表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/236

ある日の文化祭①-11 高1(挿絵有り)

2023.10.30 加筆修正しました。

「さて、お笑いライブは第2体育館だね。行こっか。」


先生と別れたあとプログラム表を確認して、第2体育館に向かいます。


「体育館が2棟もある学校も珍しいわよねぇ〜。」


「うん、それは私も思う。なんでも、災害対策用も兼ねて新しく作ったとかって聞いたけどね。」



お母さんがそう言うのもご尤もで。


以前に体育の授業を男女別の体育館で行ったことからも分かるように、私の通うこの桜ヶ丘高校には体育館が2棟あります。

第一体育館は一般的なよくあるタイプの。わかり易く言うと、天井裏が下から見えてて鉄骨なんかも見えてるやつです。

たまにバレーボールか何かが鉄骨の隙間とかに挟まったりしてるよね。


それに比べて第2体育館は最近出きたらしく、こちらは屋根裏が見えなくてちゃんと天井が付いてるの。勿論体育館だから高さはそれなりにはあるけど第1体育館よりは低いかな。

そしてなにより、エアコン完備。

これは災害時の避難先として体育館を開放するにあたり、従来の体育館では夏場は過ごせないとのことから新しく新設に至ったらしいです。

普段の授業ではエアコンは使わないんたけど、あるのはいいよね。

ちなみに第2体育館では球技など壁や天井に物が当る可能性のあるスポーツは禁止されてます。



そして今回の文化祭。

勿論第1体育館でも催し物はやってます。

こちらは第2と比べてステージも広く大きく校舎からも近いのもあって、演奏や演劇物といった道具を必要とするのもがメインで。

逆にこちらの第2体育館はライブやダンスなど身軽に出来るのをやってます。

体育館が2棟あるおかげで沢山の発表が出来るのはいいんだけど、見たい物が被ると大変だね。

 



「さて、どこに座ろっか?」


たどり着いた体育館。

中を見渡して見るとステージを前にして椅子が沢山並べてあって、皆さん好きな場所に座ってる様子です。

それに今は丁度発表と発表の間の休憩時間らしく、席もそこそこ空いてます。

どこがいいかな?3人分空いてる場所はあるかな?と探す私。

すると···。



「あら? あそこに葵がいるわ。」



あ、本当だ。 

真ん中辺のやや右寄りの位置に、葵とそのお友達が仲良く座ってるのをお母さんが見つけた。

それに丁度後ろの席が空いてるから、あそこにしようかって事で早速向かいます。

私達が声を掛ける前に雪ちゃんが気づいて「あおいねーね!」って突撃しました。

葵も突然でビックリしたみたいだけど、受け止めてくれた。


「うわっ!? ゆ···雪ちゃん? 来たんだね。」


「うん!」


嬉しそうな雪ちゃん。

抱きついてスリスリなんてしてるしね。


「お母さんにお姉ちゃんも。こっちに来たんだ?」


「うん。葵達が来てから暫くした、お昼ごろに来てくれてね。」


「あら?葵のお友達?いつも葵と仲良くしてくれてありがとう。これからも葵のこと、よろしくね。」


「あ、はい。こちらこそ良くしてもらってます。」

「私も仲良くしてもらって、ありがとって感じです。」


「も〜、何言ってるのよー。」 


なんてやり取りをしてるお母さんと葵たち。



「私達もこれから見るんだけど後ろいいかな?」と訪ねます。


「うん、いいよー。」

「どうぞどうぞ」


そんなやりとりをして、葵達の後ろに座ります。


「ところでお姉さん?」


「ん?何かな?」


葵の友達が私に声を掛けてきました。何だろう?


