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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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ある日の始業式①-2 高2(挿絵有り)

「おっはよ〜〜♪」

「おはよー」


ガラガラっと教室の扉を開けて中に入る私達。

私達っていうのは、私の隣に茜ちゃんがいて腕を組んでいるから。


クラス替え表の掲示の所で色々とあった後、そのまま2人でこの教室までやってきたんだよね。

行き先は当然一緒だし、手を握ったり組んだりするのは1年生の時から当たり前の光景だったから、ごく普通にそうして来てしまった訳です。


ちなみに下駄箱探しはちょっと苦戦したんだ。

まず2年の下駄箱がどの辺りにあるのかが分からなくて、茜ちゃんと2人で端から探してやっと2年3組の場所を見つけてホッとした。

前もって場所を見とけば良かったと、この時ちょっと後悔したよね。



「「「「このはちゃん!!」」」」


「「茜もおはよー!」」 


「「「「「おはよー!久しぶりだねー!」」」」」


「元気だった?」


「修了式以来だね。」


教室に入った瞬間にみんなから声をかけられて、取り囲まれちゃった。

みんながそれぞれ挨拶してくれて、嬉しそうに話してくれるの。

私もみんなに会うのは修了式以来で久しぶりだから、嬉しいんだけどね。


「このはちゃん、気付いてる?」


「何が?」


志保ちゃんがそう言ってきたけど、さてなんでしょう?


「私達、旧1年3組の女子みんなクラス一緒なんだよ!!」


「え!? ほんとに??」


「「ほんとほんと!」」 

「「そうなのそうなの!」」


「うわぁ〜〜···。それはまた凄いね。私、気付いてなかったよ···。茜ちゃんは気づいてた??」


「ううん、気付いてなかったよ?このはちゃんと自分しか見てなかったから。」


茜ちゃんは首を左右に振って気付いてなかったとアピールしてる。

うん。茜ちゃんは正直だね。

ま、彼女の場合は私と一緒になれるかどうかという点だけが、1番の最重要ポイントだった訳だし。

そしてあの感極まりだからね。


かくいう私も茜ちゃんに気を取られて、自分のクラスの確認及び担任の先生しか確認してなかったんだけどさ······。


それにしても凄いなと思わずにはいられない。

何がどうあってこの様な編成になったのかは知らないけど、逆に言うと誰一人欠ける事なくまた一緒というのは凄く嬉しいよね!


1年生の終わりの時に、『またみんなと一緒になれたらいいのにねー』って話もしたし、私もこれだけ仲良くなったみんなと別れなくちゃいけないのも寂しくは思ってたから。

それが何の意図だかしらないけど、1人も欠けることなくあの楽しかった1年生時と同じ顔ぶれでまた1年間過ごせるのが、本当にこの上なく嬉しくて幸せ。



「でも、またみんなと一緒になれて凄く嬉しいよ。また1年間宜しくね♪」


「こっちこそ、また宜しくね!」


「よろしくね〜」


「同じくよろしく〜。」


改めてみんなによろしくって伝えて、そういえば······。


「私の席はどこかしら?」


まだ席に着いてない事に気が付いた。

教室に入っで直ぐにみんなに取り囲まれたから、私も茜ちゃんも立ったままだったし。


「えっと、特にこれといって指定はされてないみたいだよ?だから今は、あそことそこと、あの辺がまだ空いてるかな?」


「ありがと、志保ちゃん。取り敢えず荷物下ろすね。」





  ーーーーーーーーーー




「席につけーー。」


みんなとワイワイと話をしてると今年の担任、高橋先生がやって来ました。こちらも去年と同じだね。


「殆どのメンツは1年の時と同じだし、入れ替わった子も授業は担当してるから知ってる筈だから詳しい説明はせんが······改めて2年3組を担任する高橋だ。よろしくな。」


「せんせー。よろしく〜!」


「やったぜ!高橋先生だ!」


いやっほう〜と、男の子達から歓声が上がる。

それにパチパチパチと拍手まで。

パチパチパチと拍手が入る先生の挨拶も珍しいなと思うよね。

それだけ皆から好かれてるって事の表われなんだと思うんたけど。


「ありがとな。俺もまた皆を担当できて嬉しいよ。それでこの後出席をとったら、第2体育館で始業式な。第1は入学式の準備が整ってて使えないから間違えるなよ?戻って来たら、課題の回収、委員会決め、今年度についての大まかな説明するからな。」


