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ある日の休日④《大晦日》 (挿絵有り)

今日は12月31日。大晦日。

家族みんなで年越しそばを食べて、テレビを見ながら少しのんびりした頃。


「雪ちゃ〜ん、お風呂行こっか?」と、声を掛けました。


「うん」


「葵も一緒に入る?」


「ん〜〜···私は後で入るからいいよ。流石に3人だと狭いからさ。」


葵も誘ってみたけれど、断られちゃった。

我が家のお風呂は広い方なんだけど、それでも葵が言ってた様に3人だと流石に狭くなっちゃう。

2人なら向かい合って入れば、まだ平気なんだけどね。

それにさ、お風呂自体は狭くなっても葵と3人で入ると意外と楽しいんだよねー。 

雪ちゃんが私とは違うやり取りを始めるし、それに対応してくれる葵を見てるのが面白くて···。

今夜は残念だったけど、近いうちにまた一緒に入りたいなと思っちゃった。



さてさて、階段を上がって部屋に着替えを取りに行ってから、雪ちゃんを連れて脱衣所へ向かいます。

脱衣所兼洗面所は予め暖房を付けていたから、そこそこ暖かくてそんなには寒くない。

これはヒートショック対策を兼ねてはいるんだけど、一番の理由は湯船から出た時にとにかく寒いからつけてるんだ。

身体が温まってるから余計に寒く感じるしね。

それ対策ってのがホントの理由です。


そんな脱衣所に着いたら、洋服をぽんぽんと脱いでいく雪ちゃん。

そんな様子は子供ならではだよね。


脱ぎ終わった雪ちゃんに「先に身体洗っててね。」と伝えてから、まず雪ちゃんの脱いだ服を整えます。

冬になって厚手の服を着るようになったから、裏返しで脱ぐんだよね。特に上着を。

脱ぎづらいってのは分かるし、それにまだ5歳だからね。仕方ないです。

脱いだ服を私達用の洗濯かごに入れてしまい、お風呂用の玩具を持って中に入ります。



「雪ちゃん、身体洗えた?」

「うん。まま、洗えたよ。」

「よしよし。偉い偉い。じゃあ、そのまま髪の毛も洗うね。おめめ閉じといてね。」

「うん。」


髪を軽くシャワーで流してからシャンプー、コンディショナーと順に洗っていきます。

優しく且つ丁寧に。私と同じ髪色に髪質だから、扱いは楽です。

雪ちゃんは将来、髪を伸ばすのかな?なんて考えながら洗っていきます。


「はい、終わり。湯船に浸かっててね。ママも直ぐ入るからね。」

「はーい」と返事をして浸かる雪ちゃん。

「熱くない?」と聞けば「だいじょーぶ」とのこと。

まぁ、私が熱いのを好きじゃなくて温めにしてあるから、大丈夫だとは思うけど一応念のためにね。


雪ちゃんが待ってるから、素早く且つ丁寧に自分の事を済ませて湯船に入ります。


挿絵(By みてみん)


