表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/236

ある日の文化祭①-7 高1 (挿絵有り)

2023.10.27 加筆修正しました。

「只今より第33回、紅葉祭を開催いたします!」



そんな声がスピーカーから流れてきて、文化祭が開催しました。

開催のお知らせと共に辺りからも「ワー!」って声があがり、拍手も同時にあちらこちらで沸き起こって凄いです。



「いよいよかー······。」

「とうとう始まったね〜。」


「うん、始まったね。ここまでみんなで頑張って準備したし、今日1日がんばろうね!」


私と一緒に開幕を担当する男の子と女の子。

女の子の方は美紅ちゃんという、明るくてクラスのムードメーカー的な感じの女の子なんだ。

そんな2人と椅子に座って迎えた文化祭。



幸いな事に天気には無事恵まれ、晴天とはいかなくても晴れ間の覗くいい天気です。

まぁ、11月なので台風でも来なければそうそう雨はないだろうな、とは思ってはいたけれども、可能性はゼロじゃないからね。

無事晴れてくれて一安心です。

これなら来客も期待出来るのかな?

沢山来てくれるといいな〜。

私達の後ろにある、景品のう◯い棒を見ながらそう思う私です。



開始して暫くすると廊下が賑わってきました。

教室の2つある出入り口は開けっ放しにしてるので、ここから廊下がよく見えるんだよね。

廊下を行き交うのはまだ学校の生徒だけみたいで、一般の方はまだ見えないね。

始まったばかりなので、これからに期待です。




「「「いらっしゃいませー。」」」


早速来てくれました。同学年の女の子グループです。

初お客様を私達3人で歓迎します。


「こちらの用紙にスタンプを押して、3つ押せたら持って来て下さい。景品を差し上げますので。」


「はーい。分かりました〜。」


打ち合わせ通りに説明をしてくれる、クラスメイトの長嶋君です。

「はーい」と長嶋君からスタンプ用紙を受け取って、出かけていく女の子グループ。

そんな彼女達を見送る私達です。



「最初のお客様だったけど、どうだった?」 


「んー、ちょい緊張したけど大丈夫だね。これならいけるよ。」


そっかそっか、良かった。

初対応をした長嶋君に尋ねてみたけれど、緊張以外は問題なかったみたいです。

まぁ難しい説明は特になくて用紙を渡すだけだからね。

それにスタンプ設置場所も用紙に書いてあるから、それを見て指定場所に行ってみれば、直ぐに分かるようにしてあるからね。

それに交換はまだまだ先だから。



「この調子で頑張ってこ!」


「うん!」

「おう!」


と、いうわけで私含めて3人で改めて気合を入れます。





その後も続々とお客様が来てくれたんだ。

学校の生徒がメインだったけど、来てくれた方に3人で対応しました。

途中で当番の交代もしたけれど、概ね順調です。


「行ってくるね〜。」

「はーい。頑張ってきてねー!」


なんて見送りながら。


私?

私はお昼ぐらいまでは教室にいるよ。

というのも、お昼過ぎ頃にお母さんが来るということなので、そこで交代して一緒に見て回る予定なんだ。

なので午前中はここで対応をやってます。

それに今の所、結構来てくれてるので楽しいしですよ。



「あ、このはちゃん、見て見て!校庭で何か始まったよ?」


「ん?なんだろ?」


そう言われて、後ろを振り返ります。

気になったので窓から校庭を見ると、確かに何やら始まった様子。

私達の教室がある棟からは校庭が見えるので、こうして眺める事が出来るんだよね。



「確かに始まったけど······声、聞こえないね?」


「うん、そうだね。何を喋ってるのか、ちょっと聞こえないや。」 


この位置からだと声までは聞こえないみたい。

マイクを使ってるみたいだけど、そこまでボリュームは出してないみたいだし······。

うーん?なんだろう??


