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ママは女子高生♪  作者: 苺みるく


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ある日の文化祭①-4 高1 (挿絵有り)

2023.10.26 加筆修正しました

前回のHR(ホームルーム)から1週間程経った、ある日の朝。

私は黒板の脇にある棚から箱を回収しました。

この箱は前回のHRの時に、みんなからの提案を募集&回収するために設置したものなんです。



何故、箱に入れる方式にしたかというと、匿名にしたかったからなんだ。

こういうのって匿名の方が意見を出しやすいと思うんだよね。

少なくとも私はそう思っているの。

採用されるかはともかくとして、どうしても読まれる関係上、名前を出すのは恥ずかしいって子もいるかもしれないからね。

そのせいで折角の提案を貰えなくなるのは勿体ないので、匿名という方式を採用したんだ。



箱を手にとって、軽く振ってみることにする。

さぁ、果たして紙は入っているのだろうか?

1枚は確実に入っているのだけど、それは私が入れた物なのでノーカンで。

ドキドキするね。

せめてもう1枚でもあれば、嬉しいんだけどな。

そう思いながら振った結果。


カサッ、カサカサ······


「おぉ!」


嬉しくなって思わず声が出ちゃった。

それもそのはずで、中から紙切れが擦れる音がするんだもん。

1枚の紙切れが出す音でなくて、複数枚が入っている擦れる音。

嬉しくなるのも分かるよね。


早速蓋を開けて中を見てみる私。

すると先程思った通り、少しではあるけれど箱の中には紙が数枚入っていていた。

良かった良かった♪

思わずにんまりとなる私です。


箱を再びしまいます。

あとはこれを、お昼休みに委員長達と確認して纏めないとだね。





先生がやって来ました。

出席を取った後に少し時間を頂いて、クラスの方の参加についての確認をとります。


「前回の話の通り、今日の時点でのクラスの方へ参加出来るかどうかのを確認をとりたいと思います。今回は2通りの確認で1つはほぼ無理だよというタイプと、2つ目は多少は抜けるけど来れる時間もあるよってタイプです。2つ目に関しては後で佐藤君か志保ちゃんに時間を教えてください。宜しくお願いします。」



「まず1つ目、来れない方は挙手をお願いしま〜す。」


私が訪ねて、佐藤君と志保ちゃんがそれぞれ紙にチェックをします。

うん。パッと見だけど、前回より増えてるね。

そうするとやはり、部活の方も方針が決まってきたかな?



「ありがとうございます。では続けて、少しは来れそうという方はお願いします。」


続けて2つ目の方も尋ねてみたけど、やはりこちらもそれなりにいるね。

さすが部活が人気の学校なだけあって、活動も盛んだよね。

逆に考えると私みたいな帰宅部が珍しいのもあるか·····。

それにしても······と考える。

この段階でもう半数を超える人数が、来れない又は時間制限があるという事が分かった。

結構な人数だね、これは。

ローテーションで持番をするのを考えると、本当に人を極力使わない出し物にしないといけないね。

そう考えながら確認をとるのでした。



  ーーーーーーーーーーー



「ねぇねぇ、このはちゃん。どんな案が入ってたの?」

「あ〜、私も気になるー。」

「私も!」

「うちも!」


みんなでご飯を食べてると、会話が一区切りついたタイミングでそんなことを聞かれたよ。

そしたら他のみんなも口々に気になるーって言ってきて、何気にみんな気になってたんだね。



「えっとね······中身はまだこれから確認なんだけど、枚数は5枚あったよ。とりあえず食べ終わったら確認するつもり。」


「そっか、了解! でも、5枚か〜······。意外と少ない??」


「どうだろうね?でも、ないよりはいいかなって思うよ。それに数より質を重視したいからさ。」


「なるほどね〜。」


そうなんだよね。

今回の場合は数より質。

いくら案が沢山あってもあきらかに没案ばかりだと、意味がないんだよね。

1枚でもいいから、コレだ!って案が欲しいし。


私も案を書いて入れたけど今朝の確認を見たら、ちょっと微妙かな?と感じたんだよね。

人数的な所で。

食べながら考えつつ、そんな時間を過ごして。




「このはちゃん、食べ終わったよ?」


志保ちゃんも食べ終わったらしい。

じゃあ、早速確認でもしてみますか。

みんなも気になってるみたいだしね。勿論、私も気になってるよ。



「志保ちゃん、メモれるかな?」


「ちょっと待ってて·····OK、いいよー。」


志保ちゃんの準備を待ち、出来たとのことで読み上げます。

さてさて、何がでるかなー???

