ある日の文化祭①-14 高1(挿絵有り)
2023.10.31 加筆修正しました。
無事着きました、ショッピングモール!
ノリ的にはショッピングモールを背景に、腕を広げてドドーンと紹介をしたい所だけども。
有名な某テーマパークでもないので、気持ちだけにしときます。
みんなと集合した駅から電車で数駅先の駅へ向かい、そこからシャトルバスで到着です。
今はショッピングモールとかアウトレットとか、全部って訳じゃないけど最寄りの駅からバスが出てたりするので、電車で来る人には助かるよね。
ここも以前に来た時に、たまたまバスを見かけて覚えてたのが良かった。
それと車で来ればよかったんじゃない?って思うかもしれないけど、私の車は4人乗りだから乗り切れないんだ。
それに私はみんなより先に帰るから、そうするとみんなの帰りの足が無くなっちゃうの。
なので、電車とバスで来れるここにした訳です。
でも、この電車とバスの移動もなかなか良かったよ。
みんなと話しながらのんびり行けるし、公共交通機関を使って行くというのが新鮮でさ。
地方は都心部と違い車中心だから、出掛けるにしても公共交通機関を使うことが殆ど無いからね。
「さて着いたけど、どういう風に見てく?」とみっちゃん。
「そうだねぇ······。」
「う〜〜ん······」
みんなで考える。
ここのモールは複数階構成になっていて、階層でややお店のジャンルが変わるんだよね。
とは言っても、そこまで違うわけでもないけど。
「1階から歩いて行ってさ、気になったとことか入ればいいんじゃない?」
「そうだね!それでいいんじゃないかなー?」
「おっけおっけー!」
深く考えることもなく、その意見にそれで行こう!って事になって出発です。
1階は食品絡みのお店とファッション系&雑貨系が多いかな。
スイーツ系を見つけては美味しそうだよね〜なんて語ったり(まだ早いから食べないけど)。
ファッションもあれどう?とかこれ似合う?とか。
女の子同士だと、こういうの一つでもとっても賑やかだよねって改めて思っちゃった。
ここ数年は家族とくらいしか来てなかったからさ。
······いや、友達と買い物というのが初めてかも??
「このはちゃんは、どういうお店とか好き?」
お店を見て歩きながら、会話の中でお店の好みを聞かれたよ。
「そうだねぇ。今はアパレル系よりは雑貨系かなー。色んなジャンルの小物をあれこれ見てるのが楽しいんだ。」
「雑貨か〜。」
「そうそう。展示のを見て部屋の中をこういう風に出来たら素敵だろうな〜とか、ここにこういうのを飾ってみたいなとか。そういうのを妄想しながら見てるのが楽しくてね。」
実は私、アパレル系はあまり興味とかないんだよね。
もちろん必要になればきちんと見て選ぶけど、流行りだからとかそういう理由で選んだりはしないかな。
見て気に入って、尚且つ値段。ちょっとでも高いなと思えば買わないし······完全に主婦目線だね。
でも1番優先するのは雪ちゃんの物。自分のはもっと後。
子供は直ぐにサイズアウトするから、こまめにチェックしとかないといざって時に、あれ?サイズが小さい?!なんてなるんだよね。
だから今使ってる夏物なり冬物なりの枚数とかサイズを確認しといて、来シーズンは買い替えかな?と思えば、シーズン終わりの処分セールとかをチェックしたりするんだ。
それでいいデザインのが見つかると「やった!いいの見っけ!」なんて喜ぶし、そうでなくても安ければそれはそれで嬉しいよ。
新しく買っても精々2年くらいでサイズアウトだからね。
そんなこんなでみんなで見てまわって。
アパレル系の店で私が子供服を見てるとそれに気づいたみんなが、
「このはちゃん、やっぱりお母さんなんだね〜」
「こういう服は雪ちゃんにどうかな?」
なんて言ってきたりしてくれて、結構新鮮だった。
たまにお母さんと雪ちゃんの3人で買い物に行くこともあるけれど、基本は雪ちゃんとの2人が多いからね。
あとはゲームセンターでも遊んだよ。
定番ではあるけど、みんなでプリクラやUFOキャッチャーなんかで遊んだりして、盛り上がってとっても楽しかった。
特にプリクラ。実は私、初めてだったんだよね。
小学生の時はこういう所に来ても、基本家族で来てるからプリクラなんて撮らなかったし、中学以降は言わずもがな。
それなんで、「プリクラ実は初めてなんだ。」って伝えたら、みんな驚いてたけど直ぐに「じゃあ、このはちゃんの初を私達がゲットだぜ!!」って、どこかのポケモン主人公みたいに言って喜んでた。
で、感想。
写真とった後の色々と書き込んだり出来る機能、あれが面白くて楽しかったよ♪
写真自体も選び方次第では、リアルと違う風な私達になってさ。(主に目とか)
「このモードは止めない?可愛くないんだけど!?」
みたいなやり取りもあったりで······。
そんなこんなでワイワイと見て遊んで過ごして。
正午も少し過ぎた所でお昼にしようってことで、フードコートへ行きました。
席を確保してからそれぞれ好きな物を注文です。
こういう所は何にしようかな?って悩むよね。
うどんにラーメン、ご飯物、定番のバーガーに軽食物。
どこでもよく見かけるテナントなんだけど、いざ選ぶとなると悩むんだよね。不思議だよ。
