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襲撃(2)

俺はノアとティナと3人で廊下に出る。

廊下に出てすぐに、銃声と悲鳴が聞こえる。


『我々は犯罪組織を粛清することもある。その場合相手が報復に来ることも考えられる。

…場合によっては、自害するほうがいいような仕打ちに合うかもしれない。』

俺は、座学で言われた言葉を思い出す。


まさにその状態になった。

昼間の組織の残党だろう輩に襲撃を受けている。

それに、昼間の奴らよりも───強い。


おそらくもう少しで先生達が飛んでくるだろう。

それまで持ちこたえれば…


ドンッ!!


突然目の前の扉が吹き飛ぶ。

壁に血まみれの少女が叩きつけられたようだ。


よく見るとその少女は別の少女を庇うように抱きしめている。

おそらく、エーテルマスターとその契約者だろう。


そのすぐ後に、部屋の中から人が飛び出してくる。

そいつはさっきの二人めがけて超スピードで近づいていく。


(まずいっ!!)


タンッ! タンッ!


俺は敵に向けて弾を放つ。

2発とも命中したが、防弾チョッキでも着込んでいたのか怯むだけにとどまる。


(こっちは生身だって言うのに!!)


「ティナ!!」


俺がティナの名前を呼ぶとティナが飛び出し、目の前の二人を庇うように盾を構える。


俺はノアに目配せする。

ノアは頷き、二人で敵に向かって走る。


まずノアが敵を蹴り飛ばそうとする。

敵はさっきの弾のせいで動きが鈍り、そのまま吹き飛ばされる。


ノアの蹴りを受け、吹き飛んだのだから無事ではすまないだろう。


こんなところで考えることでは無いが、ノアはメイド服で動きづらくないのだろうか。


そんなことを考えられるくらいには余裕ができた…はずだった。


「大丈夫?」

俺は吹き飛ばされていた2人の安否を確認しようと話しかける。


「あぁ、俺様は大丈夫だぜ。」

通路の奥から声が響いた。


ノアが臨戦態勢を取り、ティナも俺達の前で盾を構える。


「いやぁ、良かったぜ誰も居ねぇからよ、全部取られちまうかと思ったぜ。」

「ライ、相手は敵なのよ?もっと緊張感を持って」


もう一つ声が聞こえる。

どうやら相手は2人のようだ。


「マスター、女の方はエーテルマスターです。」

ノアが耳元でコソッと伝えてくる。


今までのは契約していないただの兵士だ。

どれだけ鍛えようと契約者と非契約者には決定的な違いがある。


エーテルマスターと契約することで、魔法の素質が与えられるだけでなく、身体能力の基礎値が大幅に書き換えられるのだ。


俺は、ノアとティナの2人と契約していることから、普通の契約者よりも更に基礎値が高くなっている。


つまり、今までは身体能力の面だけで見ると子供と戦っていたようなものなのだ。


しかし、今度の相手は契約者

それも、本当の命の取り合いをするのだ。


「コソコソすんなよっ!!」

奥から男がすごい勢いで飛び出してくる。


「くっ…」

男がティナの盾に突撃し、ティナが耐えきれずに後ろに押される。


「いってぇ…これ以上馬鹿になったらどうしてくれんだ?」

男が頭を撫でながら漫画でよく聞くセリフを言う。


いや、それよりも

防御型のティナが押されたことが衝撃だ


防御型のエーテルマスターは強力な攻撃が来ても踏ん張るために他とは違って足腰が強くなっている。


(この男…相当やばいな)

凄まじくエーテルマスターの力を使いこなしている。


なんとか先生が来るまで耐えられるかわからない。


「もうこれ以上無い馬鹿だから大丈夫よ。」

女の方の声が響く。


ここで軽口を叩くなんて、緊張感がないのか余裕なのか…

おそらく後者だろうな。


コイツラと俺達には絶対的な経験の差がある。

その差を埋めることは簡単じゃないだろう…


(なんとか数での有利を押し出せれば…)


「へぇ、諦めてないわね」

「!?」


突然、目の前に女のほうが現れる。


俺と女の間にノアが割り込む

ノアは俺を後ろに押すと発砲する。


女はすぐに後ろに飛び弾を避ける

(あれをを避けるのか…)


「アイセ、先突っ込むなよ!」

「それで言うならあなたが先よ」


文句を言う男に女が答える。


ティナの後ろから攻撃するのが俺達のできる足止めだろう。

しかし…

(あのスピードは不味いな…)


たとえ盾を広げようとも回り込まれたら意味がない。


増援が来るまで耐えられるか

いや、何としても耐えるしか無いだろう


ここまで読んでくださりありがとうございます。


なんと、ゼインたちの目の前に敵のボス的な人たちが現れてしまいました。

なんという貧乏くじ…


彼らは先生が来るまで耐えられるのでしょうか?

それとも、倒してしまうかもしれません。


…負けるかもしれないと言えばそうなのですが


とにかく、ぜひ次回も楽しみにしていてください。


できれば次回で夏合宿が終わってくれれば嬉しいのですが…

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