「「「はーい。」」」


「じゃ、早速やるぞ。相澤〜」


「はーい。」


高橋先生による今日の予定の大雑把な説明が終わり、出席確認となりました。

最初は相澤くん。この子も去年から一緒だね。


それにしても、第2体育館か〜。

第1より行くのが少し手間で尚且つここ5階からだとかなり遠いんだよね。

これは時間を計っとかないと、体育で使う時に遅刻する可能性があるね。

私達の場合、更衣室に行って着替えるという手間があるから、そういう所も計算に入れて行動しないと大変な事になるんだよね。





  ーーーーーーーーーー



「1階から5階って、上がるのキツくない!?」


「うん、分かるか分かる!」


「結構大変だよねー」


そうみんなが話す今は、始業式が終わった後の休み時間。

始業式を体育館で終えて教室で課題を回収したとこで一旦休み時間になったんだけどね。

1階から5階までっていうのはみんなにとって大変みたいです。

運動部に所属してる子はそうでもないのかもしれないけど、運動が苦手な子はキツイかもしれないね?


「このはちゃんはキツくなかった?」


「私? 私は大丈夫かなー。何回も連続だとキツイけどそれはないしね。いい運動だと思って上がるよ。」


挿絵(By みてみん)


「お〜。このはちゃん前向きだねー。」


「前向きじゃないとやっていけないっしょ?1年間も上り下りするんだし······。」


「それもそうだね。あははは······。」


皆で笑い合う。

幸いなことに私達のコースは、移動教室を伴う授業が少ないっていうのが良かったかな?

音楽や美術、技術や家庭科といった科目がない、もしくは極僅かで。

そして、移動でぱっと思いつくのは朝の登校時と体育の授業と理科系で実験等をする場合、あとまだ分からない掃除の場所次第でとかそんな感じかなー?

あ······、お昼休みもありそうだけど、お昼休みは購買行かないから関係ないか。

いつも教室で食べてるからちね。

それにここから購買行って購入するのは、はっきり言ってキツそうだしね。

1年生の時以上に時間が掛かるし、混むのもあって買えなくなりそうな感じがするし···。




「でも、眺めはやっぱりいいよね〜。」


「そうだねー。」


「「うんうん」」


そんなやり取りも聞こえてきて、ふとそちらに目を向ける。

そして皆で外を眺めます。

まず目に入るのは我が学校の校庭。これは1年生の時も見えてた。

ただ違うのは見え方。

教室のある校舎と校庭との間にはそこそこ高さのある木が並んで植えてあるから、1年の時はその木の隙間から校庭が見えてはいた。


けど今回は5階というのもあってか、その木々の上から眺めるように校庭が見えている。

手前の方は見えないけど、校庭の半分以上は見えてる感じかな。


そして校庭の奥、学校の境界にあるフェンスやその向こう側にある住宅や畑、場所によっては田んぼもこの位置からでは見える。

そして一番奥には山々が。


「たった2階違いだけど、こうも変わるものなんだね······。」


「そうだねー。それにこのはちゃんも居るし、これはこれで悪くないかもね!」


「「確かに!」」


「そだね!!」 


「毎日5階まで上がってこなくちゃいけないに、その先にこのはちゃん居ないってなったらやる気なくすわーー!」


「マジそれな!」


「うんうん。」


「このはちゃんとまた同じ。いやー···良かった良かった♪」


みんなの中で階段上りが、ポジティブな感じに捉えられたみたいだね?

その理由が私みたいだけど、私がいるくらいでそうなれるならいいかなとは思う。

私だって変わらぬみんなと一緒というのは嬉しいしね。

  




  ーーーーーーーーーー



「委員会決めを始めるぞ〜。」


休み時間が終わり、再びやっ来てきた高橋先生の言葉で始まりました。

私達って用がなければこの階から移動しないけど、先生って毎時間も職員室と教室を行き来しないといけないから大変だよねって、今気が付いた。

それに今、私達は5階で職員室は別棟の2階。

1階分少ないとはいえ、それでも大変なのには変わりないしね。

毎年の事とはいえ2年生を担当する先生、お疲れ様です。



「今年からは去年と違って2人や3人必要でも男女ペアじゃなくていいぞ。理由としては数が多くて、おそらく皆何かしら受け持つことになるからな。だからいちいち男女で組むと手間だし人数的にも合わなくなるから。で、去年あったものはそのままで、今年度2年生から追加として文化祭実行委員、林間学校実行委員、それから·····。」