一通り見てまわって、結局パスタにすることにしました。サラダと飲み物のセットで。
平日というのもあってか、空いていたので比較的直ぐに出来上がって席へ戻り、みんなと食べ始めました。
「このはちゃん。雪ちゃんの写真をまた見せて貰ってもいいかな?」
「いいよ〜。」
座って食べ始めて早速、雪ちゃんの写真を見たいとお願いされたんだ。
私としても特に断る物もないので快く了承して、スマホからアルバム機能を起動してみんなに貸してあげたんだ。
「やっぱり可愛いねー」
「本当〜♪」
「このはちゃんも可愛いし♪」
この間は大勢いてじっくりと見れなかったからか、今日はみんなじっくりとよく見てるね。
「見るのもいいけど、食べないと冷めちゃうよ?」
「うん···」
よく見てて、手が止まってるから声をかけたんだけど、返事も上の空でみんな雪ちゃんに夢中になってる。
雪ちゃんが可愛いいやら、私にそっくりだの、私が若い·可愛いとか······。
キャーキャー言ってるみんなを眺めながら、私は普段作らない味のパスタを美味しいなぁ······なんて思いながら食べてたんだけどね。
「子育てって大変?」
食べ終わってセットの飲み物を飲んでると、雪ちゃんの写真から一段落ついた彩ちゃんからそう聞かれた。
「う〜ん······大変と言えば大変かな。新生児の時はミルクだって3時間ぐらいであげなくちゃだし、オムツ交換も頻繁だし。それが昼も夜もだし、グズって泣いたりしてれば夜だって寝れない事もあるからね。それを夫婦で、または1人でこなすのはキツイとは思うよ。」
あの頃を思い出しながらお話しします。
「私はお母さんがサポートしてくれたからまだ良かったけど、1人で世話してる人はすごいと思うし尊敬するよ。」
「そうなんだ···赤ちゃん可愛いなぁって思うけどやっぱり大変なんだね。」
「そうだね······でも、苦労した分の幸せとか楽しさってのもあるよ。ハイハイとかの時期になると物を掴んだりして喜んだり笑ったりとか感情も出てくるし、歩き出せば心配事も増えるけどやっぱり嬉しいし、言葉を話すようになればもう···ね。」
みんなが歓心したような声をあげてくれる。
「今だと一緒に遊んだり本を読んであげたり、一緒にお風呂入ってて着替えさせて一緒に寝る。子供中心の生活だけどそれはそれで充実してるし幸せだよ。」
みんなにはざっくりと話したけど、やっぱり実際は大変だよ。
一人目だと右も左も分からない中で世話しないといけないし、仮に知ってても実際にやると違ったりするし、ミルクでもオムツでもなくグズり出せば理由が分からないから困り果てる。
それが夜中なら余計に辛い。自分も休みたいのに休めないから。
急に具合悪くなることもあるから常日頃から様子をよく観ておかないと先生に説明出来ないし、夜間だと夜間受付してくれる所に行かなくちゃいけないしね。
だからそういう所も事前に調べといておかないと、いけなかったりする。
二人目以降なら勝手は分かってても、年の差次第では両方を面倒見ないといけなかったりするし。
そういう色んな苦労があるから親とかのサポートを貰えればいいけれど、みんながみんな、サポート貰えるわけじゃないから、そりゃあ育児ノイローゼとか起きちゃうよねって思う。辛いけど···。
だから、やっぱり···
「雪ちゃん産んで良かったなって思うけど、みんなには私みたいに学生で妊娠とかして欲しくないかな。体験してみるとさ、学生生活の楽しかった事、面白かった事、辛かった事、色んな事が思い出として残るけど私の中学時代の思い出は殆どないからね。それに気軽に遊びに行ったりとかショッピングするとか、そういうのも子供が出来ると制限されちゃうからね。だから、今は学生生活を満喫して欲しいなって思うよ。」
「このはちゃん······」
「あ、ごめんね。ちょっとしんみりしちゃったね···。折角楽しく遊んでたのにさ···」
暗くさせちゃって申し訳ないなって思ってると、
「心配してくれてありがと、このはちゃん。大丈夫だよ。私達みんな付き合ってる男の子いないから。」
「そうそう!彼氏いないけどね(笑)」
「それよりこのはちゃんだよ。中学時代はあまり思い出なくても、高校生活はまだこれからじゃん。これからいっぱい思い出作ろうよ!」
「そうだよ。私達みんなと学生生活を満喫しよ!」
「「うんうん」」
「···ありがとう。みんな。優しいね···」
みんなの優しい気持ちが凄く嬉しかった。
ありがとう、みんな。
「よーし!もうちょい休んだらまたいくぞー!」
「「「おー!」」」
······若いって素晴らしいね。
いつも本作品をご愛読頂きありがとうございます。
一応、文化祭の一連のお話は今回で終わりとなります。
長々となりましたがここまで読んでお付き合い頂き、ありがとうございました。
雪ちゃんの存在も何処かでクラスメイトに教えないとなって考えた時に、やっぱり文化祭かーってなりました。
特にバラした時のみんなのドタバタぶりを面白く表現出来たらな、と思ってはいたのですが、中々難しいですね。
これからも日々精進してまいります。
このはちゃんの物語もまだまだ続きますので、宜しければ今後もご愛読宜しくお願いします。