昨日見に行った時は高さ1メートルくらいのステージがあるだけだったんだよね。

ステージっていってもそんなに広いわけでもなくて、人が数人乗れるくらししかなかったんだよね。

他には何も置いてなかったから分からなかったし。

でも今は何か置いてあるけど黒い物?くらいしか見えないからなー。


「あ、喋ってる人が降りた。」


多分男子生徒っぽい喋ってた人がステージから降りて、暫くしたらまた別の男子生徒がステージにあがった。


「あ!これって······」


「うん、多分あれだね」 


今度は音が聞こえてきて······「「カラオケだ!」」


パンフレットには????しか記載のなかった、シークレットイベントみたいです。





「いらっしゃいませ~♪」


お客様が来店です。

10時も過ぎてくると一般の外部の方も見られるようになりました。

私達の親くらいの年齢の方や、もう少し上のご年配の方まで様々な方が。

子供連れの方なんかもいらっしゃいましたね。


「今、校庭の方でイベントやってるみたいなので、行ってみてはいかがですか?丁度スタンプも校庭に1つありますので。」


「あら、そうなの?それはありがとうね。」


「いえいえ。是非、文化祭を楽しんで来てください。」


さり気なくカラオケを宣伝です。

忙しい中、折角来て貰ったんだから色んな所を見て楽しんで帰って貰いたいからね。

 


何の曲だか分からない、カラオケの音楽をBGMして暫く経った頃に、それは来た。


「いらっしゃいま「やっほー!お姉ちゃん!」···葵!いらっしゃい♪」


妹の葵が来てくれました。


挿絵(By みてみん)



「このはちゃんの妹さん?」


「そう。葵っていうの。そうみえないでしょ?」


苦笑いしながら返します。

顔つきは似てるんたけど、なんせ髪色が違いすぎて初見じゃ姉妹に見られないんだよね。 

言われると「あー······顔つきが似てるね?姉妹なんだ??」って、驚かれて言われるくらいだから。



「お友達も来てくれたんだね。ありがとう。いつも葵がお世話になってます。」


文化祭に来てくれたのと、葵がお世話になってる両方の感謝を込めてお礼をします。 


「止めてよ〜、お姉ちゃん。なんかお母さんみたいじゃん!」


そんなやり取りにププって笑うみんな。

ちょっとは緊張が取れたかな?


「葵のお姉さんですか?いつも葵から話は聞いてます。自慢のお姉ちゃんだって···「ああ!それ言っちゃダメー!」ちょっとぉ~あおい〜」



フフ♪

葵も楽しく学校生活送れてるみたいでよかった。

お父さんもそうだけど、葵とも仕事や学校の事って話さないんだよね。

それ以外の話題とかは普通に話すんだけどさ。

それなんで葵のこういった一面を見れて、お姉ちゃん嬉しいな♪って自然と笑みが出ちゃうね。

なんか「うっ」って聞こえたけど大丈夫かな?



「ところで、こっちはまだ来たばかり?」


「うん。みんながお姉ちゃん見てみたいって言うから先に来たの。これからグルッと回ってステージ発表をメインに見てみようかって感じかな?」


「そっか。私もまだ見てないから分からないけど、結構賑やかみたいだから楽しんできてね。」


「うん、ありがと。まあ、ここに来る道中だけでも良かったよ。知らない学校っていうワクワク感とか、違う制服で来てるドキドキ感っていうのかな?」


「あぁ、何か分かる〜。あるよね、そういうの。」 


知らない場所に来るのって、場合によっては不安とかあったりもするけど、今回みたいなイベント事だと楽しみ感の方が勝るよね。

それに今日の葵達。

他校の制服を着て違う学校に行くと、やっぱり目立つしよく見られるんだよね。

それが変に感じて今のドキドキ感なのかな?

癖にならなければいいけどねー。



お互いにうんうんと頷きあい、ひとしきりお話しした後「はい、これ。」と紙を渡します。


「グルッと周れば集まるようになってるから、帰りにでも寄って行ってね。お菓子プレゼントするから。」 


「はい!ありがとうございます。」

「じゃ、お姉ちゃん、行ってくるね〜。」


「はーい。お友達のみんな。葵の事、これからもよろしくね。」


出口に向って行く葵達に、手を振って見送る私。


「任せて下さい!お姉様!!」

「ちょっと!?何言ってんのよー!」


なんて漫才みたいなやり取りをしながら去って行った葵達。

本当に仲良しそうで楽しそうで、お姉ちゃん嬉しいよ。



  ーーーーーーーーーー



「このはちゃんの妹さん、可愛いね。」


「そう?」


「うん。それになんだか、お姉ちゃん大好きって感じがするよ。」


「えー!?まっさか〜······。家じゃ全然普通だよ?そんな素振りないもの······。」


「そういうものだよ。『好き』なんて、照れたり恥ずかしかったりするじゃない?ましてや姉妹じゃ尚更だよ。」



そういうものなのかな〜??

確かに小さい時は、随分とくっついて来てたと思うけど······。

うん······分からないや。



思わぬ事を言われて、プチ混乱した私。


それでも文化祭は進むのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