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ある日の休み時間①−2 高1 (挿絵有り)

2023.10.07 加筆修正致しました。イラストも変わってます。

――― 中本彩 視点 ―――


私は中本彩。

隣りに座っている鈴宮このはちゃんのクラスメイトで友達です。

入学式の時に席が隣だったので挨拶をしたのが切っ掛けで仲良くなりました。

あの時、勇気出して声かけた私にgood job!


今はこのはちゃんとクラスの友達数人と教室でお昼を食べてる最中なんだ。

それぞれパンだったりお弁当だったりを持参してきてて、お喋りしながら食べてます。

楽しい時間はあっと言う間でいつの間にか食べ終わり、そのまま楽しんでると一人の子がお手洗いに立ったので私もついでに行くことにしました。

そしたら「私もー。」って他の子も同行することになって、ほぼみんなで行くことになっちゃった。

ほぼと言うのは、このはちゃんは行かないみたいで「行ってくるね」って声を掛けたら、手をピラピラ振って「行ってらっしゃい」って応えてくれたんだ。


教室を出て、みんなでぞろぞろとトイレに向かいます。

ここの高校は生徒数も規模もそれなりに大きいので、トイレも各階に2箇所ずつあります。

それくらいないと短い休み時間の間に間に合わなくなるし、女の子はどうしても時間が掛かるからね。

広さも個室もそれなりにあるけれど、やはり使用中でみんなが1度には使えなかったので、とりあえず順番待ちをすることになりました。

待ちながらも話はしてたんだけど、いつの間にか話題はこのはちゃんの事になってました。



「このはちゃんて、ほんとーに綺麗だよねー。」 


「ほんとほんと!マジ、あの髪は反則級の綺麗さで美しさだよ!」


「「「ねー。」」」


満場一致です。でも納得だよ。

だってこのはちゃん、日本人なのに黒髪ではなく、欧米人にもない白色の髪。

アルビノっていう一種の疾患で産まれたらしく、その影響であの様な姿なんだって教えてくれたけど。

それに、このはちゃんは白色と言ってはいるけれど、実際に近くで見てみると白は白でも一般的に老化とかで増えてくる白髪ではなく、透き通る様な感じの白色なんだよね。

言ってる意味が分からないでしょ?

だって私にも分からないんだもん。そうとしか表現出来ない色というか不思議な感じなんだし。


だから偶に見かけるほぼ全体が白髪のお年寄りとかの髪とは全く違う美しさと綺麗さがあるんだよ!

おまけにサラサラで癖っ毛のない真っ直ぐなストレートロングヘアーだしさー。

髪色は真似できなくても、あの癖のない髪の毛は憧れちゃうよ······。




「髪以外にもさ、瞳とかスタイルもヤバいよね!」


······うん、これも納得です。

瞳もアルビノの特徴らしいけど、ルビーみたいな綺麗さでこのはちゃんの髪や肌の白さも相まって美しさに磨きをかけてるんだよね。

薄いブルー系っていうのかな?そういうのは外国人さんでは見たことはあるけど、このはちゃんの赤はないよね。

色付きのコンタクトをつけてもあれの再現は無理そうだしさ。


それにあのスタイル。

このはちゃんは160センチちょい身長があるらしいんだけど、太ってもないし痩せてもなくて、女の私から見ても凄くいい体型をしてるの。

簡単に言うとボン・キュッ・ボン。

え?言い方が古い?

でも、凄く分かりやすいでしょ!?

胸はあるし腰はくびれててお尻もプリッとしてて羨ましい······。

ファッション雑誌とかで下着姿や水着姿のモデル写真なんかを見たことあるんだけど、あの人達より凄く凄く魅力的なんだよ。


そして、ときおり魅せる色気っていうのかな?

本人は無自覚なんだろうけど、あれも中々にヤバいんだよ。

私達、女子でも見惚れるぐらいなんだもん。男子なんてかなりやられてるらしいよ。


他のクラスの男子が休み時間にチラチラと見に来たり、移動教室の時なんかはすれ違う高学年の人達が歩くのを止めて見てるくらいだしね。

勿論そこには外人さんみたいな、このはちゃん見たさがあるのは分かってる。

よくあるカッコいい又は美人な転校生が来たらつい見に行ってしまうっていうあれ。

そんなんでこのはちゃんを見に来ては、みんなその魅力にやられていくの。


それに密かにファンクラブがあるとかっていう噂もあるし。

ちなみにこのはちゃんは、男の子に興味はないみたいなんだよね。

なんでだろう?

すっっごくモテると思うのに。男の子嫌いなのかな?

でも話しかけられれば普通に受け答えたりしてる時があるから、嫌ってる訳ではなさそうなんだよね?

うーん、考えても分からないや······。



それと容姿以外にも、性格も素敵でいいんだよねー。

穏やかで優しくて、声も聴いてるだけで落ち着くっていうかそんな不思議な感じになる。

話すのはちょっと苦手みたいで、どちらかと言うと聞き上手な感じ。

それに私達を温かく見守ってくれてる様な感じがして、それが私達には凄く居心地がいいの。


そんなこのはちゃんを見てると、あれで私達と同い年なんだよ?

凄いよね。信じられないよ。(この時点ではまだ19歳とは知りません)

それに比べて私なんて背は標準位だし、胸もそんなにあるわけでもない······。

可愛いとは言われる事もあるけど、それは多分若さゆえだろうし······。

今度秘訣でも教えて貰おうかなぁ······。



このはちゃんって、本当に不思議で魅力的で美しくて······。

「ちゃん」呼びは失礼かな?

「このはお姉様♪」って試しに呼んでみようなか?

それとも······女神さま??


挿絵(By みてみん)







さて、みんなの用が済んだので教室に向かいます。

あと少しで5時間目かぁ······と、暗い気持ちになりながら教室に戻ると、このはちゃんが机に腰掛けながら窓の外を眺めていました。



なんだろう·····凄い絵になる······。



先程みんなとこのはちゃんの事を話してて、ちょっと意識しちゃってるからヤバい。

それにあの雰囲気。なんだか話かけづらいよ。


ふとクラスの中を見渡すと、みんなもそんな感じで見つめてる。

教室も何気に静かだしさ。

もしかして?! 

みんな、このはちゃんを見てるの?マジで!?


でも黙ってても始まらないので、ここは心を鬼にして呼びかける!



「このはちゃーん。おまたせ!」


って声をかけたら、このはちゃんが振り返って微笑みながら


「おかえり」って。


挿絵(By みてみん)


……

………ゃ…ばい!ヤバいよ。


何!?あの微笑みは!

破壊力がヤバすぎるんですけど!?

高校生にあんな表情が出来るもんなの!?って思いながら、私は顔が熱くなるのを感じる。 


そして、こう結論。



ーここに慈愛の女神がいるー


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