ふむふむ。

高橋先生が説明してくれて、いくつか追加があるみたいです。

文化祭の方は1年生の時は何も知らないからなかったみたいで、2年生からは受け持つと。それに人数もそれなりに必要で······。

まぁあれだけの規模だったわけだから、やはり人数もそれなりには必要にはなるよねと思う。

林間学校も基本は先生のサポートや準備とか、そういうのらしい。


それ以外にもいくつかあって、私はどうしようかな?と悩みます。

去年は人数的に余るから私はやらなかったんだけど、今回はほぼ全員が受け持ちそうな感じだしな······。

文化祭も林間も期間限定だけど、放課後の打ち合わせとかありそうかな?体育委員も運動会の時期はもろありそうだし、ないかなー?

だって、雪ちゃんのお迎えがあるからね。

まぁ、一時期だけだからお母さんにお願いもあるにはあるんたけど。


あと、クラス委員は去年決まらなくってさ、それでクジになって佐藤君と志保ちゃんが選ばれたんだよね。

これもこれで難儀しそうたけど······。



こういうのを決めるのって先生も大変だよなって思う。

最初は立候補制だけど、最終的に決まらなければクジとかにならざるを得ないからさ。

それに高橋先生には恩があるからね。

少しでも力になれればなって思う。



先生が黒板に委員会名を書き込んでいってます。必要人数と委員会名を。

こうしてみると、本当に今年は沢山あるね。

だから先生の言った『決まれば男女でなくてもいい』に、納得した。

これを男女でペアとかいったら絶対に決まらないもんね。

そもそも私のクラスは女子より男子の方が人数が多いからさ。

去年みたく余るならともかく、ほぼ全員が受け持つとなるとそういうしがらみはない方がいいに決まってる。



「このはちゃんは決まった?」


「うん。一応ね。そっちは決まった?」


「うーん······悩んでる。でも、文化祭と体育委員は大変そうなんだよねぇ。去年見てた限り···だからそれ以外かなー?」


みんな悩んでる。それもそうだよね。

特に特定のイベントの委員会は短い期間のみだけど、その期間はとても忙しい。当日も含めて。

だからそういうのは避ける傾向にあるよね。


「じゃ、この中から順に聞くからな。やりたいのがあったら手を挙げるように。多ければじゃんけんで、最終的にいない、足りない場合は決まってない人の中でクジで決めるからな。ここまでいいか?」


「「「はーい」」」


さて、いよいよです。


「ではまず、クラス委員長な。これは去年からも分かるようにクラスの纏め役。俺の手伝い。あと文化祭でのクラスの出し物決めたり準備したりとやる事は色々とある。これをやりたい人いるか〜?」


······やはりいないね。私以外は。


「お!鈴宮か。うん、悪くないな。寧ろ適任といったところか。」


そう、今回私はクラス委員長に手を挙げました。

理由は先生の力になりたいのと、多分だけど他の委員をやっても文化祭の時にまたサポートを頼まれる様な気がするんだよね。

だったら最初からクラス委員やったほうがいいよねって思った次第です。


「1人は鈴宮で決まりと······。他はいないな。じゃあ次にいく「「「はーーい!」」」」ぞ···?」


私しか挙手がないから先生が次に行こうとした矢先に、手が沢山あがったの。

これには私も先生もビックリ!


「······お前等、どんだけ鈴宮が好きなんだよ···。」


「あははは。先生、何を言ってるんですか?そんなの当たり前じゃないですか?私達みんな、このはちゃんのこと、大好きですよ。」


「「「だよねー!」」」


皆が揃って肯定してくれて。

私はもはや苦笑いです。

前々から皆が好意を持ってくれてたのは分かってたから、驚きはないんだけど、こう言われるとさすがに照れるよね。



「まさか、去年あれ程難儀したクラス委員がこうもあっさりと決まるとはなぁ······。じゃ、挙手が多いからジャンケンなー。」



そう言って始まる、クラス委員の残り一枠を決めるジャンケン。

白熱したのは言うまでもない···。


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