「あ〜温かい。やっぱり冬はお風呂が気持ちいいね。」


つい言葉に出ちゃうけど、仕方ないよね。だってそうなんだもん。

夏場はほぼシャワーのみだけど、冬は湯船で身体を温めないとシャワーだけじゃ風邪引いちゃうからね。


「ねぇねぇ、まま?」 


「ん?なーに?」 


「明日はひーじいちゃんちに行くの?」


「うん、そうだよ。明日はお爺ちゃんの方のひーじいちゃん家だね。その次の日はお婆ちゃんの方のお家だよ。」


そう、明日は同じ県内に住んでるお父さんの方のお爺ちゃんちにお正月の挨拶も兼ねて遊びに行きます。

こちらは交通の便的に多少時間がかかるものの、同じ県内ということで日帰りです。

次の2日の日は泊まりで新潟のお母さんの方の家に。

お父さんの方は同じ県内だから代わり映えはしないけど、新潟は違う。

辺りの一面、雪一色。さすが雪国って感じ。

行くのは夏場と違って時間もかかって大変だけどね。


ああ、あと、テレビも違うんだよね。

CMも違うし、毎日放送してる情報番組の内容も一部の違う。

天気予報コーナーは当然地方のに変わるし、特集コーナーなんかも関東をやってる所を地方の特集になってたりとか。

後は毎週の収録番組やアニメの放送曜日が違ってたりして、そこで番組プレゼントがあると、その締切がこちら地方の放送日には閉め切れててダメじゃん!ってなることもしばしば······。


そんな違いがあるから、行くのは楽しかったりするんだよね。



「雪ちゃん、新潟のお爺ちゃんちに行ったら何して遊ぶ?やっぱり雪だるま?」


去年は雪だるまと敷地内の坂道を利用して、ソリ滑りをしたんだよね。どっちも楽しく遊んでたけど。


「うん!去年よりおっきいの作りたいの!あとねー、そりとかまくら!」


わぉ。

去年より大きいのと来たよ。雪だるまは意外と大変なんだよね、特に頭。

やり過ぎると持ち上げられなくなるから、程々の所でくっつけてから周りに雪を付けて大きくしないとね。

かまくらもか〜······。


「そっか〜。じゃあ、お爺ちゃんにも手伝って貰わないとだね。かまくらは雪の量次第だけど、作れるといいね。」


「うん!」


嬉しそうに「うん!」なんて言ってるけど、実際問題、雪の量がそこまであるかなー?と思う。

いくら雪国新潟といえど、お婆ちゃんちは豪雪地域ではなく、そこそこの降雪の地域なんだよね。

山沿いの地域みたいにメートル超えは今はないみたいだし、寒波なんかで一晩に70センチとか降ったりすることはあるみたいだけど、それも稀だしねぇ·····。

でも雪ちゃんの楽しみだから、ちっちゃくてもいいから作って上げたいなとは思う。



  ーーーーーーーーーー



「お風呂上がったよって、何見てるの?」


リビングに戻るとお父さんの姿はなく、お母さんと葵がバラエティーを見てたみたい。


「あ、お姉ちゃん。あれだよ、笑って◯◯◯シリーズ。」


ああ、アレかと思い出しました。

年末のみにやってる大型のバラエティー番組だね。

葵は好きみたいで毎年よく見てるみたいなんだけど、私としてはちょっと微妙なの。

面白いことは面白いんだけど、あの叩かれてるのを長時間見てると可哀想に見えちゃって、心が痛むんだよね。

最後のビンタも定番となってるけど、あれもね〜···。





「雪ちゃんおいで〜。絵本読んであげる。」


ソファーに座って絵本を持って来た雪ちゃんを抱っこして、いつものルーティンです。


挿絵(By みてみん)


「まま〜、きょーはお布団いかないの?」

ああ、そっか。いつもはベッドで絵本読んでから寝んねだもんね。


「今日はママね、暫く起きてるからこっちなんだよ。でも雪ちゃん、眠くなったら寝ていいよ。ママが抱っこしててあげるからね。」


「うん。」


雪ちゃんの返事を待ってから、絵本を読み始めます。

今夜はプリンセス物が多いな?シンデレラとか白雪姫とか。

チラッと前を見れば、テレビからワハハハハと笑い声が聞えて、デデーン!アウトー!!なんてやってます。

なんとも対極的なリビングだね(笑) 