「この子はお姉さんと葵の妹ちゃんですか?お姉さんにそっくりなんで。」


「さっき葵ねーねって、言ってましたし。」 と、お友達。


ああ!と思う私達。

「ねーね」なんて聞くと、更に勘違いするよね。

私は隣に座る雪ちゃんの頭を撫でつつ。



「この子の名前は『雪』ちゃんで、妹じゃなくて私の娘なんだよ。」


「え?!」

「うっそーー!?ホントですか!?」


毎度お馴染みの反応です。

友達の隣で葵が必死に「しー、しー」なんてやってます。

周りにも人がいて、あまり大きな声を出すのもよくないからね。

暫くして。


「じゃあ、葵も叔母さんか〜(笑)」


「やめて!? やっとねーねって言って貰えるようになったのに······。」


「「あははは」」

「やっぱ、叔母さんは嫌なの?」


「それはそうだよ。言われるにしても、せめて30歳くらいならいいかなと思うけどさ〜。」


面白いね、葵達は。

でも葵の言ってる事も、分からなくはないんだけどね。

実際の甥·姪から言われる「おじ·おばさん」も、それ以外から言われる「おじ·おばさん」も発音は一緒。

それに、一般的にはそこそこ歳をとってから言われるような言葉だから、若い時に言われると歳をとった様に感じて嫌なんじゃないかな?と推測する。

それに葵は10代前半でだもんね。

ごめんね、葵。



「ねえ?まま。」


「どうしたの?雪ちゃん??」


雪ちゃんが首を傾げて、何やら不思議そうな感じで私を呼んだ。


「おばさんってなーに?」 ピクッ!


「おばさん? おばさんって言うのは、ゆき「ああー!雪ちゃん。おばさんって言うのは気にしないでいいんだよ。忘れちゃって!」······。」


「葵〜〜······。必死過ぎだよー···。」


必死な葵。

雪ちゃんに一生懸命におばさんと言わせないように、あれこれとやっている。

それを見て笑う私達と、不思議に思ってる雪ちゃんなのでした。





ビーーーーっという音と共に緞帳が降りてお笑い系のコーナーが終わりました。

漫才から始まり、コントや一発芸など色々とやってくれた。

それに雪ちゃんもコントや一発芸が面白かったようで楽しんでくれた様です。


「結構面白かったわね。」


「そうだね。葵達は他のも見たんだっけ?どうだったの?」 


気になってたので聞いてみます。


「そだねー、演奏とか合唱なんかは部活なだけあって、上手だったよ。演劇は未知数だったけど、蓋を開けてみたら本格的で凄かった。」


「ほんとー。高校生であの演劇はすごいよね。凄いと言えば、ダンスは特に凄かったね!!」


「あー!ダンスね!確かにあれは凄い迫力だったね!グループ物も凄かったけどさー、個人で踊ってた人もかなりのものだったよ!」


「ブレイクダンスって言うんだっけ?あの動きヤバい!」


「うんうん。」


概ねは好評だったようだけど、特にダンスが凄かったみたいだね。

葵達の感想が特に凄いから。

私も来年は見てみようかな?

そんな風に思っちゃったよね。



  ーーーーーーーーーー



体育館を出ると、もう夕暮れでした。

11月中旬ともなると日が暮れるのも早いよね。

まだ午後4時前だというのに、だいぶ薄暗くなってきた。



「みんな、今日は来てくれてありがとう。気をつけて帰ってね。」


「「はーい」」


「お姉さん、凄く楽しかったです。お世話になりました。」


「こちらこそ、どういたしまして。お母さんと雪ちゃんも気をつけて帰ってね」


校門前でみんなとお別れです。


「まま、ばいばーい。」


「バイバイ。またお家でね〜。」


手を振って見送ります。


……

…………


行っちゃった…。

振っていた手をおろして姿の見えなくなった場所をまだ見つめてます。


挿絵(By みてみん)


楽しい時は本当に早いよね。

先程放送もあったから、文化祭ももう終了です。

先生からいきなりサポートをお願いされる事から始まった、初めての文化祭。


全く知らない事から始まったけど、とても楽しかった。

また来年も楽しい文化祭になるといいな、と思いながら文化祭は終わるのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