笑ってみて?」

「笑う、ですか?」


ノアが困ったように言う 


よく見ると口の端のあたりがピクピクしているように思う。


ごめん、無理させてしまったようだ


「ありがとうノア」

「いえ、マスターは絶対ですから」


正直、大変だ…それどころか地獄だ


結構みっちりシゴかれる


俺、ついこの間まで一般人だったんですが…

きつくないですかね? 


しかし、逃げるわけにもいかない。


明日も早いし早く寝ることにしよう。


しかも、明日からは本格的な戦術訓練をするという


今よりキツくないとたいへん助かるのだが…



そんなこと無いだろうな


「おやすみ、ノア」

「おやすみなさいませ、マスター」


…せめてノアともうちょっと楽しくおしゃべりしたい。


てか俺より遅く寝てるのに、何で俺より早く起きれんの?


めっちゃ気になるわ、今度聞いてみよう


そう思いながら俺は眠りについた。


この時の俺は、考えてもいなかったた。

契約することができなかったエーテルマスターがいることも、その子たちの扱いも…

ここまでお読みくださりありがとうございます。

メイド服が前線…

一体誰の趣味なんでしょうね?

3話は明日の午前中に投稿する予定です。ソウシタイナァ

一体エーテルマスターの扱いってどんなものなのでしょうか?

ぜひ3話もお読み下さい


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