2冊目を読み終わりそうな所で雪ちゃんが寝ちゃった。

いつもよりは少し遅いけど、まぁ許容範囲かな。


「お母さん、ちょっとブランケット取ってもらっていいかな?」


「いいけど······あら?雪ちゃん寝たのね。相変わらず可愛い寝顔だこと。ちょっと待っててね。」


そう言って取りに行ってくれるお母さん。

その間に雪ちゃんの向きを変えます。前を向いて座ってたのを横向きにして私にもたれ掛かるようにしてと。


「はい、ブランケット。このは、大丈夫?雪ちゃんソファーに寝かす?」


「ありがとー。大丈夫だよ、そんなに重くもないから。それに、温かくてぬくぬくしてるから気持ちよくて、こっちも寝ちゃいそうだよ。」


「あらあら。まぁたしかに、子供は体温高いからねぇ。」


受け取ったブランケットを雪ちゃんの上からかけてあげる。

同時に私にもかかるんだけど、ぬくぬくして丁度よい。

部屋の中は暖かいけど、念のためにね。

それにしてもホントに温かいよね。子供って。

温かいからさ、冬は一緒に寝てて気持ちいいんだよね。



「葵〜、少しボリューム上げてもいいよ?そういえばお父さんはどうしたの?」


「はーい。お父さん······あれ?どうしたっけ?」

「お父さん、隣の部屋で撮り貯めしてるのを消化してくるって言ったわよ。」


お母さんが補足してくれた。

年末年始は特番が続くから、つい気になったのを色々と録画しちゃうんだよね。

私も少し入れてあるからどこかで見ないといけないんだけど、中々見る時間が足りない······。

まぁ、少しずつ時間かけて消化していけばいっかと結論付け、テレビの方に集中することに。


お母さんと葵が楽しそうに見てる。

たまに紅白にチャンネルを変えながら。

我が家は紅白は見たい所だけ見る派だから、ずっと通しでは見ないんだよね。

私は見たいなと思う所がないからあまり気にしないんたけど、どちらかと言うと子供向けの番組(映画でもいい)放送してくれないかな?と思う。

夏休みはト◯ロとか魔女の宅◯便とかやってくれるのに、年末は歌にバラエティーに格闘技ばかりだしさ、まぁ、録画してあるアニメとかを見ればいいんたけども。



「····ちゃん。」

「お··えちゃん。」

「お姉ちゃん!」


肩をポンポンされて気付く。


「あれ?葵??」


「お姉ちゃん大丈夫?寝てたよ?」


「あ〜······そうみたいだね。寝たの記憶にないや。ありがとね、起こしてくれて。」


少し頭がボ~っとしてる。

雪ちゃんを抱っこしてて温かいから、いつの間にか寝てしまったみたいだね。


時計を見てみると年越しまであと数分か。

危ない危ない。今夜は年越しの瞬間までは起きてようとしてたのに、危うく寝過ごす所だったよ。

雪ちゃんは変わらず私の腕の中で、スゥ~スゥ~って寝てます。

頭を撫でながら、そういえばと思って聞いてみます。


「葵はお風呂入ったの?」


「いや、まだだよ。ついさっきまで笑っては◯◯◯を見てたからさ。年越しを見てから入るよ。」


「そっか。さっすが元気だねー。若いっていいよね。」


「お姉ちゃんだって若いじゃん。何を言ってるのよ〜もう······。」


葵に呆れ気味に言われちゃった。

そりゃ〜、私も若いけどさ、元気差じゃ葵には勝てないよ。

そもそも性格というか、タイプが違うからね。

私はどちらかというとインドア派系だし、葵はその逆。

お母さん曰く、それは学校の成績にも現れてるって言ってた。

私は葵の成績は知らないけど、私は勉強の方が得意で葵は体育が得意なんだって。で、勉強の方は苦手って言ってたね。


そんな違いがあるから、行動に対しても差があるんだなって感じる。


さて、そんな中で我が家のリビングのテレビで映してるのは年末恒例アイドルの年越しライブ。

こっちもこっちで元気だね〜。

歌う方もだけど、見に来てる観客も



さて、いよいよだ。


10···


9···


8···


7···


6···


5···


4···


3···


2···


1···


0!!



   Happy New year

お風呂のイラスト、雪ちゃんの髪の長さとか色々と差異があるのですが、ご了承ください。

こういったシーンの絵は上手く作れないので······。

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