箱の中に手を入れて、折られた白い紙を取り出します。

カサカサと広げて一読。

フムフム······。なるほどね。



「まず1枚目は、駄菓子屋。内容はタイトル通り駄菓子を売る、だね。」


「駄菓子かー。何か定番っぽいね。」

「あー······確かにそんな感じあるねぇ。」


みんな、そんなイメージ?感想を持ったらしいです。

でもなんか分る気はするね。

駄菓子って言うと、イベントなんかで配ってるイメージがあるもん。

今行く所だとショッピングモールの、通路でやってる企業のアンケートのお礼とか。


引き続き行きましょう。


「2枚目はスタンプラリーたね。学校内を巡ってスタンプ押したらお菓子プレゼント。3、4枚目が似たようなのでコーヒーショップとメイド喫茶。」


「「「メイド!?」」」


メイドに反応する女の子たち。

いや、違うね。男の子も反応してるよ。


「みんな、メイドとか興味あるの?」


と聞いてみた。

だって凄い反応してるんだもん。


「興味というか、衣装なんかは凝ってて可愛いかな〜なんて思ったこともあるよ」


「あと、あれじゃない?『お帰りなさいませ!御主人様!』とか?」


「え?あれはまた違うんじゃない??」


なんか盛り上がってるね。衣装が可愛いだとか凝ってるだとか。

メイドじゃないけど、執事もいいよねーとか。

私もそんなお店が東京にあるのは知ってるけど、行ったことは勿論ないからね。

だから違いが分からない。



「佐藤君はしってるの?」


「んー······、そういう店があるのは知ってるけど行ったことはないぞ。東京だしなぁ······」


男の子という事で、少しは詳しく知ってそうかな?と佐藤君に聞いてみたけど、知ってるくらいだった。

まぁ東京じゃ、ここからだと電車で1時間くらいだから用もないと行かないよね。

運賃だって往復で考えるとけして安くはないから。



「でもでも、このはちゃんのメイド姿とか見てみたいねー!」


「あ!いいね!私も見てみたいな。猫耳つけてニャン♪とか?」


「似合いそ〜♪」


何よ、それー!?

思わず想像しちゃったけど、それだけでも恥ずかしいんですけど?!



挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


そんなメイド姿の自分を想像して、1人恥ずかしがってる私を置いといて盛り上がるみんな。

こんな衣装はどうかな?とか、猫耳?犬耳?どれがいいかな?なんて言ってるしさー。

全く······そんなの私は着けませんよ?

でも、雪ちゃんに着けて?と言われたら着けるね、きっと。



さて、そんなおバカな話はスルーしようと思ったんだけどさ。

でも何を考えたのか、折角だから少しだけ付き合ってあげようかな?って、その時思っちゃたんだよね。


「は〜い、みんな! メイドさんは置いといて次に行くニャン♪」


とりあえず語尾にニャン♪だけつけて言ってみた。



···

······

·········


「「「「キャーーー――!!!」」」」


「ヤバい!このはちゃんがニャン♪とか言ったんですけど!!?」


「うっそー!?」


「かわいいー♪」



思ってたより受けが良かった······。そんなに良かったのかな??

佐藤君は佐藤君で固まってるし。


「佐藤君?どうしたニャン?正気に戻るニャン。」


そのままのノリで今度は手も猫っぽく丸めて、首を傾げて声をかけてみたんだ。

これがあれだっけ?萌???



固まってた佐藤君はこの間のお昼休みみたいに、また「ブブーーッ!!」っと、むせて咳こんでた。 


「止めて······鈴宮さん···。萌え死ぬ······」 


そんな必死な声が聞こえた。





「このはちゃん? 私にもそれ言ってくれないかな?」


「え!?」


彩ちゃんがそんな事を言ってきた。

何でまた??

そう思ったけど、今更か······と思い言ってあげることにしたんだ。


「彩ちゃん、可愛いニャン♪」


「グフッ!」


変な声を出して、机に突っぷくした彩ちゃん。

それを見たみんなが、


「私にも言ってー!」


何て言うから1人ずつ対応する羽目になってさ······。



私から撒いた種だけど、もう止めようと誓いました。

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