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⑦大京の物語 想像の詩人

東へと向かったヨシくん 謎の老人に出会います この短編では 目立ちませんが 他の短編では 主要人物 キーパーソンの一人として活躍します お楽しみに

筑摩は谷間の連続だった。谷底を這うように列車は進んでいく。適当なところで下車することにした。気ままな旅だ。宿も行き当たりばったりだが、ナントカなるだろう。下車駅では名所名跡の案内もそっちのけに、駅の誘致にいかに苦労したかの碑がたっていた。宿は駅前の民宿ですぐ見つかった。なんでも集落の分校の小学校の校長先生がやっているという 校長先生の奥様の話しを茶を啜りながら聞き、早々と集落の散策に出かける。路地の溝はかなり勢いよく清水が流れており流れを遡っていくと途中で二股に分かれ右をいくと分校にたどり着き、左手にいくと集落の外れまでいき、さらには国道を渡って山寺の方にたどり着くそうだった。その先は自然の川だそうだ。宿の奥さん女将さんの話しではそうだった。路地の二股に別れる手前までが店がある商店街で蕎麦屋や玩具屋、土産屋雑貨屋さんが並んであるらしかった。先ずは分校にまでいってみるのことにした。路地を右に急こう配の坂道を登る。突き当たり右に分校があった。校長先生に会うのも気がひけたので、体育館らしき建物に近づいて窓から中の様子を伺ってみる。胴着を着た母娘らしき二人が恰幅のいい中高年の男性から稽古をつけて貰っているらしい。しばらく様子見をした後、坂道を下りて集落の外れにいってみることにした。途中水飲み場があり、柄杓で頂いているとどうやら先ほど薙刀の手ほどきを受けていた母娘連れらしき二人が集落の外れにある医者だか石屋だかの母娘だったと思い当たった。女将さんの話しに出てきていたのだが、気持ちが急くのか疲れからか、きちんと話しを承っていなかった。これではいけないな。頭を振りながら反省をする。振り向きざま背の高いお年寄りにぶつかった。どうやら話しかけようとして近づいてきてたらしい。しきりに謝っていたら、何度も同じ言葉を繰り返しているようだった。お寺?あぁ、お寺さんですね。先ほど聞いたうろ覚えの女将さんの話しからお寺さんの有るらしき方向を指差して見せた。大げさな身振り手振りでお礼らしきものを言い離れていった。急に疲れが出てきたらしい腹の虫が鳴り出した。外れまで行くのをやめ来た道を引き返すことにした。目立つ店は先ほどのお店くらいしかなさそうだった。結局蕎麦屋で蕎麦をすすり玩具屋で花火を土産屋で三角旗を買った。宿の前で花火をし、つまりは駅前、自分よりも周りの見物客を楽しませる。宿の夕飯で鮎飯を頂いていると、校長先生がお客さんを連れて戻ってきた。お客さんは先ほどの背の高いお年寄りだった。校長先生の話だとどうやらお寺ではなく、ホテルはどこと聞いてたらしい。山寺から分校に電話があり。校長先生が山寺まで出張っていったらしかった。山寺でも外国語に不案内で先生のところならと思いついたらしい。有線放送もあるのだがそこまでするのは恥ずかしい。先生の話し中老人は何度も指を立てて左右に振り盛んにノーノーとつぶやいていた。自分も顔が真っ赤っかになっていたことだろう。顔が熱かった。翌朝、イナゴの佃煮だのハチの子だのをおっかなびっくり箸でつまんでいると、件の老人が手紙を手に話しかけてきた。ちなみに老人は健啖家らしく珍味にバクバクと喰らいついていた。女将さんの助けを求めて話しを聞くと、老人はクルマを処分したいらしくこの近辺のクルマ屋に売ってもいいのだが、あまりに手間暇、時間がかかるので、帰国時期が迫っているいま早急にカタをつけたい。ついてはクルマを買ってくれないか?とのことらしい。手紙は校長先生のもので、書類も確かだし、クルマの状態も年式は古いもののエンジンはすこぶる良好。問題は資金の元手だが、君に買う気が有るならしばらくの間だったら立て替えてあげてもいい。とのこと。校長先生は三輪車を購入したばっかりなのであらためて買う必要がない。ということだった。迷ったが、車種を聞いて買う気になった。


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